【ソード・ワールド2.0リプレイ】ユークライントの小遺跡【英雄志望と二つの剣 3-10】
あらすじ
命からがら二匹のヘルハウンドから逃げ出した冒険者たち。逃げ場のない罠の全容を知って、彼らはそれぞれに自責の念に駆られて気を落としていた。
死闘から逃れて
アーク:「僕が宝箱を開けなければ…」
ノイ:「この魔動機のハッキングさえうまくいってくれれば…」
レイラ:「私が不甲斐ないばかりにみなさんに守ってもらってしまって…」
サラー:(さて、どうしたものかしら…)
カシウスの意外な気の使いよう
カシウス:「よし、全員無事だな! なあサラー、ノイ。さっきのあれはなんなんだ?」
サラー:「え? えぇ、ちょっと打ち合わせをしておいたのよ。もしもの時のためにね。思ったより早く必要になっちゃったみたいだけど」
カシウス:「あれすごかったぜ。番犬たちもさすがの音に腰を抜かしてたな!」
ノイ:「うん、サラのおかげ。うまくいってよかった」
カシウス:「それにアークも、ずいぶん攻撃受けてたけど、よく耐えきったな!」
アーク:「うん…でも
カシウス:「いや、みんなが生きてるのはアークがうけた傷のおかげだ。ちょっと待ってろ」
ヒールウォーターを行使→成功
カシウス:手元に水が湧き出してくる
カシウス:「ほら、飲んどけって、傷が治るぞ」カシウス汁だぞ
ノイ:なんか飲みたくない名前のものができた…
アーク:「あ、ありがとうカシウス。…うん、おいしいね」
ヒールウォーターを2度使用→アークの残りHP17に
カシウス汁を配る
カシウス:よーし、ノイとレイラにも飲ませちゃうぞ~
アーク:「騎士様、怪我、治しとくよ」
キュアウーンズを行使→レイラのHPが全回復、アークのHPを全回復
レイラ:二つの意味でありがとうございます
ノイ:アーク、わたしは!?
カシウス:やだなぁノイ、ここにカシウス汁があるだろ?
ヒールウォーターを行使→ノイのHPが6回復
カシウス:「ノイも魔力補充で体力削ったんだろ? 俺たちのためにありがとな」カシウス汁を差し出す
ノイ:「ありがとカシウス。時には気が利くんだね」もらいたくないけどね!
レイラ:…アークさんとノイさんのダイス目がこれから腐るのかと思うと…
そして状況の整理
サラー:(カシウスくん、いつになく喋るわね…彼なりに周りを見てるってことかしら…リーダーぶってみせてても、アタシもまだまだね…)
サラー:「…よしっ!」自分の顔を左右の手でぴしゃりと叩くわ
カシウス:「!? ど、どうしたサラー!?」
サラー:「ちょっと気合いを入れ直したのよ。とりあえず、状況を整理しましょ」
カシウス:「とりあえず後門のヘルハウンドが2匹。前門は…」
レイラ:「閉ざされてしまいましたね」
サラー:「つまりとにかくあいつらを倒せば私たちは多分ここから抜け出せるわ」
アーク:「でももう一回戦っても…」
サラー:「そうね、勝てっこないわ。だからやることは…」
ノイ:「もう一回この魔動機に挑んでみる。もう時間がかかるとか言ってられないね。こうなったら長期戦だ」
サラー:「そうね。まさかこんなことになるとは思ってなかったけど、この部屋は安全みたいだし、ここで休憩をとりましょう。みんな体も心も限界でしょ?」
レイラ:「そうですね、そうしましょう」
サラー:「それから、みんなの持ってる道具や使える魔法を確認しておきたいわ。調べてもなにも出なければ、そのときは意地でもあれを倒すわよ」
カシウス:「了解だ」
ノイ:「了解したよ」
長期戦へのシフト
GM:では休憩後、長時間をかけてもう一度魔動機のハッキングを仕掛けるということになりますかね
カシウス:宝石も調べたいけど、まずはそれを成功させることが先決かな。また手伝おう
サラー:そうね、手伝って万全を期しましょう
GM:では休憩時間の宣言をお願いします
サラー:第1シナリオのときと同じなら、合計9時間ね
ノイ:うーん、長期戦って感じ
カシウス:まさか遺跡の中で寝ることになるとは…
GM:では、9時間時計を進めます。帰路まで含めてあと3日、つまり遺跡を出てリンディンフォーデに帰るまではあと2日弱ほどしかありませんかね
サラー:さーて厳しくなってきたわよ
GM:眠っている間には特に何事も起きません。
魔動機のハッキングに再チャレンジ
GM:それではノイを手伝う方が構造解析判定、目標値9をお願いします
構造解析判定→カシウス・レイラ・サラー成功。アークは自動失敗
アーク:やっとピンゾロが出た! 経験点もらい!
カシウス:3成功ならいけるかもな
ノイ:ダイスで何出せばいいんだっけ?
GM:ノイの魔力が4なので、3ボーナスで・・・6出せば成功ですね
ノイ:はーっ 6ね…普通なら割と出るんだけど…
ノイ:ハッキング 2d6+4+3 → (3,3)+7 → 13 成功
ノイ:あっぶない!
サラー:お見事!
