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【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】アンドロイドは名状しがたき夢を見るか?【part.12】

【前回のあらすじ】

西田の自宅から持ち帰った資料に取り掛かる伏原と猪瀬。金庫には儀式用の宝剣がおさめられ、日記には思わぬ名前が登場していた。

チャウグナー・フォーンを目覚めさせる「白い侍者」の名は、「ミーミル」。ついに「血の結社」と「ミーミル」をつなぐ一つの線が結ばれた。

いよいよ物語はクライマックスへ突入していく!

 

 

猪瀬、ミーミルを知る

伏原「ええ、先日取材で、そういう名前の白いアンドロイドに出会いましたよ。しかも大岡山でね。たしかに、まるで人間のようだった。」

猪瀬「ということは、チャウグナー・フォーン様のお告げどおりになっていれば、そのアンドロイドが、西田さんの生まれ変わりということに…!」

伏原「しかし、妙です。たしかに『ミーミル』は人間のようでしたが、間違いなくモーター音のする機械の体を持っていました。現在の科学力では、人間の全身を機械化するなどということは到底不可能です。」

猪瀬「方法など問題じゃありません。そこに西田がいるんです。いますぐ会いに行きましょう。行って確かめれば済む話じゃないですか。」

伏原「焦ってはいけません。西田さんがほんとうに大岡山で、あの羽サソリの怪物に襲われたなら、少なくとも二人が、大岡山でその被害に遭っていることになる。私たちが3人目と4人目になってしまわないとも言い切れない。」

 

猪瀬「…たしかに、危険かもしれませんね。では、面会の用立てができませんか?昼間なら、まだしも安全でしょう?」

伏原「今日はもう遅いですから、明日、大学側に打診してみることにしますよ。私は金庫の破壊で疲れ切りました。先に眠らせていただきます。何か宿泊の上でご入用のものはありますか?」

猪瀬「ああ、シャワーの場所と、掛け布団だけお貸しいただけますか。このソファーで眠らせていただきますので。」

伏原「そのくらいおやすいご用です。まだ本を読まれるおつもりで?」

猪瀬「ええ、もちろんです。西田さんの状況につながるヒントが隠されているかもしれませんから。」

伏原「くれぐれもご無理はなさらないようお願いしますよ。明日も調査は続くんですから。」

猪瀬「ご心配いただいてありがとうございます。それでは、おやすみなさい。」

 

 

猪瀬のシャワータイムにできること

PL「さて、ベッドルームから、猪瀬さんがシャワーに向かった音を〈聞き耳〉で確認します。」

KP「お、覗きかな?」

PL「違います。彼女の荷物を確認しようと思って。なんか猪瀬さんやばそうじゃないですか?」

KP「そんな恥ずかしがらなくても、私が彼女の肌を舐めるように描写してあげたのに…。」

PL「そんなんいらないから!」

KP「ちぇっ。〈聞き耳〉どうぞー(棒)」

〈聞き耳〉ロール成功

KP「では、深夜12時頃に彼女がシャワーに向かった音が聞こえますね。水道から水が継続して流れる音もしますので、間違いなくシャワーに入ったのでしょう。」

PL「では、荷物チェックといきましょう。」

KP「猪瀬さんの持ち物は、普通の女性が持つものばかりですね。ガムテープとガラスハンマーが物騒ですが、あとは化粧品とか、手鏡とか、スタンガンとか、財布とか、ハンカチとか、ありきたりなものばかりです。」

PL「…さすがにそんなワード聞き漏らさないからね。」

KP「ん?最近の女子力のトレンドはスタンガンじゃなかったっけ?」

PL「んなわけないだろ。んー、スタンガンか。でも近接攻撃なら武道でいなせるし、なんとかなるかな。先に知っておけただけよしとしよう。あと、財布に免許証入ってませんか?」

