【ソード・ワールド2.0リプレイ】氷壁を砕け!【英雄志望と二つの剣3rd season 3−11】
前回のあらすじ
謎の装置から動力源を抜き取ると、安全機構なのか人造蛮族が動き出し攻撃してきた。しかしクキバミによってあらかじめその性質を知らされていた冒険者たちは、十分に対策をして軽々とこれを撃退する。
<前回 |第1シーズン|第2シーズン|レイラ個別|3−1|3−2|3−3|
GM:さて、それではアークが投げ捨てた炎の石の扱いを考えましょうか。売値については宝物鑑定判定で目標値16です。
宝物鑑定判定 目標値16
全員失敗
GM:では、見たことないものだし扱いにくいから500Gくらいで売れれば儲けものかなと思います
クキバミ:指輪割る! ちょうど16でどうじゃ!
GM:了解です、ではこれが300年程度エネルギーを発し続けたマナの塊であることを考慮すれば、6000G程度で売れると予想されます。名前をつけるならば「イグニスの火卵」と名付けられます。
オリジナルアイテム(基本的に売却前提) イグニスの火卵
用法:1H 売値6000G 主動作で投げつけて使用する。使用時に使用者に2d6の炎属性魔法ダメージを与える。着弾点を中心に、達成値16(魔力9)で真語魔法ファイアボールを発生させる。このとき魔法制御・魔法収束・魔法誘導などの効果を得ることはできない。乱戦に向かって投擲する場合、精密射撃がなければ誤射が発生する。
アーク:魔力9のファイアボール……威力20+9、つよいね
コーラル:でもドワーフじゃないと使い道がないな、まさに売るためのアイテムだ
レイラ:みたいですね
クキバミ:何か耐熱性の容器にでも入れてカシウスに持っておいてもらおうかの
カシウス:わかった。炎なら妖精も契約してるしなんとかなるだろ(特に根拠はない
レイラ:焼肉屋さんに売りますか
クキバミ:ドワーフの知り合いっておったかの?
アーク:ゴリさん! ゴリさんに売ろう! 料理が美味しくなる!
レイラ:あの世にいる可能性がありますけどね……
アーク:その時は迎えに行けばいいさ
クキバミ:なんかかっこいいのう(美味しいご飯食べたいだけなのに)
GM:さて、これを回収したところで、燃え盛っていた部屋から火が消え、ようやくこの部屋も少しずつ室温がまともになります。この先に続く通路がありますので、そこを進みましょうか。
GM:通路を進むと、さらに下の階層に続く階段を抜けることになります。その広い階段を下ると、あたりの空気は今度は急激に凍え始め、肌寒く感じる者もいるかもしれません
コーラル:……さっきの火の玉、早速役に立つな
クキバミ:釣り竿の先にでも下げて暖をとるか
レイラ:そんなことしたら燃えますよ
GM:あたりはだだっ広い巨大な神殿になっています。大きな柱に謎の信号が走り、地下にも関わらず天井は高く、もはや人間のために作られたとは思えないほどの不必要に大きな空間です
GM:階段から降りた正面には巨大な金属の扉(扉というよりゲートと言った方が伝わるかもしれない)があり、いまそれは閉ざされています
コーラル:「でけぇ扉だなぁ……これ、壊すのにどれくらいかかると思う?」
クキバミ:「ん?」
コーラル:「違った。作るのに、だ」
クキバミ:「大きさから言って巨人族が手伝ったには違いないじゃろうな。今の人族でもこれほどのものを作るのは容易ではない」
アーク:「作るより壊す方が楽だよ?」
レイラ:「壊す前提なのやめません?」
カシウス:「どこかいじって開けないかさぐってみるよ」
コーラル:「さっき試して無理ってのはわかってるんだけど、癖でさ」
レイラ:「でも巨人が作ったにしても大きくありませんか?」
カシウス:「ああ、たしかに……ダインハイトで戦ったあいつはたしかにでかかったが、それより大きくないか?」
アーク:「ドラゴンってすっごくおっきいんだよ!」
レイラ:「ぞっとするようなこと言わないでくださいよ!」
コーラル:「あー、ドラゴンかー。ドラゴンは一度はぶった斬ってみてぇなぁ……海にゃ蛇のバケモノみてぇのしかいねぇし」
カシウス:「おいおい……いくらなんでもドラゴンは伝説の生き物だろ? そうそう倒せるわけないだろ」
GM:などと言いながらカシウスがあたりを探していると、凍り付いていた操作パネルと思しきものを発見します
カシウス:「クキバミ、ちょっとこの機械見るの手伝ってくれ」
クキバミ:「なんだ、我今日はもう面白いものしか見たくないぞ」ぴょんぴょこ
アーク:「海のバケモノかー……ドラゴンもどっちも見てみたいな」
GM:アークがそう言うと、おしゃべりなコーラルから返事がありません
GM:それどころか、機械へ向かって移動していたはずのカシウスとクキバミがその途中で立ち止まっています
アーク:僕は動けるの?
