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【ソード・ワールド2.0リプレイ】氷壁を砕け!【英雄志望と二つの剣3rd season 3−7】

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前回のあらすじ

冒険者達は迂回路を通りながらも、無事に雪原を抜けることに成功した。冒険者達の前に現れたのは、金属式の機械遺跡だった。その巨大な構造となおも起動し続ける動力の光に驚く冒険者達だったが、なぜかすでに入り口が開いており、侵入は容易だった。入り口で凍えた体を温めるためのキャンプを張り、遺跡の調査を開始する。

 

<前回 第1シーズン第2シーズンレイラ個別3−13−2

 

 

アーク:ラック張り直したよ

レイラ:ゴーレム作り直しました

GM:それぞれ判定も確認しました。では魔動機遺跡の探索を始めましょう

 

カシウス:盾と剣を打って目覚ましするぞー ガンガンガン

コーラル:ぐごーぐごー

カシウス:だめだった

アーク:「ご飯の時間だ!」がばっ!

レイラ:パンの匂いでコーラルさん引っ張り出します

コーラル:ぐごーぐごー 体だけ起きて追いかける

クキバミ:「でた! コーラルレブナントじゃ!*1

コーラル:もぐもぐ クキバミにかじりつく

クキバミ:「ぬわー! アーク! 早くこいつを浄化せい!」

アーク:「塩かけとくね」

コーラル:「味が薄い……あ、塩味……もしゃもしゃ」

クキバミ:「食べられるー食べられてしまうー!」

カシウス:(みんな緊張しないのか……?)

コーラル:「……んぁ? どうしたクッキー、頭ベトベトだな。それもタビットの文化か?」

クキバミ:「……」

 

レイラ:「ご飯の前に洗ってきたらどうですか、みなさんも。お湯沸かしてありますから」

アーク:雪に顔うずめて「お目目ぱっちり!」

カシウス:「……アーク、しばらく頭くるんでろ」毛布ぐーるぐる

コーラル:「んで、今日はここを探るんだろ? それで魔剣に近づくっていうなら気合入れていかねぇとなぁ」

レイラ:「見たところ魔動機文明の遺跡のようですが」

カシウス:「あぁ。でも昨日見たところ、防衛用の魔動機もあまりいないみたいだった。なんか変だよな」

コーラル:「こんだけバカでけぇんだし、奥にゃたんまりいるんじゃねぇの?」

レイラ:「あれ手が痛くなるんですよね、叩くと」

クキバミ:「ううむ。魔動機文明時代の人間はたいてい変態じゃからな。隠す・凝る・わざと看破されるのトリプルKじゃ」

カシウス:「変態って……」苦笑い

コーラル:「なるほどな、そいつは滅ぶわけだ」

レイラ:(カシウスさんもいつか滅びるんですね……)

クキバミ:「いかに高度な施設を作ろうとも全ては泡沫に消える。我らが再点火せねばならないのだ」

コーラル:「おぅよ、じゃーしんがりはアタイがやろう」

カシウス:「……ちょっと待て、再点火しなくても、解除すればいいんじゃないのか? 全部食らうの俺だろ?」

クキバミ:「やじゃ! 全部の仕掛けが発動したとこ見ーたーいー!」変態

コーラル:クキバミの耳掴んで持ち上げて「クッキーはアタイの前な。監視しとく」

クキバミ:「ふん、せいぜいしっかり守るのじゃぞ、いろいろ見に行くからな」

 

アーク:「罠は全部カシウスがなんとかしてくれるよ」

カシウス:「……アーク、それどっちの意味だ?」

コーラル:「敵が出てきたら下がれよ、アタイらがなんとかするから」

レイラ:「ですね、先走り過ぎないように気をつけてください」

カシウス:「ああ、そのときは頼む。俺はみんなほど……戦えないからな。なぁアーク、さっきのは……」

アーク:「ごちそうさま! ごはん食べたし出発しよ!」

コーラル:「よっしゃ!」

 

GM:では、今回の遺跡ですがマップ式ではなくシーン式でいきます。第一のシーンは迷路状の通路です。周囲には金属の壁とその上を走る光の筋ばかりの無機的な通路が九十九折りになって続きます

