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【サプリ盛り盛りキャラビルド】ガチエンハンサーとは何か?【ソード・ワールド2.0】

0.ビルド概要

来いよベネット、銃なんて捨ててかかってこい。

というわけで、武器を一切購入しないエンハンサー+グラップラー構築です。ほぼ全ての費用をマジックアイテムと消耗品の購入に充てることができます。もちろん、パーティ内に盾役・探索役がいることを前提とした攻撃特化構築なので、運用には注意が必要です。パーティメンバーの負担は報酬のおすそ分けで許してもらいましょう。

 

1.基本情報

想定パーティ人数:5人以上

担うロール:前衛物理アタッカー

 

種族:リルドラケン

生まれ:傭兵

技能構成:グラップラー2・エンハンサー1・(レンジャー1)

初期習得特技:《武器習熟A/格闘》

 

2.種族・生まれ選択の理由

尻尾など種族特徴

これに尽きます。武器を持たないために、当面尻尾だけで戦うこの型では、練技【ドラゴンテイル】をダメージ補正として初めから利用できる身軽さが必要不可欠です。人族多しといえども、初めから尻尾攻撃を習得しているのはリルドラケンだけです。

また、種族特徴の[剣の加護/風の翼]も強力です。器用度こそ他の種族にやや劣りますが、これがあるおかげで、初めから安定した戦いを展開することができます。

筋力・器用度・精神力のバランス

他の生まれ候補として、練体士や拳闘士を挙げることができます。練体士ならばMPがわずかに高くなり、拳闘士なら筋力がわずかに高くなります。いずれを選ぶのかはプレイヤーの判断によりますが、ここでは最もバランスのとれた傭兵を採用しました。

 

 

3.技能選択と育成計画

エンハンサー

この構築のメイン技能です。序盤からマッスルベアーとドラゴンテイルでダメージボーナスを積み上げて戦います。さらにレベルが上昇すれば、補助動作で口から投擲武器を吐き出したり、噛み付いたりして、1ターンの攻撃回数を増やすことができます。

なお、「熊の爪」を装備した状態で、練技を最大限に発揮すれば、ダメージボーナスを9点追加した状態で尻尾攻撃を行うことができます。戦闘特技《テイルスイング》によって最大5体同時に繰り出すことが可能です。

加えて、育成終盤では補助動作で行う投擲武器の吐き出し攻撃や牙攻撃が可能になります。練技【ドラゴンテイル】が加算されないため、ダメージボーナス5点の上乗せにとどまりますが、補助動作で可能な近接攻撃を得るのはこの型の魅力のひとつです。

 

グラップラー

基本的に格闘攻撃によって戦局を乗り切るため、グラップラー技能が必須です。グラップラーはしばしば、戦闘特技《両手利き》を組み合わせて手数を増やしますが、この型ではこれを採用しません。尻尾攻撃は用法「1H#」の攻撃であり、《両手利き》の適用外だからです。

しかし、豊富な自動習得特技はこの型を大いに強化してくれます。牙による攻撃に際した《鎧貫き》や、高い命中力から繰り出される《カウンター》はこの型の基本戦略を形作っています。

 

プリースト(刃神マキシム)

練技をためらいなく利用するためには、MPが必要です。少なくとも1種類の魔法系技能に多少の経験点を割く必要があるでしょう。

プリースト技能が選ばれたのは、刃神マキシムの特殊神聖魔法を利用するためです。特にレベル2で習得できる【サクセション・ヒット】は、攻撃を当て続ける限りダメージに1点を追加する、長時間継続型の魔法です。飛行状態から繰り出される格闘攻撃に、練技【キャッツアイ】【ドラゴンテイル】が加われば、たとえボス級の敵であっても回避するのは困難を極めることでしょう。

さらにレベル4で習得する【シャープ・ウェポン】も魅力的です。尻尾が武器なのか怪しいところですが、適用を妨げるルールはありません。刃と化した尻尾でさらに追加ダメージ2点を得ることができます。

 

育成計画

初めのセッションが終わったら、エンハンサーをレベル3にあげて戦闘特技《テイルスイング》を習得しましょう。その後、レベル4までグラップラー技能を上昇させた後、エンハンサー技能をレベル5まで育成し、《練体の極意》を習得します。以降はグラップラー技能を先行させながら、同時にエンハンサー技能を成長させましょう。

MPの不足を感じたら、プリースト技能にも適宜経験点を裂くことになります。とはいえ、プリースト技能の成長は4〜7にとどめます。それ以上は、MPを回復するアイテムや魔晶石に資金を投資してカバーしましょう。その点では、レンジャー技能をレベル1だけでも習得しておくと、MPを固定値で回復することができるので、運用しやすくなるかもしれません。

