TRPGをやりたい!

電源・非電源ゲーム全般の紹介・考察ブログ

いったいTRPGとは、どんな遊びなのか?

耳にしたり目にしたりする機会はじわじわと多くなっている『TRPG』という遊び。しかし、それがいったいどういう遊びなのかわからないという方もいるはずです。

 

そうした方のために、今回はTRPG(テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム)という遊びがどういうものなのか、詳しく紹介していきます。

 

はじめに一言でTRPGを表しておくと、次のようになります。

『キャラクターを演じつつ、ゲームマスターの用意した課題を克服する、サイコロと対話を使ったテーブルゲームの総称』

 

では、早速TRPGがどういうものなのか見ていきましょう。

 

メニュー

1.そもそも何を目指すゲームなの?

2.ゲームマスターの出題する課題?

3.ゲームマスター有利すぎない?

4.じゃあ、結構自由なゲームなんだ!

5.なんか難しい気がする

6.それで、どうやって遊ぶの?

 

 

1.そもそも何を目指すゲームなの?

すごろくにアガリがあって将棋に詰みがあるように、あらゆるゲームには『目標』があります。

ゲームの目標を意識すれば、たくさんのゲームスタイルがあることに気がつくでしょう。1対1で先に勝利を目指すゲームもあれば、チームで協力して相手チームと戦うゲームもありますし、4人ほどで競い合うゲームもあります。

 

目標という点では、TRPGは少しだけ特殊なスタイルをとったゲームです。

TRPGは、一人のゲームマスターと一人以上のプレイヤーが対立する関係を取ります。プレイヤーたちはゲームマスターが出題する課題をクリアすることを目指します。つまりゲームの結果は、プレイヤーの勝利か敗北の二つしかありません。

 

 

2.ゲームマスターの出題する課題?

ゲームマスターという存在は、あまり聞き慣れないことでしょう。

しかし、よく知るゲームの中にも同じような役割は存在しています。たとえばスポーツなら審判がいますし、クイズなら出題者がいますよね? ルーレットではディーラーが特殊な地位に立ちますし、かくれんぼや鬼ごっこでさえ鬼という役職があります。以上のように、1対多数の対立関係をもったゲームも世の中にはたくさん存在しています。

 

その中でもTRPGのもつ独自性は、ゲームマスターが3つの役割を同時に担うことにあります。ゲームマスターは課題をデザインすると同時に、ルール裁定とゲーム進行を担当するのです。

 

たとえば、ゲームマスターは「ダンジョンの奥深くに眠る宝を手に入れよう」という目標を課すことができます。その途中に罠を設置したり敵を配置したりして、プレイヤーたちの妨害を試みます。

プレイヤーたちは創意工夫しながら様々な行動を提案して、その課題をクリアしようとするわけです。この途中で必要になる行動の成否を判定する操作や、情景描写を担うのも、ゲームマスターの仕事なのです。

 

 

3.ゲームマスター有利すぎない?

TRPGの面白いところは「ゲームマスターの勝利」という結末が存在しないことです。

より直接的な言い方をすれば次のようにも言えます。

ゲームマスターは、プレイヤーたちが工夫すれば間違いなくクリアできる課題を課さなければなりません

 

ゲームマスターという立場は、ただプレイヤーたちをいじめる悪役というわけではありません。むしろ、プレイヤーたちが楽しみながら達成できる目標をデザインし、その物語をたくさんの言葉と登場人物で彩りながら進行する、プレゼンターの役割を果たします。だからこそ、ルール裁定もプレイヤー・ゲームマスターのどちらともが納得のいく形で行う必要があるのです。

 

また、プレイヤーたちの想像力はいつもゲームマスターの想定を超えていくものです。ゲームマスターは様々な可能性を考慮して課題を設計します。しかし用意しておいた通路上の罠も、プレイヤーが壁を叩き壊して進んだり、窓伝いに進んだりすれば、回避されてしまいます。

プレイヤーは自分の扱うキャラクターの能力が許す限り、自由な行動をとることができるのです。あなたの想像力がこの高い自由度と手を結べば、ゲームマスターの用意した難易度の高い課題だって、華麗に克服できるかもしれません。

 

 

4.じゃあ、結構自由なゲームなんだ!

