【ダブルクロス3rdリプレイ】Crumble Days プリプレイ1
8月某日、ダブルクロスをプレイヤーとしてしか経験してこなかったハカセは、ついにGMとしてプレイヤーを招集し、セッションを行う運びとなった。
使用シナリオ:Crumble Days(ルールブック1付属サンプル)
セッション形式:オンラインテキストセッション(どどんとふを使用)
PL人数:4人
春日 恭二 :「わたしだ」
百目鬼 天命:「お前だったのか」
和泉 和弘 :「おっちゃん誰?」
春日 恭二 :「いまお前が知っておくべきことは、私は貴様たちの敵であるということだけだ」
NPC 春日 恭二(かすが きょうじ)
ダブルクロスの名物NPC。悪役方のファルスハーツで長年エージェントを務めており、それでもなお死亡していないというなかなかのやり手…のはずなのだが、なぜか初心者向けシナリオで中ボスとして登場してどことなくギャグ要員の匂いが漂ってしまっている男。今回初プレイのプレイヤーたちのためにロイスの解説を行う場面で、GMがなぜかロールプレイで解説を行うという悪ノリをしたためいきなり登場した。
和泉 和弘 :「ほんならボクはあんたの言うことは聞かへんよ」
春日 恭二 :「聞くも聞かぬも自由だがな、貴様たちはまだ殺しがいのある存在とは言えない…」
百目鬼 天命:「あいにく殺される予定もないがな」
春日 恭二 :「我々ファルスハーツはただお前たちを殺すのではない。お前たちの心を殺すのだ。お前たちの心のつながりを表す『ロイス』をな」
和泉 和弘 :「ロイス? おっちゃん、ロイスってなんやねんの」
春日 恭二 :「くっくっく…ロイスを知らんのか。いいだろう、私が教えてやろう。それは貴様たちを日常へとつなぎとめる、心の紐帯だ!」
百目鬼 天命:「心の紐帯…!?」
春日 恭二 :「ロイスが残り続ける限り、貴様たちは日常に固執する。それを私が丁寧に一つ一つ破壊していくことで…」
百目鬼 天命:「いくことで…?」
春日 恭二 :「貴様たちは晴れてファルスハーツエージェントの仲間入りができるというわけだ」
和泉 和弘 :「ほな沢山取っとかなぁあかんな」
(ロイス書き込み中…)
和泉 和弘 :「師匠! チェックしたでー」
春日 恭二 :「素晴らしい。これで私の攻撃対象がわかるというものだ」
百目鬼 天命:「これを守るのが、俺の務めか」
春日 恭二 :「ここで私からロイスの種類について説明しておこう。ロイスにはキャラクターロイスとシナリオロイス、そしてPC間ロイスの三つがある」
春日 恭二のロイス解説
【キャラクターロイス】
キャラクター作成時の経歴表などで付与されるロイスのことだ。そのキャラクターの過去や覚醒するきっかけになった重要人物がここに書かれている。この設定をゲームマスターとプレイヤーが細かく相談することで、シナリオやキャンペーンにも展開しやすい仕様になっている。物語が先にあるのではない。キャラクターが先にあり、物語が生まれるのだ。【シナリオロイス】
そのシナリオに登場する重要なNPCとの関係が指定されるのがシナリオロイスだ。セッションが進む中で、そのキャラクターとの関係は極めて重要だ。積極的に交流する機会を持ち、守るべき存在なのか、それとも戦うべき存在なのかを見極め、劇的なクライマックスを作り上げるよう意識を集中させることだ。【PC間ロイス】
最後にPC間ロイスだが、これは同じ卓を囲む仲間たちで相互にロイスを取得することを言う。一つのチームとして動く以上、そこには信頼が必要不可欠だ。ちょうどロイスを辿るとプレイヤーが一周するようにしておけば、チームとしての団結力はゲーム的にもパワーを発揮するようになる。
百目鬼 天命:「俺のシナリオロイスは…『綾瀬 真花(あやせ まなか)』…クラスメイトだな」
和泉 和弘 :「ボクんのは『矢神 秀人(やがみ ひでと)』…なんや、男はいらんで」
春日 恭二 :「百目鬼、感情として慕情を選択しておくことだな。失った時の悲しみはより大きくなり、ファルスハーツエージェントにぐっと近づけるはずだ」
百目鬼 天命:「いまだけはお前の口車に乗ってやろう」
和泉 和弘 :「なあおっちゃん、この『矢神』って誰?」
春日 恭二 :「矢神は貴様が潜入することになる学校の生徒だ。どうやらファルスハーツエージェントではないかと疑いが出ているから、貴様は調査に向かわされるそうだな」
和泉 和弘 :「つよいん?」
春日 恭二 :「むろん、UGNに存在が露呈するようなファルスハーツエージェントなどいるわけがあるまい。ただの高飛車で鼻に付く学生には違いない」
和泉 和弘 :「あんたはどないやねん…」
春日 恭二 :「よし、全員コマのメモ欄にロイスの書き込みが終わったようだな」
百目鬼 天命:「人事は尽くした」
和泉 和弘 :「それ天命ちゃん待っとるがな」
春日 恭二 :「最後に確認だ。テキストセッションでダブルクロスをプレイする以上、チャットパレットとカウンターリモコンの設置は必須と言っていい。準備をしていなくてもなんとかならなくはないが、準備はしておくに越したことはない」
チャットパレットとカウンターリモコンの配布
初プレイの二人にはこちらで用意したチャットパレットとカウンターリモコンのデータを配布しました。ダブルクロスのテキストチャットではダイス数の指示だけでも非常に時間がかかります。特に慣れないメンバーがいるときには、事前の用意を怠らないようにしましょう。
エヴァ :「もちろん準備は万端じゃよ」
黒沼 夏目 :「わたしも用意はできております」
春日 恭二 :「おや、支部長たちも姿を現したようだな…それではわたしは下がるとしよう。次に会うときは、わたしに殺されるときだ! 覚悟しておけよ! ふははははは」退場
GM :というわけで、僕自身はじめてのダブルクロスのマスタリングになります。不慣れなところなどあると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
百目鬼 天命:「よろしく頼む」
和泉 和弘 :「よろしくちゃんやで〜」
GM :では早速、キャラクター紹介といきましょうか。
GM :通常ならPCナンバー順というところですが、今回は若いナンバーに初プレイが二人いますので、PC4から下がっていきましょう
GM :まずは黒沼 夏目さんからお願いしまーす
こうして、高慢で鼻に付くガイド役の春日恭二が去り、ダブルクロスセッションがついに始まったのである。
次回予告
本来は敵であるはずの春日恭二の導きでセッションの用意を終えたプレイヤーたち。続くキャラクター紹介で、特徴的なキャラクターを作成した彼らのチームワークに早速亀裂が走る。紛糾する議論、信念と信念がぶつかり合う…果たしてのじゃロリは正義なのだろうか?
次回、Crumble Days プリプレイ2!
ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉…
注意1:春日恭二の立ち絵は「ジュエルセイバーFREE」の素材を利用しています
注意2:「ダブルクロス the 3rd edition」は有限会社ファーイースト・アミューズメント・リサーチの著作物です