【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】アンドロイドは名状しがたき夢を見るか?【part.16】
【前回のあらすじ】
調査の末に、伏原は再び佐伯ラボにたどり着く。ミーミルと再び対面し、話術で揺さぶりをかける伏原だったが、アンドロイドを相手に〈心理学〉を封じられ、身動きが取れない。思案の末、伏原はミーミル・ベースへの潜入に作戦を切り替えることにする。
われはアンドロイド
ミーミル「奈々さんはゾウの夢、好きなんですね。」
猪瀬「ええ。もちろん。」
伏原「ダメだ、お手上げだ。猪瀬さん、次にやることはわかってますよね?」
猪瀬「ええ、もちろんわかっていますよ。」
伏原「遠藤さん!ちょっと抜けますから、ミーミルを」
KP「いま、遠藤さんに話しかけましたね?」
PL「はい。」
KP「遠藤さんはあなたの後ろの方にいるのですが、いいですね。」
PL「…はい。」
KP「では、あなたは椅子に座りながら後ろの方を振り返って話しているんですね?」
PL「……はい。」
KP「では、そのように遠藤さんに声をかけたその瞬間、あなたの体に硬い何かが覆いかぶさるようにぶつかります。あなたは勢いで椅子ごと倒れてしまうことでしょう。」
PL「もしかしなくても、ミーミルですか…。」
KP「はたして、あなたが慌てて前を見ると、ミーミルの無表情な硬質プラスチックの顔が、あなたを見ています。」
PL「SANチェックですか…。」
KP「ええ。では、0/1D3で。」
SANチェック→失敗 減少値 1
〈組み付き〉ロール→失敗
KP「ミーミルはうまくあなたを抑えられていませんね。抜け出すことができそうです。あと、体当たりのダメージを3点受けます。」
PL「やばいな、猪瀬さんが助けてくれる…わけないよね。」
KP「あなたの周りの状況を描写しましょう。いま、猪瀬さんは懐からスタンガンを取り出しつつありましたが、あなたが抑え込みを抜け出しそうなのを見て、そのまま殴りかかろうとしています。一方の遠藤くんは、飛び上がるように驚いて、素っ頓狂な奇声を発しましたね。」
PL「お、遠藤くんは味方っぽいぞ。」
KP「というところで、抜け出しそうなあなたに猪瀬さんの拳が襲いかかります。ええと、〈武道(立ち技系)〉を宣言して〈こぶし〉で攻撃です。」
PL「猪瀬さん武道やってたのか!」
KP「まあ熟練度は低いので、多分決まりませんが。」
〈武道(立ち技系)〉+〈こぶし〉同時ロール→両方成功
KP「ちょうど成功率と同じ目が出てしまいました。」
PL「おいおい、死ぬんじゃないか。」
ダメージロール2D3→3
PL「九死に一生とはまさにこのこと。」
KP「遠藤くんが緊急停止コードを入力し始めます。発動までのラウンド数を1D3で決めましょう。」
ラウンド数決定ダイス→1
KP「次のラウンド終了時に発動します。」
PL「よし、これならいける。立ち上がって、ミーミルを棒で叩きます。」
KP「え?いま棒構えてないよね?」
PL「え、あ、うん。」
KP「なら、棒を取り出して構えたら1ラウンド消費ですよ?」
PL「あ゛がごげくけひ」
KP「このラウンドを生き残れば、停止コードが来ますから。」
PL「どうせ効かないんだろ!」
KP「さぁね♪」
KP「では、猪瀬さんは、荷物から『ツァンの清められた刀身』を取り出し、ミーミルに渡します。ミーミルはそれを受け取って構えます。」
PL「あー、もう!なんで猪瀬さんにはミーミルが西田だって確信がもてたんだ!?」
KP「あら?気づいてませんでした?」
PL「へ?」
KP「猪瀬さん、ミーミルへの自己紹介のとき、『猪瀬です』って言いましたよね?」
PL「そうだったかも。」
KP「ミーミル、会話中で3回くらい、『奈々さん』って呼んでますけど、どこで知ったんでしょうね?」
PL「ちっくしょう!ちっくしょう!ちっくしょう!気づかなかった!あーっ、気づかなかった!」
PL「もう仕方ない!とにかくまずは猪瀬を止めよう。武道持ちは厄介だ。」
〈近接武器(杖)〉ロール→成功
ダメージロール1D8→8
PL「よっしゃあ!直撃!」
KP「あなたが勢い良く繰り出した刺突が猪瀬の喉を捉えます。猪瀬は大きく仰け反ると、その場に仰向けに倒れて気絶してしまいます。」
伏原「ホアタァ!…ふっ、形勢逆転だな!」
KP「突如、ミーミルの機械音で、日本語以外の言語が発されます。その響きは、極めて不愉快で、とても人類の用いる言語には感じられません。」
PL「人類じゃねーからな!こいつ!」
KP「その音が発されると、遠藤くんのタイピング音が止まって、遠藤くんが立ち上がります。」
PL「裏切ったな!遠藤!…いや、魔術か!しかも精神操作系の!」
KP「さて、どうします?」
PL「一人を操っている間は、他の人を操ることはできないはず。ここは一発だけ殴ってみよう。どんなもんかな。」
〈近接武器(杖)〉→成功
ダメージロール1D8→6
PL「ホアタァ!」
KP「ミーミルの外装甲に阻まれますが、頭の装甲を叩き割ることに成功します。」
PL「中身は!」
KP「…機械です。」
PL「よし、逃げるぞ!俺は逃げる!」
KP「そこに遠藤くんが後ろから組みついてきます。」
〈組み付き〉ロール→失敗
KP「遠藤くんは焦点の合わない目をしたまま、ふらふらと動いていて、あなたにうまく組み付けません。勢い余ってミーミルの目の前に躍り出てしまいます。」
伏原「いけない!遠藤くん!」
KP「伏原が叫んだその瞬間、ミーミルの持っていたナイフが遠藤くんの心臓の脇を貫きます。」
伏原「遠藤くーーーん!!」
KP「刺された瞬間に我に返ったのか、遠藤くんがバタバタともがきますが、ミーミルの力に敵うはずもありません。目の前で人が死ぬ姿を見てしまった伏原さん、ここでSANチェックです。1/1D3でいきましょう。」
SANチェック→成功 減少値 1
伏原「よし、ここで逃げます!ミーミル・ベースを探します!」
KP「と、廊下へ走り出たところに、一人の女性が立っています。猪瀬を超える美人です。なんとAPP17。その女性が、あなたの姿を見ると、懐に手を入れ、オートマチックピストルを取り出します。」
PL「なんか出たーー!また狂人?それとも味方?」
KP「女性はあなたを追って出てきたアンドロイドにべったりとついた血を見ると、反射的にミーミルに照準を合わせて叫びます。」
女性「何事なの!?」
伏原「アンドロイドが暴走して、人を襲っています!」
女性「頭を下げて!」
〈拳銃〉ロール×3→2回成功
KP「伏原が女性の脇に駆け込むタイミングで、3発の乾いた破裂音が響きます。それと同時に、金属が弾き合うような高い音が響きます。」
伏原「相手は機械です!撃っても効くかわかりません!あれのサーバーを止めないと意味がないんです!」
女性「わかったわ。玄関に建物の案内があるはず。急ぎましょう。」