【ソード・ワールド2.0リプレイ】動き始めた歯車【英雄志望と二つの剣2nd season 2-10】
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前回のあらすじ
アイラットの領主コリンズ侯爵の暗殺を試みたのは、どうやら蛮族ではないようだ。そのことに気づいた冒険者たちは、GMがいったい何を企んでいるのかと訝り始める。現時点で調査できる限界として、そのコリンズ侯爵の元へ話を聞きに向かったレイラとクキバミ。一方アークたち3人はレイチェルの元で2人を待つことにした。
GM:では、レイチェルを通じて面会を申し込むと、今度は快諾されたのかすぐに部屋に招かれます。お留守番組はここでレイチェルと雑談していてください
アーク:はーい
コリンズ公爵とレシトリア民主派
GM:さてコリンズは元の執務室はひどく荒れてしまったので、今は応接室と思しきところでみなさんを迎えます。窓際に自警団を並べて、ずいぶんな警戒ぶりですね
コリンズ:「おほん。開拓事業団からの使いでないというなら歓迎しよう。諸君、私がアイラット候コリンズだ」
クキバミ:「今回の襲撃者の件でいささか質問がある」
コリンズ:「なんでも聞いてくれたまえ。皇帝派の悪しき陰謀は打ち砕かねばならん」
クキバミ:この調子ではな……さて何を尋ねる、レイラ
レイラ:ひとまず襲撃時の状況を詳しく聞いてみましょう
クキバミ:「ではまず、襲撃の際の様子を聞かせていただきたい。些細なことでも構いませぬ」
コリンズ:「大きな図体の男が窓から飛び込んできて、窓側に立たせていた警護が二人、瞬く間にやられてしまった。その手際に私は手練れと見抜いて逃げ出すことを選び、他の警備兵が命を賭して私を守ってくれるなか、ようやくあなたとブラックバーン嬢のところに逃げ込んだというわけですな」
クキバミ:「襲撃者は窓にどの方向から入ったかなどはわかりませぬか」
コリンズ:「それはさすがに。突然のことで私をしてまったくそのときまで気配に気づきませなんだ。まったく突然の奇襲など、皇帝派のやりそうなことです、まったく卑怯な!」
レイラ:「心中お察しいたします。侵入者の技について、何かご記憶はありませんか? 魔法を使っていたなどは……」
コリンズ:「私は逃げ出すのに必死……ごほん、いえ、間違いなく刃物を使って次々と切り倒したことは確かですな」
レイラ:「それと、皇帝派の陰謀とおっしゃっていますが、思い当たる首謀者はどなたでしょうか?」
コリンズ:「直接指示したなら、眉間シワ男……失礼、ラトヴィックに違いない。あるいは、もっと上の指示かもしれんな、とにかく奴らはこの私が邪魔なのだよ! 市民による統治を目指すこの私がね!」
レイラ:「市民による統治、ですか?」
クキバミ:「なるほど民主共和国の復古主義者であったか……*1」
※いま改めてシーズン間に示された勢力関係図を確認してみよう! おや? ブラックバーン議員の位置が怪しいゾ!
コリンズ:「そうだとも! こんな強権的で暴力的な本国騎士ではなく、各地の農民と領主がそれぞれの土地で手を取り合ってその村を守る! 素晴らしいことではないか! この国には議会も領主もいるというのにあの若造めが……」
レイラ:はぁ……やっぱりこの人だめですね……
クキバミ:情報は得られそうにないのう……しかし対立が深刻であるということだけはわかった。ここは下がるぞ
クキバミ:「実を申せば、すでに賊の根城の検討はついておりますゆえ、ただちにそちらの調査に移らせていただきます」
コリンズ:「なんと! 素晴らしいことだ! きっと拷問の一つもしてやれば、帝国の手のものだと白状するに違いない!」
レイラ:「……では、私たちは調査に向かいます。犯人が捕まらない限りは、ブラックバーン嬢もお困りでしょうから」
コリンズ:「うむ、期待しておるよ。すべては賊を捕らえてからだ。ラトヴィックめに先に回収されてはかなわん」
レイラ:「そういえば、ブラックバーン嬢はよくこちらにいらっしゃるんですか? ずいぶんと親しいご様子ですが」
コリンズ:「ブラックバーン嬢は以前に何度かご挨拶を。もっとも、父君のブラックバーン議員とは親しくさせていただいておりますとも。帝都に帰るたび必ず立ち寄ります」
レイラ:「帝都ですか……一度は立ち寄りたいものです。それでは、この間も警備はくれぐれも厳重に願います」
