【ソード・ワールド2.0リプレイ】ユークライントの小遺跡【英雄志望と二つの剣 3-14】
前回のあらすじ
無事に遺跡から脱出した冒険者たち。魔剣についての重要情報を手に入れた5人はリンディンフォーデ、そしてダインハイトへの帰路につく。
冒険者村リンディンフォーデのシンへの報告
シン:「その遺跡の情報はもうゴリさんにあげたからね。君達で扱いを考えればいい…」
サラー:「…シン・イマオキ。少し質問をいいかしら?」
シン:「どうしたんだい?」
サラー:「先達の冒険者としてのあなたに尋ねるわ。あなたにとっての遺跡探索。その成果とは何かしら?」
シン:「面白い質問だね。宝石に魔動機なんかも魅力的だけど…僕がいちばんの成果だと思うのは…古い時代に残された『記憶』かな」
カシウス:「記憶?」
シン:「忘れ去られた『記憶』は、今の僕たちを彩ってくれるんだ。多分今回の遺跡調査で、君たちの人生が少しだけ色づいたみたいにね」
サラー:「…過去の『記憶』は今を『彩り』、未来を『色付ける』か。なるほど、あなたただの変態じゃなかったわね。なかなかいいこと言うじゃない?」
シンからのお届け物
シン:「さてと、これからダインハイトに向かう君たちには、僕の人生を薔薇色に染める手伝いをお願いしたいんだけど、もちろん構わないよね」
サラー:「あら、お手紙かしら? 恋人に渡せばいいのでしょう?」
シン:「ふふっ、もう僕とハニーの関係はお手紙なんてものじゃないからね…」
アーク:ちっ
サラー:ちっ
レイラ:ちっ
カシウス:ちっ
ノイ:なにこの一体感
シン:「ええと、まずはこれをクラウ・ソラスのみんなで使うように、届けてもらえるかな」薬草の入った箱です
サラー:「あらいいの? ありがたいけれど」
シン:「それから、これをハニーに」と言ってネックレスを示します
アーク:よし!
ノイ:きたー!
カシウス:やったぜ
サラー:「あらん♪ 手紙より刺激的なものだったわけね! …でも、これ、サイズ大丈夫かしら」
シン:「ハニーは可憐だけど、なかなか無鉄砲だから、薬草もきっと必要だし、このネックレスもお守りさ」
思わぬ高級品
サラー:薔薇のチョーカーか何かかしら?
GM:見識判定目標値12です
一同:見識判定 → 全員失敗
サラー:うーん…これって森を抜けて、翌日の報告ってことでいいのかしら?
GM:いいですよ
サラー:なら運命変転を使うわ。達成値はちょうど12に
GM:では、サラーはそれが『奇跡の首飾り』だとわかります
サラー:ぶふっ
カシウス:そんな凄いものなのか?
サラー:…1万ガメルよ
レイラ:え?
サラー:この変態…頭おかしいわ…
レイラ:ゴリさんへの愛が深いですね…
ノイ:わたしが言い出せないせいで誤解が誤解を…
サラー:…ねぇGM、ここでこんなアイテムを出すってことは、なんだかものすごく嫌な予感がするんだけど、カミラって…
GM:カミラは向こう見ずに依頼をこなすので、シンが心配していると思ってください
サラー:それならいいのよ、本当にそうならね…
サラー:「…一応言っておくけどね、シン・イマオキ。アタシたち、ただの行きずりの冒険者よ? いいの、こんなもの預けちゃって?」
レイラ:「高そうなものですしね」
サラー:「高いわよ。1万ガメルはするわよ」
レイラ:「い、いちまん!?」
アーク:「なにそれお宝!?」
ノイ:「また随分高いものを…」
シン:「やだなぁ。君たちはハニーの手紙を届けてくれたんだ。それにクラウ・ソラスから派遣されてきたってこともわかってる。『ただの行きずりの冒険者』とは思っていない。それだけのことだよ」
サラー:「やれやれ。そこまで言われたら仕方ないわね…でも正直アタシには荷が重いわ…」
ノイ:「冒険者の宿クラウ・ソラスのお使いってことなら、わたしがやるよ」
サラー:「そうね、お願いしていいかしら? 押し付けちゃうようで悪いけど…」
シン:「それに、なんとなく、早く渡した方がハニーが喜ぶ気がするんだ。喜ぶ顔が見られないのが残念だけど」
レイラ:む…
カシウス:フラグっぽい…
サラー:このネックレスを渡すか渡さないかで、生死が決まる気がしてきたわ
ノイ:「それじゃまかせて。ちゃんと(カミラに)渡しておくから」
アーク:ゴリさんじゃないの!?
