【ソード・ワールド2.0リプレイ】不穏【英雄志望と二つの剣 2-1】
フレデリックとともに海までの往復行から4日が経過しました。
あれからフレデリックが逃げしてくることもなく、平穏なものです。
しかしその分生活費負担も重くなってきた頃でしょう。
GM:レイラの個別オープニングからはじめます
【要塞都市ダインハイト騎士団訓練所】
要塞都市ダインハイト内南東にある騎士団の訓練場で、試験を兼ねた訓練が終わったところで、レイラは公国騎士団第二分隊長クリスティンに声をかけられます。
クリスティン:「フェルンホルム。よくやっているな、また腕を上げたか」
レイラ:「ヴェルチ殿! まだ! まだ強くなれるはずです!」
クリスティン:「はっは…威勢がいいな、その調子だ。…ところで、先日の冒険者たちとはまだ連絡を取り合っているか?」
レイラ:「こちらからは特には。ですが、クラウ・ソラスに宿を取っているので連絡をつけることはできます」
クリスティン:「そうか…少し騎士団が表立って動きにくい噂を聞いてな。今から店まで付き合えるか?」
レイラ:「はい! お供させていただきます!」
GM:というわけで、レイラはクリスティンを伴って店に向かいましょう
サラー:え…まさか…そんな…
カシウス:ん? どうした?
サラー:クリスティンが動くということは、レッサーオーガの噂、農村じゃないんじゃないかしら…
アーク:街の中にいるってこと?
サラー:だとしたら…難易度が高すぎるわ
GM:人口5000人!(ニッコリ
サラー:あんた鬼畜眼鏡よ!
【要塞都市ダインハイト商業区】
GM:続いてカシウスくん、商店街でお買い物した帰りのシーンです
カシウス:じゃあ妖精使い用の宝石を買った帰りってことで
GM:では、宝石を購入して無事に妖精さんとの契約を果たして上機嫌なところに
GM:以前からお世話になっていた行商人の中でもわりと顔の広いラマン・ペールという爺さんに声をかけられます
ラマン:「おや? どこかで見た顔と思ったら、カシウスだろう? …やっぱりそうだ」
GM:柔らかい笑みには、他の商人がカシウスに対して見せる警戒心は感じさせません
カシウス:「ん? あんたは…ああ、ラマンじゃないか。久しぶりだな。今はこっちで商売を?」
外野:あ、覚えてた
外野:珍しい…
ラマン:「ちょうど昨日到着してね。北回りの商売は儲かるよ、カシウスくんもやってみるといい」
GM:北回りの商売とは、北レシトリアと要塞都市ダインハイトを直接結ぶ交易路で、その途上には宿場町プロッソという街があります
GM:1年前に蛮族が侵入した事件が発生して以降、危険は多くなりましたが、その分利益も大きくなる交易路となりました
カシウス:「あー、商売か…機会があればな」
ラマン:「おや? あの賑やかな一件で商人たちからのけ者にでもされたのかい?」年甲斐もなくいたずらっぽく笑います
カシウス:「あー、まぁそんなところだ。いい機会だからな。今はここを拠点に冒険者をやってるが…ある程度かせげれば、また俺もどこかに行こうかとは思ってる」
ラマン:「ん? いま冒険者って言ったよね?」
カシウス:「ん? ああ、言ったが…」なんでもするとは言ってない
ラマン:「カシウスくん、君はつまりあの危険きわまる冒険者の道を選んだというのかね?」
カシウス:「商売以外でできそうなことと言えば、それくらいだったからな。まぁそんなに心配しなくても…」
ラマン:「それは大変だ! やはり武器や防具が必要だろう!? 私のところで買うといい!」急に前のめり
カシウス:「あ、あぁそれはとてもいい申し出ではあるんだが…あー…なんと言えばいいか…」
カシウス:「さっき金を借りてまで妖精の宝石を買ってしまって、いま手持ちが…これしか…」
カシウス:手のひらに乗る銀貨を見せます…
GM:その額およそ?
カシウス:16ガメル!!
ラマン:「なんじゃぁ、儲かってない方の冒険者か…ならいまはいい。必要になったらわしのところから買ってくれよ」
カシウス:「あぁ、是非そうさせてもらう。ってことはラマンはしばらくはここに滞在するのか?」
ラマン:「ああ、しばらくはな。だが今度は帝国に行く予定だ。それでも1週間ちょっとはここで休むつもりだぞ。老体に旅続きは辛くての」
GM:というわけで、そんな会話をしてカシウスは冒険者の宿に戻りましょう。金を持ってないとは商人相手には最高の逃げ口上ですなぁ
【冒険者の宿クラウ・ソラスに移動】
GM:というわけで、お待たせしました
GM:先にカシウスが宿に戻って、宝石の妖精さんと話し始めたところで…
アーク:カシウス気持ち悪い…
ノイ:やっぱり変な人…
GM:冒険者の宿クラウ・ソラスにレイラとクリスティンが現れます
クリスティン:「先日の冒険者たちを呼び集めてくれ、私から依頼があると言ってな」
GM:そうレイラに伝えると、クリスティンは一つの席に座ってしまいます
レイラ:ではその場で回れ右してみなさんの方を向きます
レイラ:「みなさん、ヴェルチ殿から仕事の依頼があります。こちらに集合してください」
GM:呼びかけが軍隊式ww
アーク:なんか集まりたくなくなるよ…
サラー:「…ま、そういうことよね」と苦笑しつつのんびりと向かおうかしら
アーク:「なになにー?」
ノイ:(注文はしてくれないのかな…)
カシウス:「ああ、ええといつぞやのゴリラパンチの…」
レイラ:「みなさん、あまりヴェルチ殿に失礼がないようにお願いしますね」ニッコリ
GM:殺気に満ちた笑みだぜ
サラー:「はいはい、ごめんなさいねレイラちゃん」
クリスティン:「そう気を荒げるな、フェルンホルム。ここでは私もいち市民だからな」
サラー:「こんにちは、ヴェルチ様。きちんとした挨拶がまだでしたわね」
サラー:「冒険者のサラーよ。レイラちゃんとはパーティを組ませていただきましたわ。以後よしなに」ウィンクばきゅーん☆
レイラ:すごい漢女(おとめ)だ…!
