【ソード・ワールド2.0リプレイ】ユークライントの小遺跡【英雄志望と二つの剣 3-1】
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あらすじ
要塞都市ダインハイトに集まった冒険者たちは次々と依頼をこなしていた。その中でこの都市に迫る危険を知ることになるものの、一介の冒険者にできることはない。クリスティンたち公国騎士団第2分隊が尽力することを祈る日々が続いていた。
要塞都市ダインハイト
冒険者の宿クラウ・ソラス
午前11時
サラー:「ノイちゃん、紅茶のおかわりもらえるかしら?」
ノイ:「いいよー、ちょっと待ってね」とてとて
GM:ノイが紅茶を取りに調理場に行くと、店長のゴリさんが手紙を開いて読みながら、ニヤリと笑います
ノイ:(ゴリさん機嫌がいいのかな)「紅茶使うよー」
ゴリさん:「おぉノイ。よし、お前たちにしよう。ちょっとひとつ頼まれてくれないか?」
ノイ:「…何を? 内容を聞かなきゃなんとも言えないよ」
ゴリさん:「なに、前にリンディンフォーデの宿を使っただろ? あそこに恩返しの調査行さ」
ノイ:「ああ、そういうこと。それならみんなもいいと思うよ。呼んでくるね」
ゴリさん:「頼む。カウンターでいい。とはいえ遺跡の情報だ。大声で呼ぶんじゃないぞ」
ノイ:「りょうかいしたよ」
遺跡の話は内密に
ノイ:「みんなー、ちょっと話があるって。カシウス、アーク呼んできて」
カシウス:「また庭で剣振ってるのか…わかったよ。話は戻ってきてからにしてくれよ」
レイラ:「ゴリさんからなにかお話が?」
ノイ:「ん…うん、大きな声で言ったらいけないらしいんだけど、リンディンフォーデの方で遺跡調査の話があるらしいよ」
サラー:「あら、あの辺りの遺跡はもうずいぶん調査が進んだものと思っていたけど」
アーク:「呼んだー?」
ノイ:「アークも騒がないで。秘密の情報らしいから」
アーク:「そうなの?」
GM:ではみなさんが集まって、サラーに紅茶が一杯差し出されたところで、ゴリさんに登場願いましょうか
遺跡の話は内密に!
ゴリさん:「ようし、集まったな冒険者たち! お前たちに朗報だ! 遺跡が見つかったぞ! い・せ・き だ!」(大声
ノイ:「ゴリさん…」
アーク:「遺跡!? 行きたい行きたい!!」
カシウス:アークも…
ゴリさん:「ここにあるのは」手紙を示して「リンディンフォーデを仕切っているとある冒険者からの密書だ!!」
サラー:「密書って大声で喧伝していいものだったかしら…」
ノイ:「たぶん違うと思うなー」
カシウス:「…密書の意味がないじゃないか」
サラー:「ゴリさん、声を落としてもらっていいかしら? じゃないと、その口…塞ぐわよ?」
アーク:でた! キス魔だ!
カシウス:相手を選ばないのか…
レイラ:知り合い同士は勘弁してください…
ゴリさん:「はっ! おっと、すまんすまん…」
サラー:「声を落としたまま続きをいいかしら?」
遺跡の話は内密に!!!!
ゴリさん:「どうやら魔剣クラウ・ソラスのヒントがあるかもしれない遺跡を、わざわざ俺のためにそっくりとっといてくれたっていうんだ」
アーク:「魔剣!?」
カシウス:「あの…あれな、魔剣だろ?」
ノイ:(カシウス…)
ゴリさん:「バカ! 声を抑えろ! 魔剣の場所がわかったなんて他の奴に聞かれたらどうする!!」(大声
カシウス:「…」
ノイ:「…はぁ」頭抱えて
サラー:誘いと受け取っていいのかしら?
ゴリさん:「…はっ! いかんいかん…」
今回のお仕事
冒険者リーダーのシン・イマオキ
サラー:「それにしても、魔剣関連の遺跡って、結構な情報じゃないかしら? わざわざそれをゴリさんのためにとっといてくれるなんて、ずいぶんな仲なのね」
ゴリさん:「そりゃまぁ、この宿にとっちゃずいぶんな仲だよ。シン・イマオキとはな」
サラー:「シン・イマオキ…」
ノイ:「あー、カミラの…」
カシウス:「誰だそれ?」
ゴリさん:「リンディンフォーデの宿を取り仕切っている、まぁボスだな。元はここの冒険者の宿を根城に活動していて…厳密に言えばこの遺跡も俺のためにとっておいたわけではないんだが…」
サラー:(いまカミラの名前が出たわよね…)
GM:なおカミラは店の端のほうでむすーっと頬杖ついて酒飲んでます
カシウス:アイドル冒険者って聞いてたんだが!?
ノイ:ああ、なんか…そういうことね…
遺跡はヴェルチ家と関係している?
