【ソード・ワールド2.0リプレイ】幕間雑談【英雄志望と二つの剣3rd season 2−16】
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前回のあらすじ
カシウスがナイトメア差別主義の領主に身を呈して正義を主張し、冒険者たちは報酬を得た。次の冒険までの間に、冒険者たちはセリンの処遇を決めるための話し合いを持つ。
GM:ええと、シナリオとしては終わっているんですが、みなさんからキャラクタープレイしつつセリンの処遇について決めたいよねという話があったので、改めて日を設けました。
GM:その前に済ませておきたいこととかありますか?
レイラ:ちゃんと謝ってなかったので、皆さん帰ってきたらちゃんと謝っておきたいと思います
GM:了解です。ではそちらから先にしましょうか
カシウス:じゃ、領主のところから「悪い、遅くなった」とか言いながら帰ってくるよ。手を切ってるけどな
アーク:お屋敷でもらってきたサンドイッチ食べながらついてきてるよ
クキバミ:それに乗っておるぞ
レイラ:じゃあすぐにカシウスさんの手を回復しますね。アースヒールです
レイラ:「色々とご迷惑をおかけしました」回復しながら
カシウス:「悪いな……ってレイラ、起きてて大丈夫なのか?」
レイラ:「おかげさまで」
カシウス:「いや、別に俺は……おいアーク、そのサンドイッチどこでもらってきたんだよ」
アーク:「ん? カシウスも食べる?」
カシウス:「いやいいよ……なんかそういう気分でもないしな。コーラルは?」
レイラ:「まだ寝てますよ。お腹出して」
カシウス:「相変わらずだな」
レイラ:「……ほんのちょっと」
カシウス:「……?」
レイラ:「ほんのちょっとだけ、人より強いつもりだったんですが、思い込みだったみたいです」ふーっと息を吐いて
カシウス:「あー……」何か言葉を考える
レイラ:「でも、なんだか肩の荷が下りた気がします」少し笑って「色々ありがとうございました」
カシウス:「そっか。よかったよ」
レイラ:「はい! 回復終わりました」手をペシンと叩く
カシウス:「いてっ……ありがとな」
レイラ:「そうだ、少しだけお時間いただいてもいいですか? あの子のこともありますし、今後のこと、私も少し相談したいので」
カシウス:「ああ、もちろんだ。あいつのことは俺もどうしようか考えてたし……」
レイラ:「アークさんも、いいですか?」
アーク:「んむ?」サンドイッチ食べながら
レイラ:「お願いしますね」笑う
アーク:「うん」
クキバミ:よきかなよきかな。だが、話し合いには口を出さんぞ。若者たちに任せる(1歳年上)
コーラル:うちの海賊団に入れよう
レイラ:両脚に銃とかつけましょう
クキバミ:かっこいい
アーク:義足が大砲! ロマン!
GM:というわけで、そのすぐあと、治療に加え体を洗って、清潔な衣服に着替え、館で会ったときより相当綺麗になったセリンを交えて、この大部屋で話し合いを持ちましょう
セリン:「みんなありがと。なんか人間に戻ったって感じがするわ」まずみんなに礼を言います
カシウス:「それならよかった」
セリン:「というか、今まで生きてた中で一番マシなところで眠れたかも」
カシウス:「……決してナイトメアっていうのは穢れた存在じゃないんだ。人間と同じように振る舞っていいんだからな」
セリン:「ふーん」適当な相槌
コーラル:「……んぁ。……おお、なんだ、みんな帰ってたのか、おかえり」
アーク:「ただいま!」
クキバミ:「まったく、だらしないやつじゃ……」
コーラル:「あ、そうだ。お前ら帰ってきたら聞こうと思ってたんだけどよ、この嬢ちゃんどうすんだ? 連れてはいけねぇだろ」
レイラ:「はぁ……」頭抱え
クキバミ:「まったくだらしないやつじゃ!」
コーラル:「はっはっは、気にしたら負けだぞクッキー」
カシウス:「まぁ実際、今それを話そうとしてたところだ。コーラルの言う通りでさ、俺たちはこれからも旅をしなくちゃならないし、といってあんな領主のところにお前を置いておきたくはない……」