コーラル:「……よいしょ!」壁を殴ってみよう

GM:ダメージ出してみてください

コーラル:威力30+10 →(2,5)→ 7+10 → 17

GM:鉄の壁、防護点によりダメージ通りません

コーラル:「かってぇぇっ! こりゃいざってときに壁壊すのはしんどいな」

カシウス:「おい! なんか起動したらどうすんだ!」

レイラ:「おどかさないでくださいよ」一回ビクってなった

コーラル:「ちっげぇよ! ちょっと実験しただけだよ実験!」

クキバミ:「鉄の遺跡じゃからな、壊すならデモリッシャー*2でも持ってこなければ無理じゃな」

コーラル:「ちっ、めんどくせぇなぁ、ショートカットしてぇ……」

レイラ:「前の地底遺跡は脆くなっていただけですから」

アーク:「爆弾でもダメなの?」

クキバミ:「魔力の無駄じゃな。こっちの精魂尽きる方が早かろう」

コーラル:「それもそうか」

 

GM:では構造解析判定で迷路を解決しましょう

 

構造解析判定 目標値秘匿

 アーク・レイラ・カシウス・クキバミ 失敗
 コーラル クリティカル

 

GM:コーラルクリティカルですね、ではクキバミはテンション上がってて気付きませんが、無駄に入り組んだ構造にコーラルの単純な脳細胞が酩酊感を覚え、この迷路の構造を理解します。思いの外単純な構造で、解決自体は容易でしょう、しかし……

GM:知能のない動物や魔動機、魔法生物などでは、この迷路の同じ光景の連続に酩酊の末入り口にたどり着くようになっているようです。ずいぶん規模の大きなねずみ返しですね

コーラル:「……うーん」

コーラル:「そいやっ!」もう1発壁殴りして反響音を聞く

レイラ:「こらっ!!」またビクってなった

カシウス:「さっき言ったばっかだろコーラル!」

コーラル:「あー、そういうことか。なんかイライラすると思ったけど、こりゃあれか。ふーん。あ、気にすんな気にすんな、解決したから」

レイラ:「???」

アーク:「大丈夫? 頭叩こうか?」

コーラル:「おう、いざとなったら頼むわ」

レイラ:「????」

アーク:「うん、任せて!」

カシウス:「……ひとまず、進んでいいのか?」

コーラル:「ダイジョーブだ、まぁあれだ、このうさんくせぇ壁の間は罠はあんまねぇと思うぞ。気楽にいこうぜ」

カシウス:「はぁ……もうやるなよ?」

 

GM:というわけで、しばらく進むと単純な構造の迷路は無事に解決し、地下への階段と大きな文字盤のある広い部屋に抜け出ます。寒冷地の中にあったことで、ほとんど朽ちることもなく、ただわずかにカビと埃が付いているだけの完全な状態です

カシウス:「……ほんとに罠がないとなんかそれはそれで……クキバミ、これは読めるか?」

GM:その大広間にある石板には見たことのあるようなないようないびつな文字が並んでいます

クキバミ:「どれどれ、我に読めなんだらそれはもう別世界の文字じゃな」

GM:目標値非公開の判定です。見識判定を行なってください

 

見識判定

 クキバミのみ2段階成功、コーラル以外は1段階成功

 

GM:ではクキバミはこの文字が魔動機文明語と共通する部分があることに気づきます。しかし他の言語の影響が強いためいくつかの固有名詞を判読することができません。それでも概ね次のような内容だと推測できます

 

文字盤に刻まれた文章

最果ての地に大いなる****を封じ、***も***ない凍結の地を生み出す。

偉大なる英傑***の***なる死闘の末、聡明なる***の傑出せる***が

この***の封印を可能ならしめ、しかるのちにこの地を***の守りの地とした。

ここに再び***んとする者、新たな***の英雄たる資格なくば、宜しく立ち去るべし。

 

クキバミ:「……ふむ。どうやら過去、この遺跡に何か大きな力を持ったものを封じたと書いてあるようだ。よくはわからぬがな」

コーラル:「へー」

GM:同時に、コーラル以外の方は、この地での魔動機文明時代の戦争を知っています。

 

