TRPGをやりたい!

電源・非電源ゲーム全般の紹介・考察ブログ

リレーGMキャンペーンの設計

ここにきて、新しい設計思想に基づくソード・ワールド2.0キャンペーンの設計を思いついてしまいました。それも、結構楽しそうなスタイルです。せっかく思いついたスタイルを自分だけで独占するのも面白くないので、自分で完成させる前に、設計思想を公開しておくことにしました。

 

今回発想したのは、シェアオール型リレーGMキャンペーンです。

・・・え? そんなものとうの昔からあるじゃないかって?

違うんですよ。幾つかの工夫を加えて、リレーGMをもっと楽しく演出してみようと考えたわけです。以下詳細に、キャンペーンシナリオ執筆スタイルを紹介していきます。

 

メニュー

1.シェアするのは舞台だけ?

2.シナリオ作りというゲーム

3.定められた物語に抗おう!

4.只今作成中!

 

1.シェアするのは舞台だけ?

シェアオール型と言いましたが、どのくらいの設定をシェアするのでしょうか?

 

私の想定では、街のマップからこの地方に存在するダンジョンの全マップまで、すべてのマップをキャンペーン資料として共有することを考えています。

リレーGMとはいえ、新しいダンジョンを出すことはできません。あらかじめ決められた箱庭の中から、現状訪れることができそうな領域を参照してシナリオに都合のいい場所を見つけなければなりません。そしてリレーGMの作ってしまったギミックは、次回その土地を訪れる際にも効果を発揮することになります。

マップのすべての地域を探索し尽くすには相当なシナリオ数が必要になるように設計しておけば、長く遊べるリレーキャンペーンになることでしょう。要所要所にショートカットポイント(駅とか移動カプセルとかそういうもの)を用意して、少しずつ行動範囲を広げる楽しさをシェアしていきましょう。

 

 

2.シナリオ作りというゲーム

しかし、マップと舞台設定とNPCだけを共有しておしまいでは、芸がありません。なんとこのキャンペーンではストーリーラインをシェアします

代表者となるキャンペーンマスターは、滅びの物語の概略を執筆します。どんな秘密が存在し、どんな悪意が動いて、何が起きてしまうのか。これから先のキャンペーンで起こるだろう悲劇を描きます。これは必ず悲劇でなければなりません。これをキャンペーン全体の「予言の書」として扱います。

大まかな流れだけを記した「予言の書」を共有したら、基本的にはその流れに反さないシナリオを紡いでいく必要があります。キャンペーンマスターはリレー1周分の目標を1つか2つ明示すればよく、細かいシナリオの展開まで指示する必要はありません。その代わり、リレーGMが細かい物語を彩る仕事を担います。無事に目標達成に寄与できれば、リレーGMを担当したプレイヤーのキャラクターにも経験点が与えられるなど、目標に向かうことにボーナスを与えておきましょう。

 

もしも気が向いたら、キーワードを持ち寄って、それを組み合わせてシナリオ作りの条件とするシステム(【リプレイ本】戦慄のトリプルクラウン(上)レビュー - TRPGをやりたい!参照)を組み合わせてみるのもいいかもしれません。

 

 

3.定められた物語に抗おう!

悲劇的な「予言の書」に従ってシナリオを進めるだけではつまらない?

そうでしょうね。

 

ここからが、シェアオール型リレーGMキャンペーンの魅力です。

物語の途中で、冒険者たちは「予言の書」と「予言に抗う手段」を手に入れます。これを手に入れれば、リレーGMたちは新しい可能性を手に入れます。すなわち、自分たちのシナリオで、悲劇的な未来を回避する可能性です。

「予言に抗う手段」を物語中で手に入れたあと、リレーGMたちはキャンペーン中それぞれ1度だけ、この滅びの運命に逆らうシナリオを用意する権利を持ちます。時間移動したり、予言に現れる敵のボスと戦ったり、予言に書かれていない魔剣を求めて遺跡の最深部を目指したり…方法は様々です。

2、3周して世界観を深く共有したリレーGMとしてのプレイヤーたちは、どうすれば悲劇を回避できるのかを話し合って決めなければなりません。そして運命に逆らうシナリオを1周だけ順に回します。

 

運命の一周を終えたところで、キャンペーンはクライマックスを迎えます。キャンペーンボスが人族・王国などの滅亡へ向けて予言通りの行動を開始し、冒険者たちは用意した対抗手段でそれを阻止しなければなりません。こうして、全員が納得する物語を生み出すことができるのかが、このキャンペーンの最終目標に据えられることになるのです。

 

ロングキャンペーンを遊ぶ際に、たった一人のGMがシナリオを用意するのは大変なことです。こういう形式でも楽しむのも、一つの方法ではないでしょうか?

 

 

4.只今作成中!

というわけで、現在、この形式でキャンペーンを設計中です。テラスティア大陸の北東に浮かぶ「ルビウス群島地域」というオリジナル地域を舞台に、8つの島に隠された秘密を解き明かし、かつてこの地の蛮族と人族を一薙ぎで滅ぼしたと言われる驚異の魔剣プロトポロスの謎を追う。そんな物語です。

キーワードを使ってシナリオを作らないといけなかったり、シナリオに使えるモンスターの合計レベルが定められていたりと、様々な制約の中で進行するリレーキャンペーンです。マップの用意が尋常ではないほどに大変なので、いつ仕上がるのかわかったものではありませんが、完成したら公開してみようと思います。

 

ちょっと労力はかさみますが、みなさんもやってみてはどうでしょうか?