カシウス:やはり漢女の中の漢女…!!
クリスティン:「…冒険者というのはどいつもこいつも…」カミラのことを思い出しつつ
ノイ:「じゃあ公務以外のときはヴェルチさんね、いち市民なんだし」といいつつ着席
アーク:「こんにちは、フレッドのおねえさん! アークだよ!」
クリスティン:「君がアークか。弟が喜んでいた。私からも礼を言う」
カシウス:「俺はカシウスだ。それで、仕事の依頼っていうのは?」
レイラ:(この人たち…失礼のないようにと…)
クリスティン:「今日は、弟がもう一度ここに逃げ出してきたときにひっ捕まえて公王府に返して欲しいという話…ではなく」
サラー:(返して欲しいのね…)
レイラ:(返さなくていいんでしょうか…)
カシウス:(返す気はないけどな…)
ノイ:(返すべきだろうけど、無理だろうな…)
アーク:(逃げ出してきたら、一緒に冒険するぞーっ!)目キラキラ
ノイ:(これだもん…)
クリスティン:「いくらか面倒な噂を聞いてな。骨のある冒険者の力を借りるためにここにきた。私なりの信用の表れと思ってくれていい」
サラー:「あらそれは。お眼鏡に適ったこと、素直に嬉しく思いますわ」
サラー:ノイちゃん、アタシ、1回断るわよ
ノイ:…わかった、そういうことね
クリスティン:「単刀直入に訊こう。最近蛮族の活動が活発だという噂は聞いているか?」
サラー:「…存じておりますわ」
ノイ:「…(まさか、あの話?)」
カシウス:「ああ、その件か…」
アーク:カシウス本当にわかってるの?
カシウス:あの件はあの件さ…
クリスティン:「なら話が早い。蛮族の中に人の姿をとるものがある。それが要塞の中にまで紛れ込んでいるのではないかと危惧している」
ノイ:「…レッサーオーガ、でしょ?」
クリスティン:黙って頷く
サラー:「お断りいたします」
レイラ:「!?」
カシウス:「えっ?」
クリスティン:「なぜだ? 依頼は極秘でも報酬は騎士団名義で出す。名を売るにもいい機会だと思うが…」
サラー:「単純な話ですわ。我々には荷が重すぎるということです」
レイラ:「…」
サラー:「レッサーオーガ…非常に厄介な存在です。この公国の人口は5000人。そこに紛れ込んでいる人族に化けた蛮族…」
サラー:「あなた方は何かしら情報を掴んでいるかもしれないわ、でも…リスクが高すぎるの」
ノイ:「…まずは、今分かっている情報について聞いてもいい?」
サラー:「ノイちゃん?」
ノイ:「たしかにわたしたちはまだ仕事をたくさん受けたわけじゃないし、実力も一流じゃない。でも、そんなことはヴェルチさんだってわかって来てるはずでしょ?」
サラー:「違うのよ、ノイちゃん。レッサーオーガは私たちでも倒せはする相手なの…『物理的には』ね」
カシウス:「…どういうことだ?」
サラー:「人に見える存在が人ではないかもしれないのよ? 人を疑い続けるというのは、心をすり減らすわ。つまり『精神的には』私たちが相手するべき敵ではないと思うの…」
ノイ:「…もうわたしたちはこの件について騎士団が依頼を行うような状態に陥っていると知ってしまった。そうでしょ?」
サラー:「…」
ノイ:「あとはわたしたちが自分たちの力でその不安を打ち払うしかない。聞きたくないならサラーは向こうに行ってて。わたしは少しでもこの件について情報を聞きたいの」
サラー:「…あなた達は?」
レイラ:「私は、騎士としてこの国の秩序を守る。それだけです」
カシウス:「ノイの言うとおりだと思う。俺も協力したい」
アーク:「…やりたい、かな」
サラー:「アーク、あなた本当にわかってるの? どうしてやりたいの?」
アーク:「だって、知ってしまったから。知ったのに…何もできないのは、嫌だ」
カシウス:かっこいい、だと!?
レイラ:ほんとうに主人公だったんですね!
サラー:「…!」思わず驚いた顔をして、そしてひとつ頷くわ
サラー:「そうね、悪かったわ。もともと依頼を受けるかどうかも、わたしが一人で決めることじゃない…余計なことをしちゃったわね」
クリスティン:「…まとまったようだな」
ノイ:「うん。だから詳しい話、お願いします」