KP「入ってますよ?ちゃんと猪瀬奈々が本名だとわかりますね。」

PL「携帯で写真に撮っておきます。何かあったらネットに晒します。」

KP「クトゥルフで社会的抹殺は無意味ですよ?」

PL「いや、念のためね。この辺で寝室にずらかります。」

KP「はいはい。では、今日の悪夢と洒落込みましょうか。」

SANチェック成功 減少なし

KP「んー、1/1D3にしてもよかったかなぁ。」

PL「いや、偶然伏原の初期SANが高いだけだからね?」

KP「ところで、いま『ツァンの清められた刀身』はどこにありますか?」

PL「もちろん寝室の枕の下ですよ?」

KP「わーお、あんな忌々しそうなものを枕に敷いて寝るなんて、勇気ありますね。」

PL「どうせ悪夢にうなされていますからね。」

 

 

おめざのニュースはまた火災

KP「では、朝です。あなたが悪夢から目覚め、リビングに向かうと、ソファーの上で猪瀬が寝ています。」

PL「起こさないように朝食の用意でもしましょうかね。」

KP「あなたが朝食の用意をしていると、立ち込めるコーヒーの香りで彼女は目覚めます。」

猪瀬「あ、おはようございます。すみません、みっともないところを。」

伏原「いえいえ、昨日は遅くまで本を読まれていたんでしょう?それで?何か収穫はありましたか?」

猪瀬「いえ、あまり大きな収穫はありませんね。チャウグナー・フォーン様の教えが少しと、『ツァンの清められた刀身』が行方不明になっていたというようなことが書かれていただけです。全体に、日記の情報を裏付けてくれはしましたけど、新しい情報とは言い難いですね。」

伏原「そうですか。ちょっと新聞を取ってきますね。続報があるかもしれませんから。コーヒーでも飲んでお待ち下さい。」

猪瀬「はい。お気遣いありがとうございます。」

PL「というわけで、新聞チェックです。」

KP「ま、当然、こういう記事が目に入りますね。」

 

宗教法人代表の自宅全焼

昨日深夜11時頃、東京都目黒区で、家屋が全焼する火災が発生した。全焼したのは、おととい全焼した新宿区の宗教法人「血の結社」の代表である西田志垣氏の自宅。昨日の火災では死傷者は発見されていない。関係者の話によると、4週間ほど西田氏との連絡が取れておらず、すでに捜索願もだされているとのこと。警察は昨日の火事により、連続放火事件と断定。捜査本部を設置した。警察発表によると、西田氏の連絡が途絶えたことと、今回の連続放火事件との関連性はわかっていない。しかし、住居に押し入った形跡があり、なんらかの品が持ち去られた可能性もあると発表した。また、犯人側が同宗教法人に入信していた信者たちの住所を把握している可能性を示唆。信者たちに厳重な警戒を呼びかけている。なお、おとといの火災で発見された遺体は、同宗教法人の伝道師だった◯◯◯◯さん(34)、△△△△さん(42)、□□□□さん(28)と身元が特定された。

 

PL「さて、この放火が例の羽サソリによるものだったとしよう。」

KP「うん?」

PL「それを西田が指示しているのか、それとも、西田とは別の勢力なのかが問題だな。」

KP「現時点では、どう思ってるの?」

PL「少なくとも、ミーミルになった時点では、この二つの勢力は協力関係になかったことがわかってる。西田はミーミルを知らなかったわけだし。問題は、その後。」

KP「そういうことになるね。」

PL「西田が自分の家や宗教施設を焼き払うことにメリットがあるかな?逆に、もしも羽サソリが西田に敵対しているとして、なぜミーミルではなく西田が人間だった頃の関連施設を焼くなんてことをしているんだろう。」

KP「なるほどね、その辺が論点になってくるわけか。」

PL「なにはともあれ、今日の行動を猪瀬さんと一緒に決めないとな。この時点で、佐伯さんにラボ訪問の許可をもらうメールを送っといていいですか?」

KP「了解です。そのうち返信が来るでしょう。」 

PL「さて、猪瀬さんになんと伝えるか…。」

 

 

Part.13へつづく

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