GM:はい、動けます 完全に時間が止まっています
アーク:コーラルの口に干し肉を突っ込むよ
コーラル:ふがっ
GM:コーラルが肉を噛みません
アーク:時間が止まってる!!
レイラ:それで確かめるのなんなんですかw
GM:アークの目の前に、一つの光が中空から現れます。それと関係あるのかないのか、アークの頭の中に声が響きます
????:「……あなたの器を測りにきました」
アーク:「器? ……これ?」ご飯の器をとりだしながら
????:「違います。比喩です。比喩はわかりますか?」
アーク:「うん(たぶん)」
????:「よろしい。思いの外無学ではないのですね、助かります」
アーク:「?」
????:「あなたは魔剣を持つことに伴われる義務を理解していますか?」
アーク:「?」
????:「簡単な質問ではありませんか。『はい』か『いいえ』でお答えなさいな!」
アーク:「はい!」
レイラ:してるんですか?w
????:「では、あなたはいくつほどの蛮族の魂を刈り取る計画ですか? 収量の見込みはついていますか?」
アーク:「はい!」
????:「ああ、もう! ちゃんとしなさい! 『はい』か『いいえ』しか言えないのですか!」
アーク:「はい!」
????:「もっとこう、質問とかあるでしょう! こんな突然、不思議な力を使って話しかけてきたんですよ!」
アーク:「いいえ」
????:「ちっ、ル=ロウドなんて信仰してる奴は……」
レイラ:舌打ちしてるけどこれ神様ですよねw
クキバミ:神にすら舌打ちさせる男
????:「あー、もう、はいはい、じゃああれですね、7万くらいね、そしたら戦士として認めて
アーク:「いいえ」
????:「はぁ? じゃああなた、なんのために魔剣を手に入れるんですか? 戦うためでしょう?」
アーク:「……」いろいろ考えたあと「いいえ」
????:「じゃあなんのために手に入れるのか聞かせなさい、このル=ロウド信者!」
レイラ:斬新なけなし文句ですねw
コーラル:まぁル=ロウドだからな……
アーク:「僕が欲しいから……」小声
????:「あぁん? あなたね、私これでもちゃんと見てるんですよ? あなた、農民は税を納めるべきだって農民を殴ったでしょう?」
アーク:「はい」
レイラ:神様ガラが悪くなってきてますよw
コーラル:口が悪くなってきたなw
????:「人族が神様の力の分け前をいただくんだから、当然納税の義務があるんです。わかりますか?」
アーク:「いいえ」
????:「あーーーーーーっもう! なんでこんないい加減なのに渡ってしまってるんだか……ほんっっっっっっっと定住しない奴はこれだからダメね、人族未満よこんなの」
アーク:「?」
????:「あー、あれかしら、やっぱり人族も時間が経てば劣化するのね。最近ろくな戦士がいないもの……地力が落ちれば収穫量も落ちる。この地域もそろそろおしまいってことかしら」
アーク:「いいえ」
????:「いい? いまここに、この扉の先に! 蛮族の将軍がいるの!」
アーク:「!」
????:「あなたは、そいつを、殺す! それが力を得るための最初の納税の義務!」
レイラ:納税大好きマン
アーク:「いいえ」
????:「私だって好きでやってるんじゃないの、わかる? ライフォス様とティダンの野郎が無理やりこの私を引っ張ったんだからしょうがないじゃない。やるっきゃないのよ」
コーラル:おい神様
アーク:「……」
????:「で? あんた魔剣の力いるわけ?」
アーク:「はいいえ?」
