【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】アンドロイドは名状しがたき夢を見るか?【part.10】
【前回のあらすじ】
一連の事件の首謀者と思われる宗教組織、「血の結社」の施設が全焼した。
生き残った猪瀬とともに、残された手がかりをつかむべく、教団代表西田志垣の自宅へ侵入する。しかし、猪瀬のためらいのない振る舞いに、伏原は疑念を深めていく…。
西田志垣の蔵書と日記
KP「侵入した部屋はダイニングのようですね。カウンターキッチンもあります。今はフロートキッチンって言うんでしたっけ?」
PL「家具はありますか?」
KP「ええ。北欧系のシンプルな家具で統一されていて、非常にセンスがいいという印象を受けますね。」
PL「教団のメンバーとは失踪の仕方が違う。これは絹川さんと同じタイプかもしれない。冷蔵庫の中身を見てから、とりあえず〈目星〉いきます。」
〈目星〉ロール→成功
KP「そうですね、特に気になるものはありません。冷蔵庫の中には、作り置きの料理が丁寧にタッパーに小分けされて保存されています。野菜室には放置されて長いのか、しなびてしまった野菜がいくらか残っていますね。ちょっと臭いもします。」
PL「やっぱりそうだ。あの男は、まるで自分が帰ってこないことを知っているかのような失踪だったけど、これは明らかに違う。」
KP「ここには何もないと思った猪瀬さんが廊下に出ますね。」
PL「ほんと勝手な人だな。クトゥルフでは独断先行が死につながるというのに。あとを追って廊下に出ます。」
KP「右手に扉、左手には階段と扉がありますね。その奥に玄関があって、窓から日が差し込んでいます。」
PL「まず玄関に行って、鍵を確認します。」
KP「閉まってますよ。チェーンはかかっていませんが。」
PL「ドアの取っ手のところに傘をかけて、侵入者が少しでも手間取るようにしておきます。」
KP「ほんと慎重な奴だなぁ。ほいほい、了解です。」
PL「で、さっきの右手の扉から入ります。」
KP「客間ですね。棚にガネーシャの像やインド風の置物が並んでいますよ。」
PL「〈目星〉振ります。」
〈目星〉ロール→失敗
KP「ここも特に気になるものはなかったようですね。猪瀬さんもすぐに階段を登り始めます。」
PL「もう一方の扉も確認しますよ。」
KP「扉を開けるとすぐにわかります。洗面所と風呂場ですね。ドアが足りなかったんですが、この階にトイレもあったことにしてください。」
PL「うーん、何もなさそう。猪瀬さんに続いて上に行きます。彼女は何か目当てのものでもあるんでしょうかね。」
KP「二階には二つの部屋があるみたいです。一部は吹き抜けになっていて開放感がありますね。」
PL「とりあえず近い扉から。」
KP「寝室ですね。猪瀬さんは奥にあるウォークインクローゼットを漁っています。」
PL「とりあえず〈目星〉で。」
〈目星〉ロール→成功
KP「そうですね、では、ここに日記があったことにしましょう。」
伏原「これは日記ですね。猪瀬さん、ここに日記らしきものがありましたよ。とりあえず、私の荷物に入れておきますね。」
猪瀬「ありがとうございます。クローゼットは何もなさそうですね。でも、キャリーケースが置いてありました。やっぱり、長旅をするには荷物が残りすぎです。冷蔵庫の食品も然りですし。何かあったと考えるのが妥当でしょうね。」
伏原「そうですね。もうひと部屋は調べましたか?」
猪瀬「いえ、まだ。この部屋割りだと、あとは書斎でしょうか?」
伏原「そうでしょうね。行ってみましょう。」
KP「というわけで、書斎ですね。左右に本棚があって、本がしまわれています。といって、本の量はそう多くないですね。木造家屋の二階に書斎が作れるくらいですから。通りに面しているからか、日当たりも良くて清々しい気持ちで作業できそうないい書斎ですね。」
PL「本を調べるのは、〈目星〉ですか?〈図書館〉ですか?」
KP「どちらでもいいですよ。」
〈目星〉ロール→成功
KP「おめでとうございます。あなたは3冊の本に目が止まりますね。タイトルは次の通りです。」
- 怪異!中央アジアに異人種の影!(オカルト本)
- 夢に現れるゾウ(小説)
- 中央アジア山岳地帯の土着信仰(専門書)
PL「これで読み物が揃ったのかな。一応、部屋にも〈目星〉を振ります。」
〈目星〉ロール→成功
KP「あなたはデスクの下から視線を感じ、すぐに気づくでしょう。デスクの足元に、一つの金庫があります。その金庫の扉には、例の奇妙な目の紋章が刻まれています。金庫自体は、ナンバーロック式の金庫で、無理やり開けることはできなさそうですね。」
PL「たぶんこれが一番重要なものだな。」
KP「解錠するなら〈鍵開け〉を無理やりこじ開けるなら〈機械修理〉をどうぞ。」
PL「でも、〈機械修理〉って音がひどいんだよね?」
KP「でしょうね。」
PL「よし、じゃあ、持って帰ろう。運べそうですか?」
KP「かなり重いですが。二人で運べば運べなくもないでしょう。」
PL「ここまで調べたら、もういいでしょう。あんまりここにいたら、たぶんあの変な生物が来るんだろうし、ここは帰りましょう。」
伏原「猪瀬さん、たぶんこれで得られる情報は揃ったと思います。私の家で資料に目を通しましょう。ここに留まると危険です。」
猪瀬「そうですね。では、私が日記を預かって、伏原さんが本を確認しますか?それから情報交換すればいいでしょう。」
伏原「いえ、もはや単独行動すら危険なんです。ご自宅の環境を知りませんが、本部が襲撃されたなら、名簿に記載されていた住所は全て敵に狙われていると考えたほうがいい。ここはまだ知られていない私の家を使ったほうが安全です。」
猪瀬「しかし…いえ、わかりました。では、私は電車なので、後で合流しましょう。」
PL「スクーターで移動してる設定が足を引っ張ってしまった…。*1」
KP「おかげで金庫は運べますから。それに、駅間の移動は人目があるので安全です。」
PL「まあいいだろう。では、そういうことで、移動します。」
KP「移動しようと二人が出ていって、駅に戻ろうとしていたところで…いえ、何も起きないんですけどね。」
PL「意地が悪い。」
*1:移動時に一人乗りのスクーターで移動していると宣言していたため、二人での同時移動ができないのである。