セリン:「ああ、わかってるわかってる。私も世話になるつもりはないから」
カシウス:「悪いな……」
セリン:「だって、『惨めな脚のないナイトメアの女の子ですータシュケテー』なんてバカみたいなこと、死んでもやりたくないわ」
コーラル:「はっはっは、いいぜ、そうでなくっちゃ」
レイラ:「かといって、北レシトリアでも受け入れ態勢があるならこんなことにはならなかったんでしょうし……ウチとかどうですか? ここからは少し離れますけど」
セリン:「しろかみさんこっちの出身なんだ」
カシウス:「しろかみ?」
セリン:「その髪よ。白いでしょ」
レイラ:「ええと、兄と弟がいますが、今は弟と使用人がいるだけかもしれません。部屋も余っているでしょうし大丈夫と思いますが」
カシウス:「いいのか? 俺は頼めるほどの知り合いっていないから、助かりはするんだが……」
セリン:「でもパス。なんか家って窮屈だし嫌な思い出しかないの」
コーラル:基準が孤児だと意味が分からねぇこと言うな
レイラ:まともな家に住んだのってマグダレーナのあの家が初めてなんでしょうし……
セリン:「ずっとボロ小屋で過ごしてきたし、その方が気楽でいいの。でもまぁ……こっちだって孤児くらいいるでしょって思ってたんだけど、雪国はダメだね、みんな死んじゃって」
レイラ:「……」
コーラル:「よう、遠いけどアタイの実家にしようぜ、家の形してねぇし」
レイラ:「それ海賊ですよね?」
カシウス:「海賊かぁ……」
セリン:「海賊って面白そうだけど、それって犯罪でしょ?」
コーラル:「犯罪じゃないぞ、失礼な」
レイラ:「え?」
アーク:「へ?」
カシウス:「え?」
コーラル:「ちょっと気に入らないやつをぶん殴って、ついでに金と食料を奪っていくだけだ」
レイラ:「えぇぇ……」
クキバミ:「それを我らは犯罪というんじゃ」
セリン:「やっぱり嘘つき。悪いことはやっちゃダメって、ノイねぇちゃんと約束してるから」
コーラル:「ちぇっ、冒険者だって似たようなもんじゃねぇかよー」ぶーぶー
カシウス:「うーん……」
レイラ:「海賊はやめましょう。なんか人身売買みたいですし……」
コーラル:「じゃあどうすんだ? ここでほっぽり出したらそれこそ冬には死ぬぞ」
セリン:「大丈夫でしょ」
カシウス:「はぁ……おい、何が『大丈夫』なんだ?」
セリン:「私は私でなんとかするってこと!」
レイラ:ダメそう
コーラル:(あ、カシウスがキレてるっぽい、黙っとこ)
カシウス:「なんとか……どうやって? 今までそうやって生きてきたのかもしれないが、その生活にお前は本当に満足できたか?」
セリン:「んー、他の人たちがどうやって暮らしてるとかよく知らないし、プロッソは楽しかったよ」
レイラ:ますますダメそう
セリン:「……もうなくなっちゃったけどね」
カシウス:「……」
セリン:「でもここはプロッソより大きいからなくなりそうにないし、だから大丈夫でしょ。教会のうるさい人たちももう追いかけてこないだろうし」
カシウス:「いいか? もう一度言う。俺たちナイトメアは、普通の人族と同じなんだ。どんな扱いを受けようと、本質の精神は人間と変わらない」
セリン:むすー
カシウス:「もっと人間らしく振る舞えよ。一人で生きていくって、ツラいぞ」
セリン:「私が人間らしくないって言うんだ! へー、そうだよね! だって変人のお兄さんには脚があって、冒険者にだってなれちゃうもんね!」
カシウス:「……」
セリン:「私はそういうのになれないからなー、だけどずっとなんとかしてきたの! 人間らしくないかもしれないけど、なんとかしてきたの! だからなんとかするって言ってるでしょ!? 私だって、プロッソのみんなだって、そうやってたんだから!!」
カシウス:「……たしかに、お前に脚がないことの苦しみは、俺じゃ分からない。でも、俺はそのことを言ってるんじゃない」
セリン:むすー
カシウス:「もっと幸せに堂々と生きろ。お前にだってその権利はある」
セリン:「よくわかんない! だって、じゃあ変人のお兄さんは幸せに堂々と生きてるの?」
レイラ:幸せに堂々と変人として生きてますよ!
