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【サプリ盛り盛りキャラビルド】狙撃は使えない戦闘特技なのか?【ソード・ワールド2.0】

0.ビルド概要

戦闘特技《狙撃》。かっこいいけど決して強くはないこの戦闘特技を活用するためには、どんなビルドが必要なのでしょうか? 今回は冒険者レベル3で《狙撃》を習得後、この戦闘特技を最大限活かした構築が完成したときに、どのような動きが可能で、それは《狙撃》を使用しない場合の構築より強いのか否かを確かめようと思います。

 

1.基本情報

想定パーティ人数:5人以上

担うロール:判定(スカウト)・戦闘(物理射撃ダメージ)

種族:レプラカーン

生まれ:斥候

技能構成:スカウト2+シューター2

初期習得特技:精密射撃

 

2.種族・生まれ選択の理由

ステータス・種族特徴を加味すれば、レプラカーンか人間が候補に残ります。レプラカーンならば[暗視]を習得しているうえ[姿なき職人]で隠密行動も可能です。一方人間ならば[剣の加護/運命変転]で狙撃命中時のダメージのさらなる上乗せが期待できます。悩ましいところですが、さらに[見えざる手]を持っているレプラカーンの方が、スカウトとしての能力上安定すると思われます。[姿なき職人]で居場所を隠しながら、装飾品でゴテゴテにしたレプラカーンで、クロスボウによる《狙撃》戦闘を展開しましょう。

 

3.技能選択と育成計画

スカウト

ファストアクションと影走りのために優先的に習得します。事実上スカウトメイン構築になるため、他の技能よりも最優先で成長させましょう。パーティのために先制をとるのが最大の貢献です。そして第1ラウンドで早速狙撃姿勢から最大威力の一撃を放ちましょう。この戦略のために、クリティカルの値が減少する〈徹甲太矢〉や〈閃牙の太矢〉を多用するのが望ましくなります。また高威力を弾き出しやすいこの型では〈吹き飛ばしの太矢〉の運用も視野に入れることができます。先制をとって狙撃姿勢から敵の前衛1体を後方に吹き飛ばして転倒させ、機先を制しましょう。

 

シューター

一見して使えない特技《狙撃》ですが、追加された装飾品〈スポッタードール〉を活用することで、大きな利益を得ることができます。〈スポッタードール〉は狙撃宣言時に命中力に大きなボーナスを与える装飾品で、シューター技能をそう高くあげずとも、高い命中力を得ることができるのです。

それゆえ、命中力のために必須と思われるシューター技能の成長を遅らせることができます。これが《狙撃》習得の最大の利点です。その反面、追加ダメージが技能シューターによって算出される武器で《狙撃》を習得するのは悪手ということになります。威力が伸び悩むからです。

スカウトに対して後追いで成長させることで、安定した命中力を確保することだけを意識しましょう。

 

育成計画

シューターよりもスカウト技能が常に3〜4レベル高い状態を意識しましょう。いずれもB技能なので、他のパーティメンバーよりもかなり早く成長することができます。必要を感じたら、エンハンサー技能に経験点を配分してキャッツアイを習得したり、プリースト技能を習得して刃神マキシムのサクセションヒットなど《狙撃》と相性がいいものを習得しておきましょう。個人的には、慈雨神フェトルの高レベル魔法で天候を操り、豪雨状態(全面遮蔽状態)で《鷹の目》を使った一方的な射撃戦闘を行うのもかっこいいなと思ったりしますが、経験点負担が大きくなるのでプリースト技能は味方に委ねるのが適切でしょう。

というのも、早期に冒険者レベルを上げることで、高いランクのクロスボウを運用したいからです。たしかに、全員が15レベルに到達した時の火力では引けを取ります。それでも他のPCが9レベル程度の時にレベル11でSSランククロスボウを解放し、ファストアクション《狙撃》を叩き込めば驚異的な威力を弾き出してくれるはずです。

 

 

