【ソード・ワールド2.0リプレイ】目覚めの鐘【英雄志望と二つの剣4-3】
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あらすじ
フレデリックと市場区画で会話した冒険者たち。その裏ですでに異変は始まっていた。別件で呼び出されていたレイラのもとに現れたのは、敵の謀略により負傷を余儀なくされたクリスティンだった。ノイルと蛮族が連携したダインハイト制圧攻撃がついに始まったのだと判断したクリスティンは、ダインハイト防衛の指揮をとると同時に、冒険者たちをフレデリックの確保に向かわせることを決断する。クリスティンの命を受けたレイラは冒険者の宿へと急ぐ。
GM:というわけで、冒険者の宿クラウ・ソラスでのどかな朝の時間を過ごしていた冒険者たちのもとに、ダッサい制服を着たレイラが現れるところからシーンを開始しましょう
レイラ:ダサくないですもん! 誇り高き騎士団の制服ですから!
ノイ:ww
GM:まだ街中は穏やかなものです。
カシウス:水の中に酒の種一粒を入れてちびちび飲んでようかな
レイラ:朝からお酒ですか、感心しませんね
サラー:何があったのよ
カシウス:たまには飲みたいときだってある…
アーク:また妖精に嫌われたんだね
GM:セッション外でも幸の薄いカシウスさんさすがっす
カシウス:「そんな朝から酒を飲むなとか言うなって。俺だってたまにくらい飲んでもいいだろ? 酔うほど飲もうってわけじゃない」
ノイ:(相変わらず変な人だ…)「サラー、カシウスが幻覚と話してる…」
サラー:「妖精ちゃんにも怒られてるのね…あー、でもアタシも正直飲みたい気分よ」
ノイ:「どうかしたの?」
サラー:「ちょっとね。いろいろ調べ物してたら頭痛くなっちゃって…」
冒険者の宿にも知らせが届く
レイラ:ではここでバタバタと走ってきて扉をバーンと開けましょう
レイラ:「はぁはぁ…皆さん、揃ってますか!?」
ノイ:「レイラ?」
カシウス:「ようレイラ、その服は新しいおしゃれか?」
サラー:「カシウス、アークを呼んできなさい! レイラちゃん扉をちゃんと締めて!」
ノイ:「どうしたのサラー、そんなに慌てて」レイラに水を入れて出してあげよう
カシウス:「おーいアーク、レイラが来たからちょっとこい」
アーク:「なーに? また仕事?」
レイラ:「ありがとうございます」水を一気に飲んでから
レイラ:「クーデターです! すでに公王は亡くなられ、ヴェルチ殿も深手を負っていました」
サラー:「ッ!」息を飲んだ後、顔を両手で覆ってうつむくわ
アーク:「…」ぽかーん
カシウス:「…ちょちょちょっと待て。今なんて言った? あの騎士が深手を?」
レイラ:「とにかく、ちょうどフレデリック殿が外出していたのでまだ無事とのこと。保護してここを脱出せよとのことです」
サラー:「…でもフレデリックの居場所は?」
カシウス:「いや、待て待て、公王様が亡くなられた!? …ど、どういう」
ノイ:「あ、今朝見た」
レイラ:「どこです!?」
アーク:「こっち!」もう駆け出しちゃうもんね!
レイラ:「行きましょう!」続けてダッシュ!
サラー:「待ちなさい、アークちゃん! レイラちゃんも!」
カシウス:「え…いや、おい…ちょっと待てよ、それってつまりどういう…」
ノイ:「カシウス考えるのは後! アークについていくよ!」
サラー:「ゴリさん、あなたはどうするつもり?」
ゴリさん:「心配するな。お前たちが戻って来るこの店だけは当面確保しておく。俺をただのパティシエだと思わないことだな」
サラー:「…わかったわ。それなら、あとは脱出経路と食料の支度も頼めるかしら」
ゴリさん:「任されて。そっちもせいぜいいい仕事してくるんだな」
ノイ:「ゴリさん、ノイルは蛮族と一緒に動いてる。ここも標的になるはず。死なないようにね」
ゴリさん:「ヒヨッコに心配されるほど俺も老いちゃいねぇさ」
サラー:「頼りにできる男は好きよ? さて…完全に巻き込まれちゃったわね…恨むわよ、クリスティン様」
GM:では、皆さんは街頭に飛び出します。先に飛び出したアークとレイラから処理しましょう
フレデリックを探して
GM:商店街はまだ平時の様子です。しかし風のように走り抜けるアークとそれを追うレイラに、何事かとざわつきます。アークはそんな声に耳もくれず、先日ラマンと会談を持った商館の正面に抜け出るでしょう。その時です。
GM:東城門で砲声が轟きます
サラー:「今のは東ね…」
カシウス:「なんの音だ!?」
ノイ:「…騎士団の魔動機倉庫がある」
サラー:「どっち陣営が…」
ノイ:「どっちでもマズいことに変わりはないよ」
レイラ:「今の砲声は!? 東ですか?」
サラー:「レイラちゃん! アークちゃんは!?」
レイラ:「先に会議所の中に!」
交易促進協会ダインハイト支所
GM:さて砲声を無視して飛び込んだアークですが
アーク:「フレッドォォォォォォォォォ!!!!!」商館中に響く大声で
サラー:「あのおバカッ!!」
商人:「うっるせぇな!! ここは商館だぞ!」
アーク:「おじさん! フレッドはどこ!?」
商人:「あぁん? しらねぇよそんなやつ」
アーク:「金髪の貴族様だよ! これくらいの!」
サラー:頼むから騒ぎを起こすなぁぁぁ!ww
GM:このあたりで後続の皆さんも合流ください。情報収集は聞き込み判定目標値10で処理します。時間経過は1分とします
一同:聞き込み判定 → カシウス以外全員成功
カシウス:商人たちはとびきり俺に冷たいんだ…
ノイ:いったい誰なら優しいんだろうね
サラー:言わないであげて!
