【ソード・ワールド2.0リプレイ】プロッソ蛮族侵入事件【英雄志望と二つの剣 ノイ過去編2】
あらすじ
ノイの過去の記憶。3方向に分かれて地図を届けたノイたち。しかし仲間たちが帰ってくる様子はない。宿場町プロッソで事件が起ころうとしていた。
GM:しばらく退屈に待っていると、南の方から大きな悲鳴が街をつんざきます。
セリン?:「キャーーーーーーーーーッ!!!」
ノイ:「っ! セリン!?」急いで向かわないと!
ノイは慌てて走り出します。
大きな悲鳴に人々も外の様子を伺いに通りに出て南方を伺います。
しばらくしてノイの前に現れたのは…
頬に血を浴びて必死の形相で走ってくるセリンの姿でした。
ノイ:(血?)「無事!? 怪我はない?」
セリン:「カッツが! カッツが!!」青ざめた顔をして何かを訴えます
ノイ:「カッツがどうしたの? 怪我?」
セリン:「わからないの! バ、バケモノが! バケモノが出たの!」
ノイ:「…私が助けに行ってくる。セリンは北に避難して」
セリン:「…なら、わ、わたしも…行く…!」怯えながらも
ノイ:何か武器はある?
GM:まだマギテックを習得する前の時期なので、ノーマルクロスボウを持ってもらおうと思います
GM:非常用の武具置き場をロジャーさんに教えてもらっていたということにしましょう。
ノイ:「…いいよ、一緒に行こう。北が安全って決まったわけじゃないし。わたしはボウガンを持っていく。セリンも何か持って」
南へ向かいながら、人々が北へ向かって逃げるのとすれ違います。
「なにをしてるんだ! 北に逃げるんだ!」などと声をかけてくれる人も稀にいます。
しかし二人のカッツを助けに行く決意は変わりません。
しばらく進むと、目の前に大量の血を浴びて放心状態になり、何かぶつぶつ繰り返すカッツが現れます。
カッツ:「ひとが…ひとが…ナイフで…ぶわーってなって…」
セリン:「カッツ! よかった!」カッツに駆け寄ります
ノイ:「無事でよかった…」
カッツ:「おねーちゃん? あのね、ひとがね、なんか、ぬめぬめして…あ、地図、地図は…」焦点の定まらない目でぶつぶつと言います
セリン:「もういいの、カッツ!」叫びながらカッツを抱きしめます
ノイ:「とにかくここを離れるよ。話は安全な場所に着いてから!」
セリン:「うん、逃げよう! 逃げないと!」
GM:というわけで、この時点でカッツを回収しに動いてくれたので、カッツを無事救出です
ノイ:五体満足だからトラウマ抱えても無事のうちとかいう病的発想…
寄り添って北を目指す3人。そのとき後ろから力強い声が呼びかけます。
ロジャー:「おい、止まれ」
ノイ:「ロジャーさん! 北に行きながらじゃダメ? 早く逃げないと…」
ロジャー:「…ダメだ。北に行かせるわけにはいかない事情がある」
GM:そう言うと、ロジャーさんは大斧を構えます
セリン:「ロジャーさん…?」
ロジャー:「おい、偽物がいるだろう? どれかがバケモノと入れ替わっているはずだ…」
ノイ:「偽物…?」
GM:どちらだと思いますか?
ノイ:PLとしてはカッツっぽい? ノイとしてはどっちも違うと信じたい
GM:なるほど、ではこうしましょう
ロジャー:「俺を恨むなよ…」
ノイ:まさか!
【ただいまより、ノイのトラウマタイムがはじまります。暴力的な表現を含みますのでご注意ください】
GM:ロジャーはそう言うと、斧を水平にひと薙ぎします
ノイ:反射的に避けようとするけど、どうなるんだろ
カッツ:「ひと…血… t
GM:ノイが反射的に身をかがめ、もう一度目を向けると
GM:そこには首から上がなくなったカッツの体が立っています
セリン:「ッ!!!」
GM:首から大量の血液を流しながら、カッツの小さな手がノイの方に伸ばされ、ノイに向かって一歩進んだところで、その体が崩れ落ちます。
ノイ:「あ…あ…なんだ、これ…」
GM:交戦するなら簡易戦闘に入りますが…
ノイ:「っ逃げる! 逃げるよ!」セリンの手を取って駆け出すよ
GM:セリンの手を取って、一目散に逃げ出そうとするノイ。セリンも同時に駆け出します。
ノイ:まさかセリンが化けてるの!? 何が起きてるんだ…
GM:二人が五歩ほど駆け出したところで、背後から次のようなつぶやきが聞こえます。
ロジャー:「ヴェス・ザルド・ルバン…ストラル・スルセア…エスパドル」
GM:その言葉と同時に、ノイの左手を掴んでいたセリンの体が、ノイに重りとなってのしかかります
ノイ:「セリン…!」
GM:見ればリープスラッシュによって足をぶった切られたセリンが悲鳴をあげ、涙目でノイを見ます
セリン:「あああああああああぁぁああぁあっ!!!」
ノイ:「くっ……なんだ、これ」
GM:セリンは自分が生き残らないのを確信したのか、ノイの左腕を離して
セリン:「ノイねぇちゃん! 逃げて! 逃げて!!」
ノイ:「私たちが! なんのための家族だと! 思ってるの!!」抱え上げてでも一緒に逃げるよ
GM:…と、駆け出そうとしたところに、
ロジャー:「ということは、お前だな」と、先回りして立ちはだかります
ノイ:「…子ども二人殺して、次は私なのか」怯えながらも睨むよ。ノイは強い子だ
ノイ:(セリンを生かして逃げる方法は…!? 考えるの、考えて!)