アーク:「それでどんな情報なの!? 早く早く!」
ゴリさん:「どうやら森の浅いところで、ヴェルチ家のよくわからん施設が見つかったらしい」
カシウス:「それを俺たちが調査すればいいってことか」
レイラ:「…それ、ヴェルチ家の方の許可は取っているんですか?」
ゴリさん:「うっ…まぁうるさいこと言うなよ。いまとなっちゃ誰も所有権なんて持ってないんだ。もし一族の宝なんてものが見つかったら、高く売り渡せばいい話じゃないか」
レイラ:「ダメですよ、そういうのこそちゃんとしないと」
サラー:「そうね、ヴェルチ家ゆかりとわかっているなら、やはり筋は通しておきたいわ」
アーク:「えーっ、フレッドに取られちゃうよ」
サラー:「そのフレデリックぼっちゃんに会いに行くってことよ」
アーク:「そうなの? なら一緒に僕も行く!」
ノイ:「まだフレデリックは謹慎中じゃないの…?」
カシウス:「それ言ったらアークが付いてこないから黙っておいたほうがいいぞ」
遺跡探索は“依頼”ではない
ゴリさん:「お前たちずいぶんいい子ちゃんだな。かえってヴェルチのお偉方と交流しすぎたか…まぁその辺は勝手にしろ。ただしこれだけは言っておく。遺跡調査の報奨金なんてものは出ない。現地で手に入れたものを売りさばいて報酬にするのが冒険者だ。自分たちの懐が寒くなっちまうようじゃ、冒険者業は成り立たないからな?」
サラー:「あら、依頼じゃないのね。それならリンディンフォーデのシンって人には報告さえすればいいのかしら?」
ゴリさん:「そういうことだ。森の調査を進めて、遺跡からの物品はリンディンフォーデで換金してこい。それがあの街への恩返しになる」
カシウス:「なるほど、冒険者には請け合いの依頼ってことだな。よくわからんが」
レイラ:「わかってないんですか…」
ゴリさん:「まぁなんだ、つまりは便利屋から冒険者に一歩踏み出たってところだな」
ノイ:「そうか、これが冒険者なのか」
カシウス:「…ん? つまり“依頼”でなくて“仕事”ってことか!」
サラー:「やっとわかったみたいね。でも遺跡がモンスターだらけでお宝がなかったらくたびれ儲けよ?」苦笑い
アーク:「依頼でも仕事でもないよ! ロマンだよ!!」
サラー:「それも間違いじゃないわね。今回の仕事はアタシも賛成よ。暗い気持ちにならないで済みそうだもの」
レイラ:「私も同行します。アークさんあたりがヴェルチ家の遺跡を破壊しそうで心配ですし…」
おとどけもの その1
ゴリさん:「よし、決まりだな。それで、礼と言っちゃなんだが…こいつをシン・イマオキに渡してやってくれ」
GM:そう言ってゴリさんは高級酒のロゴの焼印が付いた木箱を差し出します
ノイ:「わかった。クラウ・ソラスのメイドとして、責任を持ってお届けするよ」
アーク:「よーし、出発…の前にフレッドだ!」
レイラ:「あっ、もう! 勝手に入ったら捕まりますよ!!」
サラー:「まずはクリスティンからかしらね」
おとどけもの その2
GM:ではみなさんが出ていく中、ここでノイちゃん、カミラがものすごーく面倒そうな顔で手招きして
カミラ:「ノイ、ちょっといい?」と声をかけてきます
ノイ:「いいよ。どうしたの?」
GM:ではカミラはちょっと裏にノイをともなって移動しましょう
カシウス:じゃあちょっと妖精の宝石眺めながら待ってるよ
ノイ:やっぱり変な人だ…
カミラ:「あー…うーん…えーっと…リンディンフォーデ、行くんでしょ?」
ノイ:「うん、遺跡潜ってくる」
カミラ:「あー…えー…お願いなんだけど…」
GM:そう言うと、カミラは一つの封筒を差し出します
ノイ:「手紙? 彼氏に?」
カミラ:「違うわよ!!」
ノイ:「どっちでもいいけど。届ければいいのね。りょうかいしたよ」
カミラ:「わかってると思うけど、他の人には言わないでちょうだい。ね! わかってるわよね?」
ノイ:「ああ、うん、オーケーオーケー。わかってるよ」
カミラ:「わたしがまだあんなのと連絡とってるって噂されたら…もう…じゃあよろしくね」
一級フラグ建築士カシウス
カシウス:じゃあノイが帰ってきたら声かけるよ。話しながら遅れてみんなのところに行こう
GM:裏でクリスティンの門まで行ってるので、話しながら追いついてください
カシウス:「カミラからなにか言われたのか?」
ノイ:「うん。リンディンフォーデにいるシンって人、カミラの知り合いらしいけど、それまわりでいろいろ言伝をね」
カシウス:「ふむ。昔一緒にパーティでも組んでたのか?」
ノイ:「あー…うーん、付き合ってたみたいだよ。今じゃ嫌いみたいだけど」
カシウス:「恋人ってやつか。…俺には一生無縁なもんだな…」
ノイ:「カシウスはできるんじゃない? 商人相手になにかやったみたいだけど、悪い人ってわけじゃないし」
カシウス:「悪い人ってわけじゃない…か。どうだかな」
GM:ではそんな話をしながら、騎士団の施設の門のところまでたどり着くとですね…
GM:アークが門に対してメイスで魔力撃してます
ノイ:へっ!?
カシウス:なにやってんの!!