アーク:謎の光が股間に差し込むから安心!
カシウス:やめろ! 意味が違う!
カシウス:「ついこの間まで、俺も負い目を感じてたし、ナイトメアだってことは隠してた。でも今は、そんなこと気にする必要ないなと思ったし、堂々と生きてるよ」
セリン:「しろかみさんは? お化けに頭ぐるぐるされたんでしょ?」
レイラ:「……そうかもしれませんね」苦笑い
セリン:「まぁ他の3人は、好きに生きてるかもしれないけど……」
アーク:うぇーい
クキバミ:のっぺり
セリン:「じゃあなに? つまり、私もこのうさぎさんみたいに意味のわからない格好でいてもいいのかな?」
クキバミ:なんじゃわれこら! 正装だぞ!
カシウス:そういうとこのことだ(苦笑
セリン:「海賊さんみたいにこんな大声の横で寝ててもいいのかな?」
コーラル:「んぁ?」
カシウス:「ダメとは言わないが……こいつらのように生きるのは大変だと思うぞ……」
コーラル:「なんだ、アタイか? んー」
コーラル:「とりあえず、お前とアタイは“違う”からな。だけど……まぁいいや、面倒くせぇのは任せた。話してりゃそのうちわかんだろ、たぶん」
セリン:「んー……そういえば赤髪さん。あなたどこの人なの?」
アーク:「セコ村だよ!」
セリン:「どこそれ?」
アーク:「あっち?」適当に指をさす
レイラ:絶対違いますよそれ……
カシウス:俺が会った時からもう故郷の場所がわからなくなってたから……
セリン:「なんで村を出たの? あんまり冒険者っぽくないのに」
アーク:「んー……えーっと……」
カシウス:ダメだろうな……
アーク:「忘れちゃった! 楽しいからだよ!」
セリン:「……私はあなたたちとは違うし、堂々と生きてもいいし、楽しいことをやってもいいってことね」
カシウス:「あぁ、そうだ。こういう風にはならなくていい」
アーク:「楽しいよ!」
レイラ:「ならなくていいです」念押し
セリン:「んー……だったらちょっとやってみたいことあるかも」
カシウス:「そうか、なんだ?」
セリン:「ちょっと変人のお兄さんをしばらく借りるわ。私、アクセサリー作ってみたかったの。届けたかった人がいて」
カシウス:「へぇ、アクセサリーか。俺は何を手伝うんだ?」
アーク:あ、変人って認めた
レイラ:他にいませんからね
カシウス:しまった認めてしまった! 俺は変人じゃない!
レイラ:嘘です!
セリン:「すぐに旅に出るんでしょ? アクセサリー作ってる人のとこ全部連れてって」車椅子進めながら
カシウス:「……」何軒あるんだ……
セリン:「は や く」扉の前で
カシウス:「全部……全部か……あぁ、わかったわかった、手伝うよ。悪い、ちょっと長い間外すぞ」
アーク:「いってらっしゃーい」
レイラ:「受け入れ先が決まるといいですね」
GM:わーぎゃー言われながらカシウスが車椅子を推していき、声が遠ざかっていきます
レイラ:「……あ、あの! 私も、コーラルさんにお願いがあるんですが……」ごにょごにょ
コーラル:「んぁ? どうした、レイラ」
レイラ:「いや、えっとですね……その……いつまでもこの服っていうのもなんですし、その……」もじもじ
コーラル:「おぉ、服買いに行くのか? いいぞ、デートのエスコートくらいしてやるぞ」
レイラ:「お、お願いします!」
コーラル:「おうよ。まぁここらへんで買える服はそんななさそうだけどな、いいもん探そうぜ」
レイラ:「あの」耳元で「お、女の子っぽいのでおねがいします」ひそひそ
次回へつづく