改めてソード・ワールドのシナリオも書こうかしら、とか。
蘭嶼を舞台にした、小島クローズドサークルものの執筆も順調に進み、もうすぐ大詰めといったところなので、そろそろ次のシナリオも考えたいな、と思うところ。
そこでふと思ったのですが、別にソード・ワールドのシナリオに、ホラー的要素をいれてみてもいいんですよね?
確かに、探索系技能の多くがクトゥルフ神話TRPGとは違っていて、簡易化されているので、探索メインのシナリオを作ると退屈しそうですが、ソード・ワールドのプラットフォームで、改めて3つくらいシナリオを書いてみようかな、という気分になってきました。
1.これまでに書いたクトゥルフ神話のシナリオ
振り返ってみれば、ここ2ヶ月くらい、クトゥルフ神話TRPGシナリオの執筆に熱中していたような気がします。
この熱中は、5月初旬頃だったか、既存シナリオの1920年代アレンジを試みていたところから始まりました。次には初めて執筆した「アンドロイドは名状しがたき夢を見るか?」で、ソード・ワールドで学んだノウハウを使った、ストレートなシーン型シナリオを構築しました。その後、「肝試しのあと」でオープンシナリオに挑戦して、マスタリングの難しさにヒーヒー言わされながらも、主軸ストーリーと大量の周辺情報という二重化シナリオ「忘却の結末」を書き上げました。
さらに「糸に囚われて」において、クローズドの練習を開始。そうしてたどり着いた今回の孤島シナリオ「小島に潜む巨悪」は、クローズドサークル系ホラーミステリーとして、なかなか安定した出来になっているのではないかと思っています。
ここまでにアレンジを含めれば、7本のシナリオを書いたわけで、それなりにクトゥルフのシナリオ構築にも慣れてきたような気がします。
と、そこで、このノウハウを、逆にソード・ワールドに持ち込んでみたいな、と思うのです。
また、ようやくダブルクロスのルールを読む時間をとったので、そちらのシナリオも書いてみたいな、とも思ったりします(まずはプレイしてみることが優先でしょうが)。
2.ゲームの違いはシナリオにどういう違いをもたらすか
ちょっと考えてみましょう。
クトゥルフ神話TRPGは、紛れもなく探索メインのTRPGで、情報を見つけ出し、処理して、行動を練り、実行して、結果から考察し、課題を克服する、そういうゲームです。
一方のソード・ワールドは、紛れもなく戦闘メインのTRPGで、蛮族や狂信者の居所を探し出し、パーティの役割分担に基づいて、敵を殲滅する、そういうゲームです。
つまり、ゲームシステムが志向する「ゲーム性」が異なっているわけです。
ここで問題になるのが、ゲームシナリオにおける、ゲーム性と物語性という、このブログで度々取り上げている問題です。
ゲームというものが、一般に、「課題に対する解決手段構築ゲーム」だとすれば、ソード・ワールドでは「戦闘」というフレームが決まっていて、その中での最適行動の選択が重視されます。
一方、クトゥルフ神話TRPGでは、課題の解決フレームはあまり問いません。結果として、プレイヤーによって多様な解決が図られ、それに対応できるだけの柔軟性あるシナリオが要求されることになります。
従って、ソード・ワールドのプラットフォーム上で面白いシナリオを作ろうと思えば、「戦闘」の場面に創意工夫を凝らす必要があるのです。
3.忘れてはならないリプレイ本の教訓
しかし、それと同時に、忘れてはならないことがあります。
リプレイ本「戦慄のトリプルクラウン」において、グループSNEの皆さんが見せた、非常に自由な発想に満ちたシナリオ設計です。
ソード・ワールド2.0リプレイ 戦慄のトリプルクラウン 上<ソード・ワールド2.0リプレイ 戦慄のトリプルクラウン> (富士見ドラゴンブック)
- 作者: 北沢慶,グループSNE
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 富士見書房
- 発売日: 2014/12/19
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ウィルダネスアドベンチャはもちろん、ヘックスを使った独自ゲームの挿入や、果てはおはじきゲームの導入まで。ソード・ワールド2.0のプラットフォーム上で、のびのびとシナリオを作り上げています。
つまり、「戦闘」にこだわりすぎるのも、また間違いなのです。
ソード・ワールドのシナリオは、たしかに、戦闘がメインになります。しかし、それと同時に、ゲーム全体を彩る要素として、戦闘以外のゲーム性を取り入れると、特にキャンペーンにおけるアクセントになり、卓は大いに盛り上がること間違いなしなのです。
というわけで、次のソード・ワールドシナリオでは、3つのシナリオそれぞれに、異なるゲームが織り込まれた、斬新なソード・ワールドシナリオを執筆してみようと思います。
動画用に用意された、シナリオ複合型キャンペーンのシナリオ資料も、テストプレイ後に公開に持ち込んでいければ、一気に9シナリオ程度が公開の運びになります。
問題は、プレイヤーがソード・ワールドの適正プレイ人数に達しておらず、テストプレイの環境が整っていないことなのですが…。
クトゥルフ神話TRPGと違って、単独でのテストプレイがやりやすいルールなので、まずは自分でパーティを作って、プレイしてみることにしようかしらん…