TRPGをやりたい!

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【ゼロから始めるゲーム作り】第2回 最小のゲームを作ってみよう 〜TRPG編〜

 すべてのはじまりとして、TRPGを一つ作ってみましょう。

 

 最小のゲームを作ることで、ゲーム作りの基本的な考え方を確認することができます。今回は最小のTRPGを製作してみましょう。

 TRPGシステムの作り方には大きく二つの方向性があります。今回はシステムから作って世界観を付け足すという少し珍しい方法を紹介します(僕はこちらの方が好きですが)。

 

 

 

ゲームの目標を決めよう

 どんなゲームであっても、プレイヤーには目標があります。

 多くのTRPGでは、戦って敵を倒すことがゲームの目標に据えられます。他にも、物語を描くことが目標になったり、生き残ることが目標になったりもします。戦闘と勝利を目標にしたTRPGシステムでも、ダンジョン探索や情報収集が副次的な目標になっていることもあります。

 まずはこのような目標を決定しましょう。いったい何をするTRPGなのかを決めなければ、システム作りは始まりません。あなたも一つを選んでみてください。

 今回は戦闘して敵と戦う最小のTRPGシステムを作ってみることにします。

 

判定方法を決めよう

 最小のTRPGシステムを作るという都合から、今回は判定方法を2d6の上方判定としてみましょう。実際には、これも様々なものから選ぶことができます。

 2d6で目標値より高い値を出せば成功する2d6上方判定や、これを1d20に置き換えたd20上方判定、あるいは1d100で技能成功率よりも低い数値を出せば成功する1d100下方判定や、これもd20に置き換えたd20下方判定もあります。また、ダブルクロスやゲヘナ、アマデウス、サイコロフィクション系列など、特殊なダイス判定システムを取り入れているシステムもあり、判定システムは多くのTRPGを遊ぶことでそれぞれの特徴を理解する以外に習熟の方法はありません。

 今回はステータスの値に2d6の出目を足して、目標値より高い値を出したら成功という形式です。従って判定の達成値に加えられる初期の補正値は、大きくて5くらいが妥当でしょう*1

 

行為判定を作ろう

 ここまでに「何をするゲーム」で「どうやって成功を判定するか」が決まりました。では実際に行う判定を決めてみましょう。常識をかなぐり捨てて、たった一つの判定で物事が決着するように考えてみましょう。

戦闘判定

 達成値 = 2d6 + 戦闘力

 戦闘になると、お互いが戦闘力のステータスで判定を行い、達成値を比較する。同じ値の場合は引き分けになる。1度の戦闘では5回判定を繰り返し、合計勝利数が多い方が勝利したものとする。勝利数が同数ならばサドンデス形式で判定を繰り返す。

 はい、これで戦闘によって問題を解決するTRPGに一歩近づきました。

 

役割分担(ロールプレイ)を作ろう

 判定方法だけがあればTRPGだと思っているなら、それは大きな間違いです。RPGである以上、役割分担をする必要があります。ここでやることは、ゲームに異なる役割=判定を組み込むことです。

 ここでは戦闘を一つの判定で済ませることにしたので、戦闘をするだけではなく、情報収集と資源調達をゲームの要素に組み込んでみましょう。

情報収集判定

 達成値 = 2d6 + 諜報力

 情報収集を行う。情報を獲得する場合には目標値をGMが宣言する。相手の戦闘力を削ぐ場合には、相手と達成値を比べて小さかった方の戦闘力をそのセッションのあいだ1下げる(重複なし)。

 

資源調達判定

 達成値 = 2d6 + 調達力

 武器や労力を調達する。達成値に応じたボーナスを次の判定に与えることができる。シナリオ中5回しか利用できない。

 これで役割分担ができました。プレイヤーは3人まで。3人は戦闘担当と情報収集担当と資源調達担当に分かれて助け合うことができます。

 

ステータスの決定

 3つの判定があるので、ステータスは3つで事足ります。

キャラクターステータス

  戦闘力 ・ 諜報力 ・ 調達力

 プレイヤーは5点を3つのステータスに配分する。

 随分とTRPGシステムらしくなってきましたね。

 

報酬と成長の決定

 ゲームをクリアしたときになんらかの報酬があるのが望ましいゲームメカニクスです。ここではセッションを達成すると各プレイヤーに成長点1点がプレゼントされ、さらにチームの影響力という共有スコアが3点増えることにしましょう。

 影響力スコアは判定後に利用することができ、達成値を1点上げることができます。消費するとストックからも消えてしまうので、次回以降のセッションでは極力使わないようにしつつも、重要な局面では惜しまず使用することが望まれます。

 

世界観の決定

 ここまで決まればあとは世界観をおまけとして書き込んでみましょう。

 システムと世界観は互いに支え合うような関係が理想です。このシステムでは諜報と調達で彼我の戦力を調整して戦闘することになるため、都市のギャングの抗争という設定にでもしてみましょう。

世界観設定

 あなたたちは札付きのワルだ。とあるチームに属しているが、抗争の激しいこの地域ではまだあなたのチームに従わない連中が多い。あなたたちは協力してチームの影響力を高めていかなければならない。

 影響力スコアが高くなればなるほど、チームの名は轟くことになります。あとは蓄えた影響力スコアに応じてどれくらい名が知れているのかを表す表でも添えておけば、これでゲームとして遊ぶことができます。

 

おわりに

 いかがだったでしょうか。

 初めてのゲーム作りでは、初めから全ての要素を整えようとすると、混乱して手が止まってしまいがちです。しかし最小の要素だけを整えて最低限遊べるものを目指してみれば、それはこんなにも簡単に作れてしまいます。

 しかしたったこれだけのゲーム設計ではどうしても物足りないと感じてしまうことでしょう。また、遊びたい世界観からゲームに落とし込みたいという考え方がある場合には、これとはまた違った技術が必要になります。

 とはいえ、以上に示した考え方は非常に根本的なゲーム作りの基礎と言えるのではないでしょうか。みなさんも最小のゲーム作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

 

【ゼロから始めるゲーム作り】第3回 役割の種類数とプレイヤーの人数 - TRPGをやりたい!

*1:これはダイスの分散から求めるべきなのでしょうが、どの程度の補正が望ましいのかについては追って検証してみることにしましょう