4.戦闘特技の習得計画

戦闘特技

戦闘特技は以下の順で習得します。

1《精密射撃》
3《狙撃》
5《武器習熟A/クロスボウ》
7《武器習熟S/クロスボウ》
9《鷹の目》
11《武器の達人》
13《命中強化1》
15《足さばき》

自動習得特技

5《トレジャーハント》
7《ファストアクション》
9《影走り》
12《トレジャーマスター》
15《匠の技》

戦闘特技の習得順番は卓の環境によって自由に変更可能です(《足さばき》は事実上熟練戦闘対策)。最終的な習得がこれらの技能組み合わせになるかと思います。ただし武器の質がそのままダメージに反映されるため、武器習熟系列は早めの習得を心がけましょう。

 

 

5.装備の検討

とにかく装備できる最高威力の〈クロスボウ〉を装備しましょう。そして資金の許す限り特殊な太矢を購入して、戦況への対応力を高めましょう。

この型の場合、装備品よりも装飾品に多額の金を注ぎ込むことになります。必須となる〈スポッタードール〉は3セッション目の報酬あたりで購入できるように貯金に励みましょう。他にも〈能力増強の腕輪〉類はもちろん、〈大きな手袋〉や〈身守りのサンダル〉など、金を惜しまず強化アイテムを購入する必要があります。[見えざる手]を最大限活用して、装飾品で強くなるキャラクターを目指しましょう。

なぜ〈ガン〉ではなく〈クロスボウ〉なのか?

そもそもシューター技能の成長を遅らせる都合から、カテゴリ〈ボウ〉〈投擲〉を利用するのは現実的ではありません。〈クロスボウ〉か〈ガン〉を利用するのが筋ということになるでしょう。そこで戦略は2つに分かれます。〈クロスボウ〉を運用してその他好きな技能に経験点を割く戦略と、〈ガン〉を運用してマギテックに経験点を投資する戦略です。

このうちマギテックの戦略では、両手利きマギシューよりも早くマギテック技能が上昇し、多様な戦略を展開することが可能になります。レーザーバレットとホーミングレーザー習得後には、この型でもやはり猛威を振るうかもしれません。

しかしあまりよい戦略とは言い難いのが実情です。《狙撃》を軸にすると、両手利きマギシューが4発撃つ間に1発しか撃つことができません。マギテックレベルが相対的に高いなどの要素を概算すれば、《狙撃》型は1発あたり19点程度高いダメージを叩き出せると考えられます。つまり、両手利き型が他の3発で各7点以上のダメージを与えていれば、両手利き型の方がダメージ量は多くなります。そして7点程度なら追加ダメージ分で十分です(この間に消費弾丸数に差が生じていますが)。したがってマギテック型で狙撃型を運用する利点はあまりないのです。

《狙撃》を活用するためにはクロスボウの利用が望ましいということになります。通常のクロスボウ型に対して、命中補正の都合からシューター技能の成長を遅らせる理由があり、その分早期にスカウト技能の成長が望めます。信頼できるスカウトとして地位を確立しつつ、射撃による支援を行いましょう。

 

 

6.戦闘時の動き

とにかく先制をとります。先制を取るのが前提となる型です。

先制をとったら彼我の戦力を比較して、太矢を選びましょう。レベル7からはファストアクションによって《狙撃》宣言からの即射出が可能です。強敵を後ろに吹き飛ばしたり麻痺させたり、雑魚に強烈な一撃を放って瀕死に追い込んだり、戦況に応じて太矢を使い分けましょう。

この型の最大の特徴は、プレイヤースキルが問われるということです。実際の狙撃手も高い知能が要求される仕事ですが、それはソード・ワールドでも変わりません。戦闘が始まる前に高いスカウト能力で敵を発見し、〈アラクネウォーカー〉などを利用して高所に陣取り、なんらかの方法で仲間と連絡を取って支援狙撃を行いながら戦闘をするような、通常のソード・ワールドでは見かけない行動を取らなければなりません。

とはいえ、あらかじめこの型のキャラクターが参加するとわかっているキャンペーンなら、きっとGMがシティアドベンチャーで素晴らしい活躍シーンを用意してくれることでしょう。

 

 

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