【準備編2】TRPGについてよく知っておこう!
僕が友人たちに声をかける少し前のこと。仲間のうちで、一番マニアックな趣味で話のあっていた人に、これまたこっそりと声をかけてみた。
「TRPGやってみたいんだよね。」
彼はその存在は知っていたものの、自分たちにはプレイできないと思っていたようだった。
「安心したまえ!僕がやってみせるさ!」
そう言った僕は、それから一週間をかけて、とあるものを作り始めた。
Paranoia-Oをベースにした、ハウスルールブック。
それは「はじめに」の部分で世界観とその歪みっぷりを面白おかしく語ってみせ、興味を持った人のためにゲームの大まかな流れと、キャラクターの作り方などを一通り解説した、(ルール以外)完全にオリジナルの一冊だった。その最後には、脳内リプレイを書くことで、プレイの参考にできるようにという配慮までしておいた。
それを用意する過程で、細々としたルールや判定に使える能力の幅、秘密結社任務の多様性など、細かい部分に対する理解を深めることができた。これをやっておくとおかないとでは、みんなからの質問に答えられる度合いが大きく違っただろうと思う。何よりも、「この人がGMをやってくれれば、ルールがわからなくてもうまくやれそう」という安心感をみんなに与える上で、ハウスルールブックの効果は大きかったことだろう。
もしも「TRPGをやりたいけどみんなをうまく巻き込めるかわからない」という人がいれば、まずは自分がほとんど経験者と同じくらいには、ルールに詳しくなろうという姿勢を持ってみてほしい。そしてGMとしての自分が、どのくらいのアドリブに応じる能力があるのかを可能な限り推測して、「あなたにとってTRPGに許される自由度の幅」をしっかりと持った上で、様々な人にそれを伝えればいい。