GM:んなわけあるかい!!
ノイ:カミラが関係を伏せておけなんて言うからこんな悲劇が…
帰路に倒れていた人物
GM:そして最後のシナリオイベントですが、帰りがけの街道沿いに騎士らしき人物が倒れています
アーク:バニッシュだ!
サラー:「待って! まず周囲警戒! 罠かもしれないわ!」
アーク:行使判定→成功
GM:抵抗しませんが影響もうけません
アーク:「この人蛮族じゃないよ!」
レイラ:「大丈夫ですか!?」駆け寄りつつ
ノイ:「治療をお願い。わたしたちは警戒しておくから」
カシウス:「大丈夫だ、警戒は続けているが、周りに何かいる気配はないぞ」
サラー:(…この場合、何もいない方が帰って厄介よ…心臓、ちゃんと残ってるわよね?)
アーク:アウェイクン行使→成功
騎士団員:「はぁ…はぁ…ダインハイトが…我々の城が、危険です…早く伝え…いや、このようなこと一般人には…」
レイラ:所属はわかりますか?
GM:ノイル率いる公国騎士団第1分隊です
サラー:外傷箇所と形状は?
GM:足と腹部に斬撃属性の攻撃を受けています
サラー:ふむ…
ノイ:第一分隊も一枚岩じゃなくて、身内の面倒な騎士はこうやって放り出してるってこと? でもなんのために?
帰還支援
カシウス:「ダインハイトが危険? どういうことだ?」
騎士団員:「…いえ、やはり一般人には…申し訳ありませんが、私のダインハイトへの帰還を支援していただけませんか!」
アーク:「僕たちも今帰るところだよ」
サラー:ちらりとレイラを見ようかしら
レイラ:「公国騎士団に編入予定のレイラ・フェルンホルムであります。急ぐのでしたら、支援はお任せください」
騎士団員:「ご協力感謝します。私はカーン。カーン・シュバイデン。一刻も早く隊長のお耳に入れなければ…」
レイラ:道すがら詳しい話は聞けますか?
GM:いえ、残念ながらこの真面目一徹のカーンさんは口をわりません。
レイラ:お立場上仕方のないことです…
サラー:「協力はしてもいいけど、私たちは冒険者よ。報酬の話をしておくのが互いの信頼のために最良じゃないかしら?」
レイラ:「サラーさん…」言いかけて言葉を飲み込みます
カーン:「そうだな…しかし手負いを拾われた身だ。すぐには報酬を出せないが、無事に帰還したら相応の謝礼は行わせてもらう」
サラー:「もちろん、帰還後、あなたからでなくても第一分隊を通じてでもいいわ。それじゃ、行くわよ」
サラー:アタシが本当に欲しかったのは、報酬より第1分隊との接触よ
カシウス:手回しが自然すぎて
カーンの伝言
GM:という形で遭遇するカーンさんですが、残りの移動ではなんのイベントもございません。無事に城門にたどり着いて、カーンの姿を認めた門衛が駆け寄ってくるとき、カーンはあなたたちにだけ聞こえるように、次のように忠告します
カーン:「冒険者殿、ありがとうございました。あまり事情を話せず申し訳ありません。さしあたっては私個人からのお礼として、一つだけお伝えしておきます…」
カーン:「命の恩人を救いたいという個人的な心情から申し上げますに…これから1ヶ月ほど、ダインハイトを離れられてみてはいかがかと存じ上げます」
レイラ:「!?」
サラー:「…」
カーン:「それでは…失礼!」
ノイ:「…(このダインハイトに本当に危険が?)」
サラー:「…1ヶ月。1ヶ月、ね…」
そして長い冒険からの帰還
GM:というわけでいろいろありましたが、クラウ・ソラスに帰還です! 実に6日ぶり!
アーク:「ただいま!」
ゴリさん:「おう帰ったか! 遅かったじゃないか!」
カシウス:「遺跡の中でちょっとヘマをしてな…」
レイラ:「ほんとに色々ありましたね」ノイに笑いかけて
ノイ:「そうだね、冒険者パーティって大変」荷物下ろしながら微笑むよ
ゴリさん:「それで、どうだった! 魔剣の情報は得られたのか!!?」
アーク:「魔剣はなかったけど、なんかね! ぐぐーだったよ!」
ゴリさん:「そうか! ぐぐーだったか!」
アーク:ほら通じた!
