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【ソード・ワールド2.0リプレイ】悪霊使いの家【英雄志望と二つの剣3rd season 2−15】

<前回 第1シーズン第2シーズンレイラ個別3−13−2

 

前回のあらすじ

館の原因となっていたマグダレーナを排除し、館の悪霊たちに取り憑かれて精神を蝕まれていたレイラを正気に戻すことにも成功した。しかしこの依頼をした領主が言っていた「忌まわしきもの全ての排除」が意味することはなんだったのだろうか。一晩の休息の後、アーク、カシウス、クキバミの3人は領主の館へ向かう。

 

カシウス:俺がけじめをつけてこよう

GM:セリンは連れて行きますか?

カシウス:俺が決めることじゃないかな。セリンはどうしたい?

GM:セリン本人は、自分の生まれから諦めていることでもあり、憎む気持ちはありますが、わざわざ行ってぶん殴ってやるほどの興味はありません。その反面で全員死んで欲しいと思っているところもありますが、自分の知らないところで神様が勝手に殺してくれた方が気が楽だというような自分勝手な憎しみですね

カシウス:んー……なら俺が行ってくるよ。クキバミは一応ついてきてくれるか?

アーク:僕はいる?

カシウス:どっちでもいいぞ。いてくれたら心強い

アーク:カシウスが殴られて死なないようについていくね

カシウス:助かる

 

GM:では再び領主の屋敷に向かったカシウスたちは、しばらく待合室で待たされたあと、領主と面会することになります。領主は例によってボディガードをつけていますが、こんなものは演出なのであまり気にしないでください

カシウス:HP1の俺に攻撃して人殺しになりたい奴はいるか

アーク:一晩寝たからHP7くらいはあるんじゃない?

カシウス:HP7の俺に(ry

GM:相変わらず神経質そうに奥歯を噛み締めながら、領主は切り出します

カシウス:「……」

 

領主:「無事の帰還、結構。間違いなく『すべて』を排除しただろうな?」

カシウス:「ああ、館にいた魔女……まぁもう人じゃなくなってたみたいだが、そいつは仕留めておいた。もう大丈夫だ」

領主:「殺したんだろうな? この村から消し去れと言ったはずだ」

カシウス:「あぁ、魔女はな」

領主:「魔女しかいなかっただろう。恐ろしい、教えに背く魔女たちしか!!」

レイラ:やっぱり知ってて依頼したんですね

カシウス:こいつの口からこの情報を聞きたかったんだ

 

カシウス:「たち? いや、俺たちが排除したのはアンデッド1体だけだ。……他にいたって話はされてないだろ?」

カシウス:「それはそうと、中に女の子が一人いたんだ。傷は手当てしたから大丈夫だと思うが、村の子だろ?」

領主:「貴様……っ!」

GM:領主は激しく机を叩き、立ち上がると同時に椅子が激しい音を立てて倒れます

領主:「私の言っている意味がわからなかったのか!」

カシウス:「……」

領主:「この村にアンデッド騒ぎなどあってはならんのだ」怒りで震えながら

カシウス:「その騒ぎの原因があの女の子だっていうのか?」

領主:「そうだとも! あの忌まわしきナイトメアの小娘が穢れを持ち込んだのだ! 教会めが面倒を押し付けおって!」

カシウス:「……穢れを持ち込む? そんなの聞いたことがないが」

領主:「神聖なる我が領土に穢れた者など必要ない! 一切な! この村の者であるはずがあるものか! ナイトメアなど……忌まわしきナイトメアなど殺せばいい!!」唾を飛ばしながら怒号をあげます

カシウス:「……そうか」

領主:「そうだ! 奴らは蛮族崩れではないか! 我ら人とともに生きるべき者ではない!」

クキバミ:やれやれ……

 

カシウス:「……そうやってお前たちがあいつらの時間や機会を奪う。あいつらの気持ちも、したいことも、全部踏みにじって」

領主:「気持ち? お前は愚かだ! 奴らは忌むべき存在だ! 踏みにじるべき存在なのだ!」もう一度机を拳で叩きます

カシウス:「お前がどう思おうと勝手だが、それで平気で……“人”の命を奪うのか?」

領主:「お前にはわからんのか? 奴らは蛮族だ。これまでどれだけの蛮族を殺してきた? そのときお前にためらいがあったか?」

カシウス:「殺した数は覚えてない。でも、俺は同じように人の形をしたやつや人の言葉を喋るやつにも出会った」

カシウス:「そいつらを殺すとき、ためらいがなかったと思うか? ナイトメアが蛮族だっていうなら、それだけでお前は何のためらいも感じないのか?」

領主:「すべては人族のためだ!! 穢れを払わなければ、人族は生き残れない! 私がやつをマグダレーナに押し付け

カシウス:「は? おい、今なんて」

領主:「そこで死ぬのを待つという決断を取ったのも! この村を守るために必要なことだった!」

カシウス:「必要……? 女の子を椅子に縛り付けて悲鳴を上げさせることがか?」

領主:「殺 す こ と が だ!!!」

カシウス:「……」

クキバミ:「……」

 