 

 

4.戦闘特技習得計画

習得特技

1《武器習熟A/格闘》

3《テイルスイング》

5《練体の極意》

7《武器習熟S/格闘》

9《命中強化1》

11《マルチアクション》

13《インファイト1》

15《武器の達人》など

 

自動習得特技

1《追加攻撃》《投げ攻撃》

5《鎧貫き》

7《カウンター》

13《バトルマスター》

種族特徴の〈剣の加護/風の翼〉と格闘武器の命中補正を使うことで、高い命中でダメージボーナスの固定値を叩き込むことになります。レベル3という序盤で《薙ぎ払い》に相当する《テイルスイング》を習得できるので、相手がいくら束になってかかってこようと、5体までの範囲攻撃を繰り出すことができます。

《バトルマスター》習得後は、《テイルスイング》と《インファイト》の同時宣言によって、さらに命中力とダメージボーナスを引き上げることができます。盾役が常に共に行動している前提の構成ですが、最終的に《インファイト2》に置き換えられた後のダメージボーナスは最大で40に迫ります。

 

練技

1〜4の確定枠

【ドラゴンテイル】【マッスルベアー】【キャッツアイ】

5〜9の確定枠

【ジャイアントアーム】【デーモンフィンガー】【ファイアブレス】【リカバリィ】

10〜15の確定枠

【フェンリルバイト】【バルーンシードショット】

基本的にダメージボーナスと命中力に寄与する練技を習得します。その後、戦闘の幅を広げる練技を習得して、ブレスや吐き出し攻撃などを駆使したトリッキーな戦いを展開することになります。残りの習得枠は、パーティメンバーの状況を見て判断しましょう。

 

 

5.装備の検討

初期装備はグラップラー専用防具のどちらを選んでも問題ありません。なんなら装備しないというのもありでしょう。武器も必要ありません。尻尾を振りましょう。

その分のお金は、冒険者セットに加えてマジックアイテム「能力増強の腕輪」を買って使ってしまいましょう。筋力か器用度を上昇させれば、まず損することはありません。以降、資金は魔香草と魔晶石を中心に、なんなら盾役の装備品に寄付してあげましょう。ただし、マジックアイテム「熊の爪」だけは購入しましょう。ダイスで戦わずダメージボーナスで戦うので、1点でも高いに越したことはありません。

 

なぜそこまで尻尾にこだわるのか、理由を明示しておきます。いわゆる《両手利き》グラップラーでは、1体の敵に3発の攻撃を叩き込むことでダメージボーナスを重ねて利用します。一方で《テイルスイング》グラップラーは、同時に敵前衛全体(5体まで)に攻撃する構成です。相手前衛が3体以上いるならば、《テイルスイング》グラップラーに軍配が上がります。

《薙ぎ払い》ファイターと比べても、見劣りしません。用法「2H」の武器で《全力攻撃3》の《薙ぎ払い》を練技を重ねて繰り出されれば、一撃の威力では引けをとるかもしれません。しかし、こちらの構築が2度も《インファイト》状態の攻撃を繰り出せる点を考慮すれば、総合的な出力と安定性では負けていません。また、その構築に必要な資金が全く違っている点も評価されてしかるべきです。

節約型物理アタッカーとしては極めて優秀なキャラクタービルドということができます。

 

その点で、忘れてはならないのが【バルーンシードショット】による投擲武器の吐き出し攻撃です。最終的に《武器の達人》を習得していれば、トライエッジを吹きつけたり、絡み武器でもあるチェイン・アンド・ウェイトなどを吹き付けることができます。吹きつけて身動きを奪い、確実にダメージボーナスで相手を削る、いやらしくも堅実なキャラクターになってくれるはずです。

 

 

6.戦闘時の動き

かなり早い段階で複数体攻撃が可能なので、頼りになる前衛となります。序盤はややMPが不足しますが、使いどころを誤らなければ、魔香草を駆使して安定した運用が可能になるはずです。

中盤からは、セッション開始時に、1日の間有効な刃神マキシムの神聖魔法【サクセション・ヒット】を行使しましょう。ダメージボーナスで戦う型なので、味方の魔法使いに【エンチャント・ウェポン】を行使してもらったり、【ファナティシズム】で確実性をさらに引き上げてもらったりしながら、チームワークで戦いましょう。

序盤から、盾役に《かばう》をしてもらったり、回避盾に《挑発攻撃》をお願いしつつ戦うことになります。つまりは一人では戦えない型です。戦闘では派手な活躍を見せるでしょうが、パーティメンバーへの感謝の気持ちをお忘れなく。

 

 

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