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電源・非電源ゲーム全般の紹介・考察ブログ

ウィルダネスアドベンチャーのオンセ向きスタイルを考案

英雄志望と二つの剣のセッションをしていて、ウィルダネスアドベンチャーをシナリオ内に挿入しました。このとき、以前マスタリングで苦戦したことを思い出し、何か工夫できないかと考えた結果、ひとつの新しい方法にたどり着きました。

今日は私が発案するオンセでダレないウィルダネスアドベンチャーのスタイルをご提案いたします。

 

 

 

ウィルダネスアドベンチャーの基本と課題

ウィルダネスアドベンチャーは道無き道を進むときに使用される進行スタイルです。エリアを大きく格子状の領域に分割して、キャラクターたちはそのタイルを1つずつ進みます。

 

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ひとつ進むたびにイベントが設置されており、遭遇表やランダムイベントの発生によってプレイヤーキャラクターたちを苦しめるわけです。

 

しかしこの形式、いろいろと問題があります。

セッションが単調になりやすいのです。実際にプレイすると、移動→イベント→行動相談→移動→イベント…と繰り返していきます。その都度描写を行ってプレイヤーの判断を促進してあげられるGMならいいのかもしれませんが、移動してもイベントがなかったり、ただ時間だけが経過したりすると、プレイヤーたちの方では不満がたまります。

この単調さを回避するために、あらかじめ進行先エリアの危険性を把握したうえでどちらへ進むのか考えるような操作を加えることも考えられます。しかしそうなると、今度はセッション時間が間延びして、処理の重いゲームに変わってしまいます。

総じて初心者が作りやすいゲームであるにもかかわらず、面白く作るのは難しいという印象を抱きました。

 

 

新しいウィルダネスアドベンチャーの方式

そこで私が考案したのが、カードによるウィルダネスアドベンチャーです。

マップ中を進んでいくイメージはやや弱くなりますが、こと進行についていえば、非常にスムーズでゲーム性も高いものになります。

仮に「カードウィルダネス」と名付けたこの方式では、あらかじめ次のようなカードをGMが用意しておきます。

 

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これらのカードは現在裏返されており、表側には何らかのイベントの情報が記されています。ここに並べられているのは森の一番浅い地点で発生するイベントカードで、より深い位置に進めば判定目標値が上がっていくという仕様になっています。

 

さて、この方式ではどのようにセッションを進行させるのでしょうか?

 

GMによる事前準備

カードの用意はもちろん、GMはあらかじめ次のものを用意しておきます。すなわち、各深度のカードにどのようなイベントが含まれているかという一覧です。

カードリストの例

  • 何も起きない×3
  • 滑落(小)|対象:単体|2d6物理ダメージ
  • 天候悪化の予感|降雨までの時間が3時間早まる
  • 遺物の発見|報酬+500G

これを用意しておくことでこのゲームは戦略性を獲得し、同時に進行が極めてスムーズになります。

 

セッション当日の進行

ルール説明

セッション当日は、はじめにルール説明を行います。動作として次のものをプレイヤーに許可するとゲームとして面白くなります。

  1. カードのイベントを発生させずにオープンだけさせる危険判断の判定
  2. カードのイベントを消化する移動処理

ソード・ワールド2.0では、危険判断の判定に地図製作判定を利用しました。重要なのは、いずれの動作を行ってもゲーム内時間が経過するという仕様です。時間というリソースを課しておき、プレイヤーたちの行動判断を迫るわけです。

 

デモンストレーション

このゲームにおいて最も危険のない行動は、危険判断の判定を行うことです。失敗したとしてもカードがオープンされないだけで、トラップにかかったりすることはありません。

そこで最も危険判断の判定が得意なキャラクターを指定して、はじめに危険判断のデモンストレーションを行いましょう。それを行うと時間が経過し、カードはオープンされてもそれを実際に選ぶか選ばないかはプレイヤーたちの自由という状況になることが了解されるはずです。

 

もっと視覚的にも楽しみたい

こういうニーズが有る場合には、あらかじめ次のように道筋をセットして、空欄にイベントカードを入れてもらう方法を採用しましょう。

 

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このように空欄で移動予定を示しておいて…

 

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取得したカードを並べていきます。安全を確保しながら進んでいった感じがして、視覚的にも楽しめます。

 

慣れたらいろいろな追加ルールも楽しめます

慣れてきたら、移動方向とマス目を意識して、もっと制限のあるゲームにしてみるのも面白いかもしれません。

カードを置けるフィールドを次のように作っておきます。

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いまのアークの位置から進めるエリアは上と右の2つしかありません。つまりこの状態では、地図制作判定による危険確認は2回しかできないわけです。地図製作判定でオープンしたカードが都合の悪いトラップカードだった場合…

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設置はしてもキャラクターは進ませたくありません。でもこれであと1回しかチャンスがなくなりました。次こそはいいカードを当てたい!

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無事に地図製作判定に成功して、しかもおまけ報酬のカードを引き当てました! こうなればキャラクターをぜひとも進ませましょう。

 

このようにして、自分たちでマップを作りながら進むという形式にも応用することができます。タイルの色を変えるなどして、難易度の高いカードしか置けない場所を作ってみたりすれば、森の攻略はなかなかゲーム性の高いものに変わり、プレイヤーたちも残りカードのリストを見ながら戦術を立てていくことができるはずです。

 

まとめ

今日考案したのはウィルダネスアドベンチャーでカードを使うスタイルでした。

仮にカードウィルダネスと呼ぶことにしたこのシステムは、単調だったタイル踏破式のウィルダネスアドベンチャーを戦略性の高いゲームに変えることができます。

ややGMの準備が多くなるのが難ですが、ルールに慣れればプレイヤーたちも戦略的にウィルダネスアドベンチャーを楽しむことができるはずです。

 

みなさんの卓でも取り入れてみてはいかがでしょうか?