カシウス:んなわけあるか!
ノイ:「ゴリさん、今の通じたの…?」
ゴリさん:「掘り出したものの換金は任せておけよ」
サラー:「はぁ…疲れたから甘いものが食べたいわ…」
壮絶な誤解の上で
レイラ:「そういえば、ゴリさんにも恋人さんから贈り物がありますよ。ねぇ、ノイさん」
ゴリさん:「は? リンディンフォーデに女を残してきた覚えはねぇが…」
レイラ:「ハニーによろしくって言ってましたよ!」
サラー:「ゴリさんも隅に置けないわよね…」
ゴリさん:「ハ、ハニぃ??」
ノイ:「ふふっ…」事情がわかってるわたしが笑いをこらえられるわけが
カシウス:「随分心配してたな。怪我しないようにって」
アーク:「甘いのってゴリさんのケーキのことだったの?」
サラー:「ゴリさん、もう隠さなくていいのよ。アタシたち、ちゃんと理解してるから。ほら、アタシも受け入れてくれるような子達だし?」
カシウス:「そうだな、隠さなくていいって」
レイラ:「そう言うのはよくわからないんですが、色々と大変だと思います。頑張ってください! 応援します!」
ゴリさん:「ちょ、ちょちょちょっっと待って! なんだ! どういうことだ!?」
カシウス:「だからもういいって。そんなことよりちょっと休みたいんだけど、飲み物か食べ物は…」
サラー:「そうね、ケーキ食べたいわ、ケーキ」
ゴリさん:「待て! 休むのは待て! 俺の身に何がおこきているのかを解説してからにしてくれ! ケーキもその後だ!」
ノイ:「ゴリさん、ちょっと頼まれごとがあって、こっちきてもらっていい?」厨房の奥の方に行って説明してあげよう
ゴリさん:「ノイ! お前何か知ってるんだな! 言え!」と言いながらついていきましょう
GM:では、ノイが厨房の方でゴリさんに説明し、ゴリさんが頭を抱えたところで、シナリオイベント終了です!
ノイ:あ、カミラにもお使いの報告したいんだけど
GM:ゴリさん曰く、いま要塞の北のほうに依頼で出張中です。
ノイ:そうなんだ。ネックレス渡せないな。
GM:次回シナリオで会えますので、しばらく預かっておいてください
レイラが去りゆく前に
GM:そ し て !
サラー:そうね、ここまででレイラちゃんが一旦パーティから離脱ってわけね
アーク:「え? 騎士様ここでお別れなの?」
レイラ:「そろそろ編入の手続きも終わる日ですから」
カシウス:「ん。ああ、そうなのか」
レイラ:「色々とお世話になりました」深々と頭をさげる
サラー:「お世話になったのはこちらの方よ。随分助けられちゃったわ」
ノイ:「ほんと。レイラがいないと倒せなかった敵ばっかりだった」
レイラ:「落ち着いたら、また遊びにきてもいいですか?」
アーク:「うん! じゃあまた一緒に冒険しようね!」
カシウス:「そのときは楽しみにしてる」
ノイ:「お客さんとしてでも歓迎するよ。騎士団の仕事の下請けもしてるから」
レイラ:「そうですね。ヴェルチ殿もきっと私を使いにしてくれるでしょう」
サラー:「レイラちゃんが所属するのは第二分隊、つまりクリスティン様のところよね?」
レイラ:「その予定です」
サラー:「よろしくお伝えくださるかしら。またお会いしたいと」
レイラ:「はい。お任せください」
カシウス:「騎士団もいろいろあるだろうが頑張れよ。何かあったら相談に乗るぐらいはしてやるさ」
サラー:「…あなたが?」
レイラ:「そ、そのときはお願いしますね」
サラー:「…そうだ、レイラちゃん。これ、クリスティン様に渡してくれる?」遺跡で作った写しを一つ
レイラ:「これは遺跡の…わかりました。私もヴェルチ殿以外に伝えるのは避けたほうがいいかと思います」
サラー:「それとね、レイラちゃん。何かに焦っているのは知ってるわ。でもアタシたちはあなたの拳に救われたの。あなたがあなたを認められなくても、アタシたちは、あなたを認めてる。それは忘れないでちょうだい」言って頭をポンと軽くなでるわ
レイラ:「…! はい…ありがとう、ございます」涙が滲んだので顔を思わず伏せます
GM:というところで、本当の幕間突入ですね。各々方、成長処理をお願いします