カシウス:レイピアを引き抜いて領主の顔ギリギリに突きつける

領主:「ひっ!!」

カシウス:「なぁ」

GM:領主は大きくのけぞろうとして、先ほど倒した椅子に躓いて不恰好に倒れると、ボディガードにすがろうとします

カシウス:「殺されるってのは、そういう恐怖だ!!!!」帽子を脱ぎ捨て、小さな角を見せる

衛士長:「……」カシウスの様子を見たあと、目を瞑って領主の指示には従いません

カシウス:わかってくれるか、俺は殺す気はないんだ。

カシウス:レイピアを領主の前に放って

カシウス:「なぁ、やってみろよ。お前はそこで踏ん反り返って座ってるから何も知らないんだ! 殺す覚悟も、殺される覚悟も!」異貌を発動する

GM:カシウスの頭から大きな角が姿を現し、普段の温厚さとは似つかぬ威圧感を纏います

カシウス:「だからそんな言葉が出る! やってみろよ! 俺はナイトメアだ! 簡単だろ?」

領主:「穢れた血だ! 殺せ! 災いをもたらすぞ! どうした! 殺さんか!!」無様に腰を抜かしながら衛士長にそう言いますが、衛士長の方では目を瞑って首を振ります

カシウス:「どうした! 俺は逃げもしねえ! テメェが口で言ってたことをすりゃいいんだよ、領主様ぁ!」レイピアを拾って、領主の目の前の床に突き立てる

領主:「ひぃぃぃぃっ!」

カシウス:「じゃないと、俺がお前を殺すぞ」

 

領主:歯をガタガタいわせながら、カシウスが攻撃しないで睨みつけている表情を見て、恐る恐る、鼻水を垂らしながら震える手をレイピアに伸ばします

カシウス:「そうだ」

領主:なんとか力を入れてそれを引き抜き、まるで卵でも運んでいるようにゆっくりと手首を動かして、震える剣先をカシウスに向けます

カシウス:「やれよ」

領主:その剣先は少しずつカシウスの体に近づき、その胸の真ん中にわずかに触れて止まります

カシウス:動かない

GM:部屋には領主の過呼吸気味の不安定な呼吸音だけが聞こえます

カシウス:刃先を片手で握りしめ、血を垂らす

カシウス:「いいか? お前が俺たちに命令したのはこういうことだ」

カシウス:刃を握って領主を引きつける

 

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領主:「うわぁぁぁぁぁっ!!」目を瞑って、腕を振り上げるように剣を引いて放り投げます

GM:レイピアは衛士長に向かって飛びますが、衛士長は涼しい顔で首を軽く傾けてそれをかわします

カシウス:つよい

アーク:つよい

クキバミ:しゅてき……

 

GM:がしゃんと乾いた金属音が部屋に響き、ただ領主の荒い呼吸音がそれに続きます

カシウス:「……殺す覚悟も殺される覚悟もない奴が、ナイトメアを殺すだとかなんだとか、口にするな」異貌解除します

領主:「……金はやる。消えろ。この村から、私の前から、消えろ」言葉をやっと喉からひねり出します

カシウス:「……わかった」床に落ちたレイピアを拾い上げ

クキバミ:終わったようだし出るとするかの

アーク:構えてた盾を下ろすよ

カシウス:お前その盾なんに使うつもりだったんだ?

アーク:落ち着かせようと思って

カシウス:まったく……じゃあ部屋からでて、おしまい!

 

GM:というわけで、第3シーズン第2シナリオ「悪霊使いの家」シナリオ終了です、お疲れ様でした!

カシウス:お疲れ様でした!

アーク:おつかれさまでしたー

レイラ:ご迷惑をおかけしました

 

第3シーズン第2シナリオ「悪霊使いの家」シナリオ報酬

経験点 500+成功500+シーズン200+撃破520=合計1720点
報酬  支払い4500+戦利品・拾得物1936/人=6439G
名誉点 剣のかけら8つ→(2,3,2,6,2,3,6,6)→30点

 

GM:報酬は以上です。あとは幕間でセリンの処遇について話し合いを持ちましょう

コーラル:あいさー

 

 

次回へつづく