【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】アンドロイドは名状しがたき夢を見るか?【part.03】
【前回のあらすじ】
ロボット開発を行う佐伯教授と、人工知能研究を行う丸山准教授に出会う。
wapaは言うほどすごいロボットでもなかったが、いよいよ真打、アンドロイドミーミルの登場である。その実力やいかに。
アンドロイドミーミルの登場
ミーミル「どうもこんにちは、私が人工知能搭載型アンドロイド、ミーミルです。」
KP「そう言うと、ミーミルは握手を求めます。」
伏原「俺のこの手が真っ赤に燃える!どうも、伏原です。」
ミーミル「それは、流行りの挨拶ですか?」
伏原「そうだよ、ミーミル、これは新しい挨拶さ。」
ミーミル「俺のこの手が真っ赤に燃える!どうも、ミーミルです。」
伏原「お、すごい!これは今学習したんですか?」
ミーミル「ええ、そうです。私の学習機能は非常に優れていますから。」
佐伯「どうです!すごいでしょう?ここまでの能力をもったアンドロイドは、史上初ですよ。」
伏原「話していて人間のような印象を抱くほどですね。」
佐伯「ええ、本当にそうですよね。まったく、丸山さんのお力ですよ。」
丸山「いえいえ、佐伯先生のお力あってこそです。」
ミーミル「ご謙遜なさらず。お二人のお力ですよ。」
絹川「普通の番組だと、『何ができるんですか?』と聞くんですけど、ミーミルは大体のことができますから、そうもいかないんですよね。」
ミーミル「私にも、できないことはありますよ。」
伏原「そうですね、できないことを聞いた方がいいかもしれない。」
ミーミル「私には折り紙が折れません。そこまで器用ではないのです。」
伏原「走り幅跳びなんかは?」
ミーミル「そうですね、あまり大胆な動きはできません。振動に弱いもので。」
佐伯「そのあたりはまだまだ課題ですね。でも、現時点でミーミルを凌ぐアンドロイドは存在しません。」
伏原「では、カンフーもやれますかね?」
佐伯「どうだい、ミーミル?」
ミーミル「お手柔らかにお願いしますね。」
佐伯「実は、ミーミルのアクチュエーターは、それなりに強いものを使っているんですよ。ですから、単純に力だけをとれば、ミーミルはかなりの強敵のはずですよ。」
伏原「なるほど。しかし、カンフーは技が大切ですからね。一ついい技を教えてあげましょう。」
伏原「佐伯さん、手からレモンの匂いがしますよ?」
佐伯「え?」と言って手の匂いを嗅ぎます。
伏原「ここで相手の肘を上に突き上げると、相手の鼻を相手の手で突くことができます。」
佐伯「おおっと、危ない、そういうことだったんですね。」
ミーミル「佐伯さん、気をつけないと。ところで、伏原さん、手からレモンの匂いがしますけど。」
伏原「え?」といって手の匂いを嗅ぎます。
ミーミル「私が突き上げたら、大変なことになりますよ?」
…
KP「とまぁ、そんな感じで楽しく収録が進み、無事に収録を終えることができました。ミーミルはテレビウケを意識したジョークで笑いを取ってくれて、取れ高は十分です。」
佐伯「今日はありがとうございました。楽しい番組になってくれれば幸いです。」
丸山「おかげさまでミーミルの素晴らしさを伝えることができました。」
伏原「いえいえ、お二人ともお話が上手で、難しい話をわかりやすく伝えていただいて、大いに助かりました。」
ミーミル「今日はありがとうございました。またご一緒できることを楽しみにしています。」
伏原「いやあ、すごかったよ、ミーミル。いつかカンフー映画で共演できる日を楽しみにしているよ。」
佐伯「お、それいいですね!カンフー映画に耐えられるロボットを作ってみせますよ。」
伏原「さすが教授。あなたは本当に面白い人ですね。」
ミーミル「私を改良してくだされば、きっとカンフーもやってみせますよ。」
…
事件の始まり
KP「というわけで収録は終わり、あなたは佐伯教授と丸山准教授と名刺を交換して、絹川さんと一緒にロケバスに戻ります。」
伏原「絹川ちゃん、今日はお疲れさまでした。」
絹川「楽しかったですねー。ミーミルがあんなにすごいなんて。」
KP「と、ここで〈聞き耳〉ロールをお願いします。」
〈聞き耳〉ロール→成功
KP「あなたは、低く唸るような、『ブーン』という羽音を耳にします。あなたの後ろの方ですね。」
伏原 思わずそちらを見るでしょうね。
KP「そこには何の姿も確認することができません。しかし、あなたが一瞬目を離した瞬間、隣から『きゃっ』と、短い悲鳴が聞こえます。」
伏原「ん!?絹川ちゃん、どうした!?」
KP「あなたが隣にいたはずの絹川さんを探しますが、すでにそこには絹川さんの姿が見えません。」
D「伏原さん、お疲れさまです。…あれ?絹川さんは?」
伏原「いや、さっきまでいたんだけどね。急にどこかに行っちゃったみたいで。」
D「え?どういうことですか?お手洗いかな。ちょっと探してきます。」
…
しばらくして、絹川さんが見つからないということで、伏原さんは先にお帰りいただくということになりました。
伏原「ええ、わかりました。心配ですね。見つかったら連絡をいただけますか?」
D「ええ、もちろんです。それでは、お気をつけて。」