はい。いくつかのTRPGは、極めて自由度の高いゲームとして仕上がっています。

必要とあらば、いきなり村人Aに斬りかかってもいいゲームがTRPGなのです。

 

しかし、本当の意味で「なんでもできる」わけではありません。

TRPGには判定ルールが定まっています。TRPGでは、プレイヤーの行動宣言のあと、ルールブックに書かれた方法で行動の成否を判定します。多くの場合、判定にはサイコロを利用します(TRPGではダイスという言い方のほうが好まれます)。

 

第一には、遊んでいるルールブックが定めている判定しか行うことができません。魔法を使えるのは魔法の判定が整備されたルールで遊んでいる時だけです。超能力で相手の腕を弾き飛ばせるのも、その判定が整備されたルールブックで遊んでいる時だけです。

 

第二には、キャラクターの能力とダイス運が行動の自由を制約します。TRPGでは、キャラクターという一種の「アバター」を作って遊びます。キャラクターは筋力や精神力などのステータスを持っており、職業やスキルまで定まっている場合がほとんどです。そうした能力に応じて行動の成功確率が変化しますが、最終的にはサイコロを使ってランダムで行動の成否を決定します。キャラクターは必ずしも、思った通りに動いてはくれないのです。

 

第三には、他のプレイヤーの楽しみを邪魔する行動をとるのはマナー違反です。他のプレイヤーのキャラクターに特に理由もなく攻撃したり、物語の進行に深刻な影響がでるような自暴自棄な行動をしたりするのは、非常に嫌われます。基本的なゲームの方針に従いさえすればいいので、そうそうこの点で衝突が起こることはありませんが、まれにこの点を誤解して遊ぼうとする方がいると聞きます。必ずしも「なんでもできるゲーム」というわけではないことを覚えておいてください。

 

 

5.なんか難しい気がする

これまでの説明で難しく感じた方もいると思います。

実は、その原因は、たくさんのルールが存在しているTRPGを、ひとくくりに説明しようとしているからにすぎません。

 

言ってみれば、「スポーツって何?」という疑問に答えようとしているようなものです。スポーツにも、野球・サッカー・バスケ・バレー…とにかくたくさんの種類の競技があります。その一つ一つを取り上げれば、もう少し詳しく、そのゲーム性を説明することができるでしょう。

スポーツにおける「種目」の概念に対応して、TRPGでは「システム」という言葉を用います。クトゥルフ神話TRPG、ソード・ワールド2.5、ダブルクロス3rd……とにかくたくさんのシステムが存在するのです。

 

このサイトでは、わたしがプレイしているシステムについて、そのゲーム性と世界観を解説しています。サイトメニューの一番左にマウスオーバーすると、幾つかのシステムが現れるので、そちらから気になるものを選んでみてください(まだ少ないのですが、少しずつ増やしていくつもりです)。

 

 

6.それで、どうやって遊ぶの?

ここまで長い解説をお読みいただき、TRPGを遊びたいと思った方もいらっしゃるでしょう。…いらっしゃいますよね?

 

TRPGを遊ぶために必要なのは、次の3つです。

  1. TRPGのルールブック
  2. サイコロ(場合によってはTRPG専用多面ダイス)
  3. 一緒に遊ぶ友人

え? 最後にぐっと難易度が上がった?

そうですね…では、これを「オンライン環境下のパソコン」に置き換えることもできます。いまやTRPGは、オンラインでプレイすることもできるのですから。

 

つまり、あなたが次にやることは、どんなTRPGシステムが存在するのかを調べてみることです。そして興味のあるシステムを選んで、ルールブックを買ってみましょう。

 

個人的には、入門におすすめのシステムは剣と魔法の冒険TRPGであるソード・ワールド2.5ですが、ファンタジーに興味がない方もいらっしゃるはずです。重要なのは、あなたが「遊びたい」と思えるシステムを見つけることです。まずはそれに挑戦して、TRPGの世界に足を踏み入れてみてください。