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【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】アンドロイドは名状しがたき夢を見るか?【part.02】

【前回のあらすじ】

知性派女優絹川とともに、東京フューチャーエンジニアリング大学に取材に赴く伏原。

噂のアンドロイド、ミーミルの登場が待たれる中、番組の撮影が開始される。

 

 

気さくな教授との遭遇

KP「研究棟に入って左手に進むと、男性のキャラクターが描かれた紙に、ひらがなで『さえきらぼ』と書かれた掲示がある研究室にたどり着きます。」

伏原「かわいいな。」

KP「明るい研究室というのはこういうものです。」

伏原「こんにちは。」といって、扉を開けます。

男性「ああ、どうも、すごいなぁ、本当に伏原さんだ。研究者をやっています、佐伯と申します。絹川さんも、ようこそいらっしゃいました。」

 

伏原「どうもこんにちは。今日はよろしくお願いします。」

佐伯「いえ、こちらこそお願いします。散らかったラボですみませんね。どうぞ、そちらの席に。」

KP「ちなみに、ビジュアルイメージはiPSの山中教授です。」

PL「なるほど。真面目そうな方ですね。」

KP「でも笑顔が魅力的な方でもあります。」

伏原「それで、なんでも素晴らしいロボットを開発なされたそうじゃないですか。」

佐伯「ええ、自慢できるアンドロイドです。正直、ここまでのものができるとは、自分でも予想していませんでしたよ。」

伏原「ハードル上げていきますね。テレビ的に大丈夫かな。」

佐伯「はっは。皆さんが予想しているよりも上のものを提供できると、胸をはって言うことができますよ。」

伏原「それは楽しみですね。今日は私とカンフー対決もできるとか。」

佐伯「ええ、ちょっとした動きをあらかじめプログラムしておきました。もちろん、伏原さんにはかないませんが、ミーミルに手ほどきをしてくださると幸いです。」

絹川「格闘技ができるほどの動きを、どうやって作り出したんですか?」

佐伯「動作には空圧式アクチュエーターを利用しています。いわゆる人工筋肉ですね。モーター類で関節を直接に動かすよりも、自然な動作ができるということで、21世紀のロボット工学のスタンダードに採用されています。」

KP「と言う具合に、撮影はスムーズに進んでいきます。」

PL「あ、カメラまわってたんだ。」

KP「そのつもりだったけど。挨拶のシーンから撮影するのがそれっぽいかな、と。」

PL「そしたらもう少しボケを織り交ぜたのに。」

KP「芸人じゃなくて俳優でしょ?あとあくまでセッションだから、番組を盛り上げる必要はないからね。」

PL「たしかに撮影シーンを全部再現してもキリがないか。」

KP「ということで、しばらくして、wapaが登場します。白いカバーをつけた、二足歩行ロボットで、ずいぶん滑らかに歩くことができます。」

 

佐伯「まずはこちらをご覧にいれましょう。これが2年前に開発された、wapaというロボットです。『wapa、自己紹介をしてください』。」

wapa「こんにちは。自律型ロボットのwapaです。よろしくお願いします。」

KP「そう言って、wapaは片足を引いて恭しく一礼します。」

伏原「おお、すごい!今のはなんの命令も無しに、自己紹介してくれたんですか?」

佐伯「いえ、このwapaに搭載されているのは、そう高度な人工知能ではないんです。実は、幾つかの命令コードが決められていて、こちらがその命令文通りに読み上げると、決まった行動を返してくれるんです。」