GM:では、ノイが再起動させると再び状態チェックの文字が走ります
ノイ:「よし、きたかな」
カシウス:「何も変わってない気がするが…」
ノイ:「書いてある中身は変わってるの」
謎解きのはじまり
GM:そして最後に次の文字が表示されます
「大いなる秘密を守る2匹の番犬。英雄の到来を待つ
1匹はより多くの紅き炎を求め、1匹はより多くの碧き氷を求める」
ノイ:読み上げるよ「…多分謎解きかな」
カシウス:「英雄の到来?」
サラー:「英雄の到来ねぇ…」
GM:と、皆様が嘆息した頃に、どこからか ごごごごごご と地鳴りがします。どうやら回転床が動いた音のようです
GM:さらに先ほどと同じように文字はひとつの光の玉になり、そこから一条の光が扉に放たれます。そこには赤青の宝石があり、その左右には番犬の姿が描かれています
サラー:「また部屋が動いたみたいね」
アーク:「これで帰れるの!?」
ノイ:「さあ、どっちが動いたのかわからないし、まだ使ってない方の回転部屋もあったからね」
カシウス:「そっち側にも行ってみた方がいいってことだろうな」
レイラ:「行ってみますか?」
2色の宝石の仕掛け
カシウス:「あ、ちょっと待て、その前に…」光に照らされた2色の宝石って調べていいですか?
GM:いいですよ。カシウスは扉に手を伸ばして少し触ってみる感じですかね?
カシウス:手を伸ばしますね
GM:ではみなさんが目にするのは次のような光景です
GM:カシウスが二つの宝石のうち片方にそっと手を伸ばし、その手が扉に届くか届かないかというところで、突然赤色の宝石が扉からポロリと外れます
カシウス:「うわっ! とととっ!!」キャーーッチ!
アーク:「あ、壊した」
サラー:「あ」
レイラ:「あ」
ノイ:「あ」
カシウス:「え? あ? は? いや、違うぞ、待て待て! 俺はまだ触ってなかった!!」
カシウス:青色の方は無事なんですよね? もう手では触らないけど観察します
レイラ:「これも仕掛けなんですかね」カシウスの方に寄って見せてもらいます
GM:あっ、これは
カシウス:?
GM:レイラが後ろから近寄ってるのに気づかず、カシウスは少し屈んで宝石を覗き込もうとします
GM:するとカシウスのお尻がレイラにあたり、カシウスは前かがみになっていたこともあり1歩前に足を出して倒れないようにバランスをとるでしょう
カシウス:「おっと」
レイラ:「おっとごめんなさい」
GM:頭が扉にごちん、と
サラー:「あ」
アーク:「あ」
GM:その衝撃でなのか、青色の宝石が扉からポロリと落ちます
カシウス:「のわっ!? うおっとと!」キャーーーチ!
レイラ:「っーーー!! ごめんなさい! どうしよう、直せませんよ!」
カシウス:「いや、だから壊れたってわけじゃ」
ノイ:「どっちもってことは、仕掛けなんじゃない?」
カシウス:「だよな!? 俺のせいじゃないよな?」
アーク:「また閉じ込められるかも?」カシウスが失敗するのを見てちょっと安心
魔晶石を持たせてはならない男
サラー:「ドンマイ、カシウスくん。ま、とりあえず見せてみなさいな」
GM:それぞれ魔力を帯びている魔晶石ではあるようですが、そこから魔力を引き出すことは難しそうです
サラー:「番犬はより多くの炎と氷を求める、か」
ノイ:「そのメッセージの後に外れたってことは、これは謎解きの道具ってことかな?」
カシウス:「だと思うぜ。とりあえずこれは俺が持っておこうか?」
サラー:「…」
ノイ:「…」
アーク:「…」
カシウス:「な、なんだよ!」
サラー:「その石は、アークちゃんとレイラちゃんが持ってたらどうかしら?」
レイラ:「そうですね、お預かりします」有無を言わせずもぎ取ります
アーク:「カシウス、これは割るものじゃないからね」受け取るよ!
サラー:「いえ、別に信用していないわけじゃないのよ、そうよ、むしろさっきは見直したばかりで…」独り言のように言い訳をはじめるわ
カシウス:「?」PLは自覚あるけど!! あんまりだ!
新しいエリアへ
レイラとの別れが近づく
GM:では、みなさん光明が見えたところで、新しいエリアに踏み込みましょうか。いよいよ解決編ですね!
レイラ:その前に少しだけ、レイラの心の整理をつけさせてください。これがみなさんと行動するのは最後になりそうなので…
ノイ:まだわたしとも前の言い争いから仲直りできてないよね
カシウス:二人が地味に直接会話してないのが気になっている…なんとかしないと…
レイラ:お願いしますよ、カシウスさん!
レイラ:(無事に出られることになりそうでよかった…これが終わったらいよいよ公国騎士団への編入か…。おにいちゃんに言われた通りに公国に残ることにしたけど、本当は私がハイマンだから力不足で…もしおにいちゃんと同じでエルフに生まれていたら…いや、今は考えてちゃダメ、帰るまで集中しなきゃ…)
アーク:おにいちゃん呼び!!
GM:レイラは設定上妹系だったのです
カシウス:妹系ゴリラ?
レイラ:違います、ゴリラ系妹です!
サラー:ついに認め始めてしまったわ…
そして『ゴリラの陣』の誕生
ノイ:「それじゃ新しいところ行ってみようか。その宝石の使い方もわかるかもしれないし」
サラー:「そうしましょ、えっと隊列は…」
カシウス:「俺が先頭で、レイラ、アーク、サラー、ノイの順?」
レイラ:「いえ、私の前にアークさんです」
アーク:ゴリラは真ん中!
レイラ:パーティ中心に私を置くことで、ゴリラの陣が完成するんです!
ノイ:ゴリラの陣…っ!
カシウス:よし覚えた、これで隊列間違わない!
GM:ではゴリラの陣で進みましょう!
ノイ:今度からこの隊列ゴリラの陣って呼ばれるの!?
レイラ:あーっ、しまった、言ってしまったばっかりにーっ!!