????:「はっきり言いなさいよ!」
アーク:「はい!」
????:「じゃ、頑張っていろんなマナ集めてね。その機械、私詳しくないから使い方わからないの」
アーク:「はい?」
????:「手に入れたら仕事する。それが神の祝福を受けたものとして当然の務め。以上。守らなかったら雷でも落とすから」
アーク:「……」
????:「あー、もう、ほんっと……心苦しいわ……ライフォス様の生み出した人族に雷を落とさないといけないなんて……でも規則で決まってるんだもの、しかたないわよね。そう……そうよ……仕方ないのよ……」
GM:少しずつ光が弱くなります
アーク:「じゃあね、たぶん……フェトル様?」
????:「はいはい、さよならル=ロウド信者、二度と会わないといいわね」
GM:光が弱くなり、ふわりと消えると同時に、時間が動き始めます
コーラル:「かいひゅーっふへもがごごぐっふ」
コーラル:「???」
アーク:「あ、うごいた」
クキバミ:「なんじゃこいつ、無意識で物食っとるぞ。これだから単細胞は……」
コーラル:「いつのまに……まぁ食うか」
レイラ:「そんなにお腹空いてたんですか……?」呆れ
アーク:「それ僕がやったんだ」
コーラル:「はぁ? 話してるときに突っ込んだのか? さすがにそこまで油断はしてねーぞ」
アーク:「なんか急に止まったから寝たのかと思って口に突っ込んだの」
コーラル:「???」
クキバミ:「なんじゃ食っただけじゃなく無意識に寝とったのか、これだから無脊椎動物は……」
カシウス:「貶し言葉が豊富だな……」苦笑い
アーク:「カシウスも動いてなかったよ?」
カシウス:「俺は歩いてただろ?」
レイラ:「また訳のわからないことを……」ちょっと考えて「いつも通りかも」ぼそり
アーク:「そういえばクキバミは浮いてたよ」
クキバミ:「我は仙人じゃから浮けるぞ。霞でくらすぞ」
GM:では、そろそろ操作盤を動かそうとしましょうか
アーク:「あ、クキバミ開けるの待って」
クキバミ:「なんじゃ? 何か聞こえたか?」
アーク:「この扉の先に蛮族の将軍がいるんだって」
クキバミ:「なんじゃそれ。誰かから聞いたみたいに言うではないか」
アーク:「うん、いまフェトル様が教えてくれたんだ」
カシウス:「へぇー…………は?」
レイラ:「はい?」
アーク:「フェトル様が教えてくれたんだ」
カシウス:「いや、聞こえてる」
クキバミ:「お主ル=ロウド神官じゃろ?」
アーク:「うん、そうだよ」
コーラル:「フェトルって神様だよな? 信用していいのか?」
レイラ:「信用するとかの話じゃないでしょう。フェトル様ですよ? 信仰してる方も多いですし、フィネアでは一番慈悲深く敬愛されている……
アーク:「たぶんル=ロウド様よりは信用できるよ!」
GM:これだからル=ロウド信者は……
コーラル:「アークが言うならそうだな。…………おい、いまなんつった?」
アーク:「たぶんル=ロウド様よりは信用できるって」
コーラル:「……ル=ロウド神官がル=ロウドよりフェトルを信用……信心と信用は……別?? ??」
コーラル:「……カシウス、干し芋くれ」
カシウス:「あ、ああ……じゃあ開く前に戦う用意を……」
GM:ここで説明役をお招きします
アーク:準備できない!?
GM:はい、正面から当たってみましょう
GM:突然、扉の中央にあった巨大な円盤型のパーツが回転し、いくつか水平についていた金属の杭が左右に引き抜かれていきます
アーク:「開いちゃった……」
次回へつづく