伏原「なるほど。ああ、そうだ、ちゃんとこちらも自己紹介をしないと。俺のこの手が真っ赤に燃える!どうも、伏原です。」

KP「決め台詞あんのかい。っていうかやっぱり芸人だろ、あんた。」

PL「この仕草は日本中で大流行です。」

KP「では、こうしましょう。」

佐伯「お、それやってくださいますか!でも、そうしていただけると思って、用意しておきましたよ〜!『wapa、こちらが伏原さんです』。」

wapa「俺のこの手が真っ赤に燃える!どうも、wapaです。」

伏原「おおっ!これはやりますね!しかし、賢いし、自分で歩けるし、すごいもんですね。」

佐伯「ありがとうございます。でも、足元をご覧ください。たくさんのマーカーが貼られていますよね?実は、wapaはこれを視覚センサーで認識して歩いているんです。事前にこの空間の3Dモデルをコンピューター上に製作し、wapaのモデルをその空間中に配置します。そのうえで、周りのマーカーを認識させて、自分の位置を把握させ、重心の移動を始めとする歩行の制御をおこなっているんです。」

伏原「なるほど、それじゃあ、突然外に持っていっても、歩いてくれないわけですね。」

佐伯「そういうことです。突然酒屋で乱闘になっても、椅子を使って戦えない、というわけです。」

伏原「弟子に取るには未熟ですね。」

佐伯「これが、『wapaの限界なんです』。」

KP「wapaが反応してうなだれてみせます。」

伏原「芸が細かいですね(笑)」

佐伯「もちろん、wapaが使える感覚器は、視覚と聴覚だけではありません。『wapa、握手をしましょう』。」

KP「wapaが手を差し出します。」

伏原 握手を返します。

佐伯「少し力を入れてみてください。」

伏原 力を入れます。

KP「それに反応したのか、wapaの握り返す力も強くなります。」

伏原「なるほど、こっちの力に合わせて握り返してくれますね。」

佐伯「そうなんです。手をはじめ、数カ所に圧力センサーを埋め込んでいます。ですから、触覚と視覚と聴覚の3感で、世界を認識するロボットというわけですね。」

KP「wapaに対しては、だいたい現在のロボット工学の水準と一致しているという印象を受けるでしょう。まだまだ人間には程遠い、というくらいですね。」

PL「リアルな現在のロボットのレベルですね。」

 

人工知能学者丸山峙大准教授

KP「さて、奥の部屋に行くと、そこにやや痩せぎすなメガネをかけた男性がいます。」

男性「どうもこんにちは。丸山と申します。」

伏原「俺のこの手が真っ赤に燃える!どうも、伏原です。」

丸山「え?ああ、どうも、よろしくお願いします。」

佐伯「こちらが、ミーミルの人工知能を開発した、丸山准教授です。」

絹川「お二人の共同研究と伺っています。どうして丸山さんは共同研究をすることになされたんですか?」

丸山「もうwapaはご覧になりましたよね?私があれを見たとき、ちょうどあるアイディアを持っていたんです。人工知能というものは、通常、コンピューターだけを使って、作られるものだと信じられているんですね。しかし、私には、人間が脳だけで考えているとはとても考えられなかったんです。ですから、脳と体、つまり、人工知能とロボットの体を一体化させたアンドロイドを作らなければ、真の人工知能を作ることはできないだろうと考えたのです。」

佐伯「その相談を受けて、私が喜んで共同研究を受け入れた次第です。私はロボティクスを勉強してきましたが、人工知能となると専門外でしたから。」

伏原「つまり、最高のロボットと、最高の人工知能を掛け合わせたのが、ミーミルなんですね。」

佐伯「そういうことです。」

KP「しばらくトークをすると、絹川さんの前振りで、ミーミルの登場という運びになります。」

絹川「その素晴らしいアンドロイド、見たいですよね?佐伯先生、丸山先生、ミーミルを呼んでいただいてもよろしいでしょうか?」

佐伯「もちろんです。刮目してください。遠藤くん!ミーミルをこちらに!」

KP「あ、遠藤くんは佐伯ラボの博士課程の学生です。」

KP「佐伯さんが声をかけると、機械の足音が拍子よく聞こえてきます。」

 

??「スタッフさん、ちょっと失礼しますね。」

 

 

Part.03へつづく

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