TRPGをやりたい!

電源・非電源ゲーム全般の紹介・考察ブログ

【システム紹介】クトゥルフ神話TRPG:宇宙的恐怖を体感せよ!

『Call of Cthulhu(クトゥルフの呼び声)』は、この世界に密かに存在する、おぞましい神話的な存在に恐怖する、コズミック・ホラー・TRPGです。 

クトゥルフ神話 TRPG (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

 

 

1.宇宙的恐怖を体感せよ

「クトゥルフ」という発音しにくい名詞は、ホラー作家H.P. Lovecraftが書いた、 “Call of Cthulhu”というホラー小説で登場する謎の固有名詞に由来します。

実際には、この文字列Cthulhuの正しい発音はわかりません。「クトゥルー」とも、「クスルー」とも発音されます。日本では「クトゥルフ」が一般的で、次点で「クトゥルー」が用いられます。

 

この小説をはじめラヴクラフトが書いたホラー小説シリーズは、彼の死後、熱心な支持者の手で「クトゥルフ神話」として体系化されました。1981年に発表されたルールブック『Call of Cthulhu(クトゥルフの呼び声)』あるいは『クトゥルフ神話TRPG』は、ホラー作家ラヴクラフトが作り上げた恐怖の神話世界を追体験するTRPGなのです

 

 

では、彼はどんな世界を描いたのでしょうか?

この地球に人類が繁栄するずっと前、この地球には偉大な生物たちが住んでいました。それは奔放で不都合で忌まわしく、人類とはかけ離れた存在です。その神話的存在たちについて私たち人類の多くはすっかり忘れてしまいましたが、いまでも伝承や奇妙な遺跡、事件などの形でその存在の影は見え隠れしています。

 

「そんなおぞましい生物たちが、いまでもこの地球の何処かに巣食っているとしたら?」

 

私たちの足下、地下奥深くから『宇宙的恐怖』が沸き起こります。

 

trpg.hatenablog.com

 

 

2.一般人vs宇宙的恐怖:発狂のロールプレイ

『クトゥルフ神話TRPG』の第一の魅力は、プレイヤーキャラクターが一般人であるという点にあります。

PCは魔法も超能力も常人を超えた耐久力さえも持っていません。 そんな矮小な存在が超常的な神話的存在に直面するとき、いったい何ができるというのでしょうか?

答は簡単です。 「何もできません」

 

このTRPGでは、立ち塞がる敵に斬りかかったり銃を放ったりするのは、基本的に愚策です。プレイヤーたちは持てる限りの理性を駆使して戦闘を回避しながら、怪事件を解決しなければなりません。理性を使うことを怠ったプレイヤーのキャラクターには容赦ない死が待っていることでしょう。

 

しかしプレイヤーの理性をそのままキャラクターが発揮してくれるとも限りません。机の上でサイコロを転がしているプレイヤーと違って、キャラクターは神話的生物を目の前にしているのです。超常的な現象を前に精神を正常に保つことは、一般人には困難な業です。

そこで導入されているのがサニティ値、通称SAN値と発狂ルールです。人間の精神が耐えられる水準を上回った凄まじい恐怖を目の前にしたとき、SAN値を用いたダイスロールが行われます。ここで失敗が重なれば、キャラクターは『発狂』してしまうのです。

『発狂』してしまったキャラクターは、プレイヤーの思惑通りには動いてくれません。この混乱状態を乗り越えてどうやって問題を解決するのか。プレイヤーたちの知恵と勇気、そして協力が求められます。

 

 

3.シンプルなキャラクターメイク

『クトゥルフ神話TRPG』の特徴として、キャラクターメイクの方法がシンプルである点を挙げられます。

PCは全員人間の一般人なので、ダイスを振って各ステータスを決定するだけで済みます。種族や超能力や身体部位などを選ぶ必要は一切ありません。

 

また技能の習得もシンプルです。ステータスと職業に応じて、与えられたポイントを割り振ればおしまいです。将来的な成長などを考慮してキャラクターを作成する必要もないので、気楽に短時間でキャラクターを作成することができます。

このシンプルさの背景には、キャラクターが死にやすいというこのTRPGの性質も多分に関わっています。キャラクターが死んでしまっても、新しいキャラクターを作成して遅れて再参戦することも十分可能です。

 

 

4.時代を超えたロールプレイ

『クトゥルフ神話TRPG』の最大の特徴は、その設定を時代を超えて利用できる点にあります。

神話生物たちは太古の未来から現在に至るまで活動を続けているので、人類史のあらゆる時代をプレイ年代として採用できます。基本ルールブックだけでも1890年代アメリカと1920年代アメリカ、そして現代の三種類の時空間でプレイすることが可能です。

 

これ以外の時空間で遊びたい時には、対応したサプリメントを購入することが推奨されます。日本で大人気のサプリメントは、やはり“現代日本サプリ”と呼ばれている、『クトゥルフ2010』『クトゥルフ2015』でしょう。私たちが生きる現在の日本において神話生物と対面するセッションを楽しむための補足情報が、たくさん掲載されています。

とはいえ基本ルールブックがあれば現代日本を舞台にしたプレイにも対応することができます。まずはルールブックを購入して、物足りないと思ったときに購入を検討してみてください。

 

現代日本の他にもラヴクラフトの原作の舞台であるアーカムやインスマス、戦国時代や大正時代の日本など、様々な時代を舞台にして遊ぶためのサプリメントが発行されています。原作好きにも歴史好きにもたまらない、ロマンあふれるセッションを演出してくれることでしょう。

 

TRPGにこなれてきて、もっと自由で頭を使うTRPGをプレイしたいと思った方は、是非とも『クトゥルフ神話TRPG』を手に取ってみてください。TRPG専用ダイスが必要になりますが、それに見合った楽しい時間を提供してくれること間違いなしです。 

 

クトゥルフ神話 TRPG (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

クトゥルフ神話 TRPG (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

  • 作者: サンディピーターセン,リンウィリス,中山てい子,坂本雅之
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
  • 発売日: 2004/09/10
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る