開拓候フィネアの北伐

フィネア地方を開拓したダーレスブルク公国の重臣メリーチカ・ド・フィネアは、フィネア中央部の平原での戦いに勝利したのち、さらに北伐を行い、この地域で蛮族との死闘を繰り広げた。フィネア候は公国から借り受けた魔剣クラウ・ソラスの力を使って蛮族をはるか北に撃退し、フィネアの安泰を勝ち取ったとされている。

 

クキバミ:「……とすれば、じゃ。この遺跡の建設者は歴史に名高いフィネア候ということに……いや、だとすればこのもう一つの言語はなんじゃ……? フィネア候ならば魔動機文明語で書いてあるはずじゃろうて」

レイラ:「フィネア候ってあのフィネア候ですか?」

クキバミ:「そうじゃ、我らの大地フィネアを切り開き、この大地の名の由来となったあの英雄フィネア候メリーチカじゃよ」

カシウス:「魔剣のはじめの持ち主だろ?」

クキバミ:「じゃがそう断じるのは……」

 

GM:クキバミさんよく見たらもう一方の言語も会話だけは習得していますね。憶測ですがもう一方の言語も推測できたことにしてあげましょうか

クキバミ:文法からわかったことにしてくれい

GM:はい、修辞の多い独特な文法は、知っているものの中ではドレイク語に近いものです

クキバミ:なんと!

レイラ:じゃあここは!

 

クキバミ:「待て、待て!!! この言い回し! この不必要な言葉!!! 違いないぞ!!」

コーラル:「???」

アーク:「???」

クキバミ:「ドレイク族じゃ! この遺跡、蛮族側が建設しておるぞ!」

レイラ:「えっ!? どういうことですか?」

クキバミ:「人間の要塞ではない! 蛮族の最後の砦……? いや、待て、そう考えれば辻褄があうのではないか?」

カシウス:「順を追ってくれ」

クキバミ:「そんな場合ではない! 考えてもみろ! なぜ人族が人族の最終兵器たる魔剣の力を封じたのじゃ! おかしかろう! 蛮族が相手から力を奪うため、ここに魔剣、あるいはそれに準じる何か強大な力を隠したのだとすれば、あまりに辻褄があう! お主らもっと驚け! 歴史が変わるぞ!」

カシウス:「???!!??」ついていけてない

レイラ:「ええと……昔話と真逆ってことですか?」

GM:だれもついていけてないw

コーラル:オタクはこれだから……

クキバミ:「簡単に言うとそういうことじゃ! これは世紀の大発見じゃ! フィネア候が蛮族を北に討ち果たしたなどまやかしじゃ! 歴史の真実は、ここに築かれた蛮族の施設によって我らが押さえ込まれんじゃ!」

レイラ:「……でもそれじゃおかしくなりません? 蛮族の砦が人族の魔剣と関わっていて、それをスレイン公爵が知っているなんて……」

クキバミ:「公爵殿下が知っていたと言うことは、帝国の中枢では“真実”が語り継がれているということだ。おそらく、これ以外にも多くの“真実”がな! 行くぞ! 全てを解き明かすんじゃ! ほれ早う!」

カシウス:「その前に、この【英雄の資格なくば立ち去るべし】っての、前に痛い目見たから気をつけような」

アーク:「カシウスが扉につぶされたときだ」

カシウス:「アークが宝箱いじって遺跡から出られなくなったときだろ!」

レイラ:「そんなことありましたね」苦笑い

カシウス:「あのときはなんとかなったけど、今度は蛮族の遺跡かもしれないっていうなら……俺たちが英雄の資格を持ってるかどうかわからないが、アーク、俺はお前を信じるからな」

アーク:「大丈夫。資格なんて関係ないよ。前に進めばそれでいい」

コーラル:「おっし、そんじゃあ行くか! クキバミ、おめぇはここだっつってんだろが」耳掴み

クキバミ:「ぬあー 行かせてくれい! 行かせよ! 後生じゃたのむー」じたばた

 

 

次回へつづく

*1:レブナント=アンデッド

*2:この世界の破城槌。ルミエルレガシィに収録されている