コリンズ:「うむ。戦果に期待しておる」
GM:では、お二人は退出ですかね。
レイチェルとの雑談タイム
アーク:「おねーさんカシウスと知り合いなんだよね? 別れちゃったの?」付き合ってた前提で質問
カシウス:「っておい! 何言ってるんだアーク!?」
レイチェル:「カシウスとは今だって心は繋がってると思ってるの。でも、お家の事情で仲良くできなくて……」
アーク:「恋物語みたいだ!」
コーラル:膝枕すぴーすぴー
カシウス:「レイチェルもそんな誤解されうなこと言うなって! アーク、断じて付き合ってるわけじゃないからな! 勘違いするなよ!?」レイチェルの名誉のため
レイチェル:「でも、よく考えたらここは帝都じゃないんだもの。せっかく会えたんだし、一緒にいてもいいよね、カシウス?」天使の微笑み
カシウス:「ああ、そりゃあ、構わないが……この依頼が終わったら俺たちもどこに行くか
アーク:「カシウスってただの変態じゃなかったんだね!」
カシウス:「アーーーーーク!!!」
レイチェル:「……カシウスって変態だったの?」
カシウス:「何度かハプニングはあったけどあれは事故だろ!?」
アーク:「さっきも胸揉んでたよ。女の子が入っちゃダメって言った部屋にも入って下着見てたし」
レイチェル:「カーーシーーウーースーー!」ぷんぷん
カシウス:「違う! 違う! それもコーラルが無理やりだし、あっちは俺が聞こえてなかっただけで」
アーク:「事故だったっけ? 覚えてないや」
コーラル:膝枕すぴーすぴー
レイチェル:「ふんっ! いっつもカシウスを待ってた私をなんだと思ってるのよ!」ぷんぷん
カシウス:「えっ レイチェルあれって俺のこと待ってたのか!? なんで!?」
レイチェル:「はぁ……カシウスってこれだから……みなさんごめんなさいね、私のカシウスが色々迷惑をかけてるんじゃないかな」
カシウス:「私のって……ん、いや、今は雇い主だしな、間違ってないか」独り言のように
アーク:「大丈夫だよ! ちゃんと役に……」戦闘を思い出して「……立ってたっけ?」
カシウス:「……俺に聞くなよ」
アーク:「あ、でも巨人に突っ込んでいったときのカシウスはかっこよかったよ!」
レイチェル:「ほんと!? かっこいいカシウスの話聞かせて!」きらきら
アーク:う……巨人以外が……
カシウス:「いや、俺が活躍してるわけじゃないんだ、あのときも、みんなを信頼してたからできたってだけでさ」
アーク:遺跡で扉に潰されたところ? 妖精が出せなかったところかな? うーん……
カシウス:俺ほんとにカッコつけようとして全部ダイスで笑いに変えられてるな!!
レイチェル:「大丈夫、カシウスはいつも実力以上に頑張ろうとしちゃうってのは、ちゃんとわかってるんだから。むしろ無理しないでね?」
カシウス:「あ、ああ、気をつけるよ」
クキバミ:「乳繰り合っているところすまぬが」扉からぴょこり
アーク:「あ、お話し終わったの?」
クキバミ:「賊を懲らしめに参ろうぞ」
コーラル:膝枕すぴーすぴー
カシウス:「レイチェル、そいつを起こしてくれ、仕事だ」
レイチェル:コーラルのまぶたグリグリ
コーラル:「うにゃにゃにゃにゃ」
アーク:結構乱暴
コーラル:「なんだってんだよ、雲の上にいたような感覚だったのに……」目ぐじぐじ
カシウス:「出かけるらしい」
レイラ:「行きましょう。犯人から聞き出す以外に方法はなさそうです」
GM:では、みなさんが僕の想像以上に疑り深くて正直驚いていますが
コーラル:そうさせたのはGMだろ
アーク:GMが怖かった
カシウス:GMへの(負の)信頼だ!
GM:わーい、信頼してくれてありがとう!
レイラ:反応間違ってます!
GM:ではあらためて、暗殺者のわかりやすい足跡を追っていきましょうか
クキバミ:その「わかりやすい足跡」とかが疑わしいと言うておるのだ……
*1:蛮族の大反抗である〈大破局〉の直前に10年だけ成立した民主制国家。現在のレシトリア帝国は〈大破局〉を乗り切るための軍事大権を騎士団長に与えた臨時措置が300年続いているもの。先帝は蛮族との戦いはもはや終わりに向かっているとして、地方領主に権限を分け与え、ダインハイト公国などを独立させたが、現在の皇帝ロンバルトは方針を180度変えて、それら領主特権を取り上げて再び中央集権君主制国家を目指している。