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テキストセッションの時間を短くするシナリオ構造案【ソード・ワールド2.0】

 このところ、ソード・ワールド2.0の長期卓で超越者を目指しています。およそ80シナリオもこなさないといけないため、1シナリオのプレイ時間を短くするのは重要な課題です。

 今日はオンライン環境下でも短い時間で遊べるシナリオの形式について考察してみます。

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オンラインテキストセッションは時間がかかる

テキセ3倍の法則の悲劇

 オンラインテキストセッション環境では、プレイヤーのスケジュールとセッション自体の時間の長さのために、1週間に3時間進行できればいい方です。テキセ3倍の法則とも言われておりますので、オフセッションならわずか1時間分のプレイ時間しか確保できないことになります。

 もしオフセッションで4、5時間程度の2回戦闘のある標準的なシナリオを遊べばどうなるでしょうか。プレイ時間は12時間から15時間に達し、1週間に3時間程度と計算すると4週間から5週間かかります*1。仮に80セッションを行うという概算をそのまま適用するなら、およそ80ヶ月かかり、6年半程度の期間がかかってしまうことになります。

プレイヤー間の相談が時間を奪う

 特にテキストセッションで時間がかかってしまうのは、プレイヤー間の相談です。ダンジョンなどでマップを見ながら自由行動をするとき、ただ右に進むか左に進むかというだけで進行は一時中断してしまいます。

 戦闘の場面でも誰から順番に行動するべきかという点では必ず相談時間が設けられます。こうした相談の時間は、オフラインあるいはボイスセッションの状況ではそう長くはなりませんが、テキストでは互いの発言を待つラグタイムがあるため、自ずと長い時間を必要とします。

戦闘だけにすれば短い?

 そこで真っ先に思い浮かぶ解決法は、1シナリオ1戦闘にとどめ、さらに探索パートを排除するという方法です。実際この方法ならシナリオ構造は極めて簡潔で、1回から2回(3時間から6時間)プレイ機会を持てばシナリオをクリアできます。

 しかしこの構造には弊害があります。探索のダイスがほとんど振られないため、スカウトやセージ、特にレンジャー技能に経験点を割いたプレイヤーが大きく損をしてしまいます。たしかに先制判定(スカウト)と魔物知識判定(セージ)は重要な判定ですが、それぞれウォーリーダーやライダーでも代用できる点で、探索が存在しないシナリオばかりだと探索技能は成長の足を引っ張ってしまうのです*2

 

 

課題克服のための二つのアイデア

 以上の課題を克服するにあたり、今日は二つのアイデアを紹介します。それぞれ詳細はリンクして別の記事で説明するため、ここではその概要を記すにとどめます。

ゲームブック型シナリオ

 第一のアイデアはゲームブック型シナリオです。ゲームブックとは、一定量のテキストの直後にプレイヤーの行動選択肢が示されており、選択に従って次に読むテキストが変化し物語が分岐していくインタラクティブな形式の書籍です。

 ゲームブックのシナリオ構造を取り入れることで、プレイヤーの行動選択肢をあらかじめ限定することができます。プレイヤーは行動を独自に発想するのではなく、候補から選ぶだけで良いので、思考や相談の負荷が少なくなり、セッションはスムーズに進行します。

 ゲームブック型シナリオの中で利用される分岐構造も多岐に渡るため、それらは以下の記事で解説します。

 

trpg.hatenablog.com

 

 

ダイスゲーム型シナリオ

 第二のアイデアはダイスゲーム型シナリオです。この形式では、プレイヤーにあらかじめこのシナリオで実施する判定のリストを提示します。それぞれ判定の種類と何人が挑むことができるのか、そして失敗時のペナルティと成功時の報酬を記しておきましょう。プレイヤーたちはどの判定に挑むのかを宣言してダイスを振っていくだけでシナリオが進行します。

 ゲームブックと異なる点は、この構造は時系列をあまり意識しません。判定リストを遺跡に設置されたトラップのリストとみなせば、すべての判定終了時の判定成功数に応じて遺跡での戦利品の金額が決まるという形式をとることができます。

 あらかじめ判定が指示されているため、誰がどの判定に挑むのが効率がいいのか、プレイヤーたちはすぐに判断することができます。この基本構造を利用して、トラップの内容やペナルティの内容に統一性やネタを仕込めば、セッションの味気なさもいくらか解消されることでしょう。

 ダイスゲーム型シナリオの例と基本構造の詳細な解説は以下の記事に譲ります。

 

 

trpg.hatenablog.com

 

 

本日のまとめ

 テキストセッションはどうしても時間が長引いてしまいます。それでも、テキストセッションという環境には固有の魅力があると感じるのも事実です。その特徴を活かしながら、セッション時間を短くする工夫として、二つのシナリオ構造を提案しました。それぞれこの記事の中では具体的な構造にまで言及していませんが、テキストセッションの時間を短くしたいという方は、それぞれの記事へとんでみて、それぞれの構造の特徴と機能を見てみてはいかがでしょうか。

 

*1:英雄志望と二つの剣シリーズのセッションは実際この程度の期間をかけて進めています。

*2:もちろん、その分自動習得特技、特にスカウトのファストアクションが強力である点は忘れてはならないが。