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【ソード・ワールド2.0】「閉ざされた町に咲く花」を公開【オリジナルシナリオ】

公開まで随分時間がかかってしまいましたが、お気にいりのシナリオである、「閉ざされた町に咲く花」を公開しました。

 

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こちらのシナリオは、元は動画用に製作したキャンペーンの途中で登場する、ショートストーリーシナリオだったのですが、キャンペーン全体から分離して、単独のショートシナリオとしてアップロードしました。

 

このシナリオの魅力は、何と言っても「騙し合い」にあります。

 

1.シナリオアウトライン

久しぶりのソード・ワールド2.0シナリオで、ちょっと解説の仕方などを忘れ気味なのですが、解説していきます。

シナリオの筋は大体以下のようなものです(資料から直接引用)。

ディザの南にある小さな集落から、一つの依頼が舞い込む。それは美しい文字で書かれた女性からの手紙による依頼だ。手紙には、最近村の様子がおかしく、蛮族の襲撃が迫っているに違いないが、村長たちは何かを隠したまま、村人の出入りを禁止してしまった、とある。この手紙を秘密裏に発送した女性と、彼女に率いられた脱出部隊の逃走を助けてほしい、というのが今回の依頼である。

本来のキャンペーンでは、この村の東に本拠地を持つ蛮族を討伐する途上で、この依頼をこなすという筋になっていました。しかし、単独のシナリオとして分離するにあたって、そちらの蛮族の討伐は、別の冒険者パーティに依頼した、という体になっています。

 

冒険者たちは始め、この女性からの手紙(資料に付属)を見せられることになるのですが、その文体は非常に丁寧で、真面目そうな女性の姿を想像させられます。そして、その想像にたがわず、「閉ざされた町」であるヨーテには、美しい女性オードリーが待っているのです。

 

 

2.誰かが嘘をついている?

村ごと閉鎖されている状況なので、この村を訪れた冒険者に対する警戒もただならぬものです。プレイヤーたちは、村長の息のかかった衛兵たちをうまく騙して、オードリーのことを隠したまま、村に侵入しなければなりません。また、村に侵入したとしても、村長たちの監視の目は外れません。継続して慎重な行動が求められることになるのです。

 

従って、このシナリオの第一のゲーム性は、監視下で注意を引かない行動を考え続けることにあります。監視下での行動は、すべて警戒ポイントとしてスコアに反映されていきます。

 

しかし、このシナリオのゲーム性の核心は、そこにはありません。

このシナリオ最大の魅力は、「騙し合い」にあるのです。もちろん、冒険者たちも、村長を騙して入村する必要がありますが、このシナリオの「嘘」はそこだけではありません。さらに2つの「嘘」が紛れ込んでおり、冒険者たちは間違った情報と異常な警戒態勢の中で、正しい情報を引き出さなければならないのです。

 

もちろん、そんなことを考えずに、シンプルにプレイしても、非常に面白い展開に発展することでしょう。

 

 

3.ネタバレを含むシナリオ解説

本当はするべきではないのでしょうが、ちょっとだけ、ネタバレを書きます。

ネタバレを書かなければ、このシナリオの面白さが伝わらないからです。

 

なんと、このシナリオ、冒険者が「嘘」を吐いて入村するほか、村長陣営も「嘘」を吐いています。それだけではありません。なんと依頼者の女性、オードリーも「嘘」を吐いているんです。

 

この三つの嘘が生み出されることで、村の中にはピリピリとした緊張状態が生み出されます。お互いがお互いの利益のために、なんらかの「真実」を隠し、互いを出し抜こうとしているのですから。

もちろん、プレイヤーたちにはそんなことは伝わりません。ただ、強欲な村長に困らされている美しい女性の依頼を達成する、勇敢なナイトとして、物語を楽しんでしまうことでしょう。それがどんな結末を生むか、冷静に考えることもせずに。

 

根性が拈ているからなのか、こういうシナリオが大好きで、ついつい作ってしまいます。是非ともたくさんの卓でプレイしていただいて、たくさんの被害パーティを生み出していただけたらな、と願っております。

 

TRPGの世界でも、時には騙されてみましょうよ。