アーク:ほら! 早く情報よこさないと首をもぐぞ! 肩掴んでぶんぶん
商人:「や、やめろ! 貴族の坊主ならさっき裏手の商店に寄り道するって出てったぞ!」首もげるやめて
アーク:「わかった! ありがとおじさん!」みんなに目もくれずダッシュ!!
レイラ:「アークさん待って!」言いつつ私もダッシュです!
GM:1分後、そこには3人しかいない
サラー:「…二人は?」
ノイ:「行ったんだろうね」
カシウス:「俺は誰も口聞いてくれなかったぞ!」
サラー:「ノイちゃん、裏手の商店で間違いない!?」
ノイ:「うん、わたしもそう聞いた」
カシウス:「ひどいよな、いくらなんでもさ…」
サラー:「行くわよ!」
ノイ:「了解! カシウス!」
カシウス:「ん、ああ、分かった!」
騎士団に不穏な動きあり
GM:冷静なお三方。皆さんが交易促進会議の商館を飛び出したところで、視界の隅に騎士が数名西門に向かうのを捉えます
サラー:部隊は?
GM:もちろん第1分隊です
カシウス:ですよねー
ノイ:早速封じにかかったってわけね。でも敵兵は分散してる
サラー:魔動機倉庫の砲声はクリスティン様が兵器を確保して戦闘を始めた可能性もあるわね
裏通り商店街の混乱
GM:さて、再び先に走っていたお二人ですが、その走りゆく先で人々の悲鳴があがり、次々に人々は反対方向、つまり自分たちの方に駆けてきます
アーク:「みんな邪魔!」
レイラ:「何事ですか!? …でも今はそんな場合じゃ!」
GM:アークとレイラが悲鳴と群衆の中を掻き分けて進むと、そこには2騎の馬に乗った賊の姿を発見します
アーク:フレッドは!?
GM:見当たりません
サラー:群衆が逃げてくるのを見て、屋根伝いに進んでもいいかしら?
GM:軽業判定7でどうぞ
サラー:軽業判定 → 成功
GM:ではサラーはここですかさず屋根の上に素早く移動して先を急ぎます
カシウス:俺はあえて下を
ノイ:わたしは…
GM:ノイさんはこんな光景に見覚えがありますよね
ノイ:うん。嫌な思い出が
GM:ノイさんは走ってくる群衆を前に、過去の惨劇を思い出します。あのとき抱えていたのはクロスボウ。今はカミラの教えによってそれはガンに変わりました。そしてあのときはセリンとともに恐る恐る進んでいた足取りも、今は冒険者の仲間たちと進む勇ましいものに変わっています
ノイ:(…今度は、守ってみせる!)
GM:さてそれでは、群衆の先で暴れていた2騎に対して魔物知識判定しましょうか
魔物知識判定
全員成功 → 馬に乗った追い剥ぎ×2(ルールブック3-324ページ)
山賊の首領(ルールブック2-319)
GM:賊の足元には数人の遺体が転がっており、あたりには負傷して体を引きずって物陰に隠れようとしている人もいます
レイラ:「あなたたちが、やったんですか…?」
賊:「へっへっへ…十分暴れていいって聞いてるからな! 好きにやらせてもらうぜ!」
レイラ:「今は急ぎますが…市民を守るのが、騎士の務め!」
GM:標準戦闘ルールを採用します。初期配置は次の通り
敵最後衛 山賊の首領
5m
敵前衛 馬に乗った追い剥ぎ×2
10m
味方前衛 アークとレイラ
15m
味方後衛 カシウス・ノイ・サラー
サラー:ギリギリ射程圏内ね
ノイ:わたしもこれなら撃てる。容赦しないよ
カシウス:GM、隠密して接近することは可能か?
GM:隠密判定で目標値9に成功すれば隠密状態とします。距離が近づけば難易度を上げます。奇襲に成功した場合相手の回避力を-4しますので
ノイ:カシウスならそれでもはずすね
アーク:はずすね
カシウス:さすがに-4ならいけるだろ!
GM:では、先制判定といきましょう
先制判定
カシウス:2d6+6 → (5,6)+6 → 17 成功
サラー:2d6+3 → (4,1)+3 → 8 失敗
→冒険者先制!
アーク:カシウスが仕事した! もう休んでいいぞ!
カシウス:俺にも戦わせろよ!