ロジャー:「…そして次はまた別の人族だ。時間がない、死ね」斧を振り上げて
ノイ:ま さ か !!
GM:演出上の戦闘に入ります
ロジャーは斧を振り上げてセリンにトドメをさします
命中固定値 11
回避判定 2d6 → 9 lose...
ダメージ 2d6+4 → 5+4 → 9
ノイ:ダメ! 庇わせて!
GM:演出なので許可します 9点ダメージどうぞ
ノイ:「ぐっ…!」
GM:肩からざっくり切られますが、ノイは気力で意識を保ち…まだセリンを救おうとするのかな?
ノイ:一緒に逃げるのはもう無理…でも置いていけない…
ノイ:クロスボウで反撃するよ。それしかない
GM:ほう?
ノイのクロスボウ射撃
命中力判定 2d6+3 → 12+3 → 自動命中!
ダメージ 威力20+4(C10) → 2+4 → 6
GM:さすがヒロイン!! 4点通ります
ノイ:4点…はかない抵抗だった…
GM:クロスボウの矢が突き刺さりますが、ロジャーは動じません
ロジャー:「小娘ごときが、生意気な…っ」
ノイ:(当たっ、たけど…効いてない…逃げないと!)クロスボウをロジャーに投げつけてセリンの手を握るよ
GM:しかし太陽の光を反射して、ロジャーの大斧が振り上げられます
そのときです。一つの発砲音が響きます。
ロジャーの腕から血が噴き出し、ロジャーはノイたちから視線をそらして発砲音の方に体を向けます
ロジャー:「何者だ…」
ノイ:(な、何? 誰?)
謎の美女:「通りすがりの冒険者よ、レッサーオーガさん。あなたの死体、さっき見たわよ」
GM:この言葉を聞くと、ロジャーさんだったものは、ノイの目の前でその姿を変貌させます。赤黒く固い肌に血管が浮き、頭からツノが生え、口からも闘志をむき出しにした牙が覗いています。
ノイ:「蛮族…!!」
レッサーオーガ:「貴様、只者ではないな…!」斧を構えて身構えます
謎の美女:「そこの女の子、これは私に任せて。あとこれ」と言ってポーションをノイに投げ渡します
ノイ:受け取ったらセリンに使わせて。わたしはまだ大丈夫!
謎の美女:「さてと、小物退治は私の柄じゃないんだけど…私にも許せないことってのがあるのよね!!」
謎の美女の攻撃
命中力判定 2d6+10 → 7+10 → 17 hit!!
回避固定値 12
ダメージ 威力15+10(C10) → 1回転 → 21
防護点2 21−2=19点
もう片手 クリティカルバレット宣言
命中力判定 2d6+9 → 5+9 → 14 hit!
回避固定値 12
ダメージ 威力20+8@9 → 11
運命変転 ダイス(1,4)を(6,3)に変転 → 2回転!! → 26
合計45点ダメージ!!
GM:ノイの目の前で、先ほどまで猛威を振るっていた巨体が一瞬のうちになぎ倒されます
ノイ:つ、強い…!!
謎の美女:「ふぅ…それであなたは、大丈夫…じゃないわよね?」
ノイ:「私は大丈夫だから! セリンを!」
謎の美女:「これはひどいわね… ちょっと私の力じゃ及ばないけど…でも大丈夫よ、もう安心して。私はダインハイト要塞で一番の冒険者なんだから」
ノイ:・・・PL的には誰かわかった!!
ノイ:「もう…助かったの?」
謎の美女:「少なくとも、あなたはね。私がいれば大丈夫」
ノイ:「私はノイ…あなたは?」
カミラ:「ノイね、覚えとくわ。私はカミラ。カミラ・ペテルカよ」
このあとプロッソ南部はカミラの活躍により被害を免れました。
しかし北部では恐慌状態に陥った人々の間で疑心暗鬼が生じ、多くの死者が発生してしまいます。
ノイはこの事件を通じて信頼していた人々の多くを失いました。
荒廃してしまったプロッソで生活の基盤を失ったノイ。
ノイ本人の希望と彼女の射撃のセンスを買ったカミラの計らいにより、要塞都市ダインハイトの冒険者の宿〈クラウ・ソラス〉で人々を守るための力を身につけようと励むことになります。一方、脚を失ったセリンは駆けつけた北レシトリア国の騎士団によって難民として収容されました。
・・・そして現在・・・
ノイ:(レッサーオーガがまた活動してるって噂…私にできることは…)
カミラ:「どうしたの、ノイ? 暗い顔して」
ノイ:「…いや、なんでもない。ちょっと考え事してただけ」
カミラ:「…? ならいいんだけど。私ちょっとお仕事行ってくるから、店番よろしくね~」
ノイ:「はーい」
ノイ:(今の私なら、カッツやセリンを救えるのかな…)
GM:そんなことを思いながら、トラドールの整備をするところで、過去編を結びましょう。