TRPGをやりたい!

電源・非電源ゲーム全般の紹介・考察ブログ

ソードワールドにはビジュアライズが必要

こんにちは。

TRPG需要の高まりを感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

動画制作へ向けたシナリオライティングも佳境に入り、少し他のことを考える余裕が出てきたので、ぼんやりと様々なことを考えているうちに、ある問題に気がつきました。

 

1.TRPGリプレイ動画の流行

このブログにまで脚を運んでいただいている方なら、昨今のTRPGリプレイ動画の隆盛は少なくとも耳に入っていることと思います。今度のニコニコ超会議では、TRPG専用ブースが設けられるなど、その再燃は結構なものです。

 

これまで、TRPGリプレイの媒体として主流だったのは、やはり『テキスト』です。もっとも簡単に制作することができ、それを発表する場にも困ることはありませんでした。

 

しかし、2000年以降の通信速度の革新的向上によって、漫画や動画といったコンテンツの配信が活発になったことで、状況は一変します。

消費者はより優れたエンターテインメント作品を求めて、『テキスト』媒体から『動画』媒体へとその主軸を移行していきます。

 

この流れの中で、TRPGリプレイ動画という手法が開発され、一定の支持を獲得するのは必然といってもいいでしょう。ここにおいて、『TRPGリプレイビジネスは、より良質なコンテンツとして配信されなければならない』という高い参入条件が課せられることになりました。

 

2.動画化と素材

この参入条件は、幾つかの課題をプレゼンターに与えます。

すなわち、明らかにプレゼンターは総合的な技能を持っていなければならなくなるのです(音響選択技術・音声収録技術・動画編集技術・シナリオ構築技術・描画技術・演出技術など)。

 

しかし実際には、こうした問題に対応するためのフリーコンテンツが充実しているのが昨今の情勢です。

たとえば、ニコニ・コモンズを利用すれば、東方系の『ゆっくり』や立ち絵、2ch発祥のAAなどのフリー素材が充実しているほか、背景素材やBGM、SEなども潤沢に整っています。

これによって、多くの製作者は「音声の作成」や「BGMの作成」、「キャラクターの描画」などの手間を完全にスキップして、動画の編集に専念することが可能になっているのです。

 

しかし、このフリーコモンズ化の波及効果は思わぬ現象をもたらします。

それは、作成されるコンテンツの均質化です。フリーコモンズ・フリー編集ソフトの利用は、制作コストが低いために、作成者からは歓迎されます。それゆえ、容易に制作できる『フリー素材の組み合わせとしてのエンターテインメントコンテンツ』が氾濫する結果を招きます。

 

このことは、TRPG界隈においても明らかな傾向として現れています。

世界にTRPGルールはたくさん存在しますが、その中でも、クトゥルフ神話TRPGとパラノイアの両ルールのリプレイ動画が飽和しつつあります。なぜこのような事態がおこるのでしょうか?

 

その原因は明らかで、この両TRPGの主要登場人物が『人間』だからです。クトゥルフの場合、『邪神』も登場しますが、そのビジュアライズについては長い歴史の甲斐あってそう困りません。実際、特定の邪神については、複数の動画間で同じイメージが流用されているのをしばしば目にします。『邪神』のビジュアライズが「フリーコモンズ化」しているのです。

 

 

3.コンテンツとしてのソードワールド

この論点を引き継いだまま、ソードワールドというコンテンツの動画化について考えてみましょう。どのような苦労が推測されるでしょうか?

 

第一に、登場人物、それもPCが、『人間』ではない場合があります。エルフやドワーフはまだしも、ルーンフォークやヴァルキリー、ましてやタビットやグラスランナーともなれば、『人間』をベースにしたフリーコモンズの市場から小さな隔たりが生じてしまいます。

 

第二に、敵のほとんどすべてが、それぞれ個別のビジュアルを有しています。コボルドやゴブリン、ドレイク、ラミア、ギルマン、蛮族だけでもその容姿は様々です。敵の種類が多様な分、動画化される際に1つのビジュアルイメージが使われる回数は少なくなるでしょう。この性質がビジュアルイメージのコモンズ化を妨げ、結果として、動画コンテンツの作成を阻害しているのです。

 

 

4.提案

以上の考察から、ソードワールドというコンテンツを盛り上げるために必要なのは、ルールの流通でも、シナリオの流通でもなく、フリーコモンズ化された、各種族キャラクターのビジュアルイメージであると断言します。

あいにく、私が書けるのはシナリオだけで、絵心が微塵もないために、敵キャラのビジュアルイメージバンクを作成する能力はありません。もしもこれが達成されれば、動画投稿が盛んになり、ソードワールドという魅力ある世界が人々の目に触れる機会が増えることになるでしょう。

 

これに類するサービスを探してみて、なければなんらかの形で構築する方法を考えることにします。