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【ソード・ワールド2.0リプレイ】再会の大地【英雄志望と二つの剣3rd season 1−2】

<前回 第1シーズン第2シーズンレイラ個別3−1

 

前回のあらすじ

第3シーズン開始にあたっての世界情勢の変化と成長報告を済ませた冒険者たち。物語展開が濃くなってきたために、GMの方でもあらかじめシナリオを一つに定めるのが難しくなってきた。プレイヤーたちの様子を見ながら展開を決めるというソード・ワールドでは珍しいスタイルでのセッションが始まった。

 

 

GM:さて、今回のシナリオは危険感知判定から幕を開けます

 

GM:みなさんは寒い丘陵地帯を進んでおりまして、気候のせいか身を隠す木々も少なく岩や丘に身を隠す他ありません

 

カシウス:「この辺はやっぱり冷えるな……」では

 

危険感知判定 目標値15

カシウス:2d6+6 → (6,4)+6 → 16 成功

 

GM:では、カシウスは警戒を怠っていなかったため、視界の端の方、丘の上で偵察兵らしき影が動くのを目にします。どうやらその場を走り去ろうとしているようです

 

カシウス:「待て、なにか……斥候か?」

クキバミ:どこの兵だ?

GM:北レシトリア騎士団の警戒兵と思われます

クキバミ:蛮族対策のついでで見つかってはたまらんの

カシウス:「北の騎士団だ。こっちを確認したかもな……どうする?」

レイラ:追うのは危険でしょうね。本隊が近いのかも

カシウス:俺も危険だと思う。どこか逃げられる場所を探そう

クキバミ:いや、追おう。あの練度なら追いつける

コーラル:GOGO!!

アーク:見敵必殺だ!

 

カシウス:「どこか隠れる場所を探そう。また1日伸びるか……」

クキバミ:「いや、斥候があの練度だ。今のうちに手をうつ」魔道バイクを作る!

クキバミ:行使判定 2d6 → (4,6) → 10 成功

クキバミ:「乗れ」

アーク:「何これすごい!」乗る!

クキバミ:アクセル全開! ついて参れ、カシウス!

アーク:「いけーっ! クキバミ号!」

 

カシウス:「おい! ……仕方ないっ!」走ってついて行くぞ

コーラル:カシウスはバイクより早いんだっけ?

カシウス:通常移動26m!

クキバミ:魔道バイクは50mだ

カシウス:流石に置いてかれる!

 

コーラル:「ふぇ? ……あれ? 男どもは?」寝てた

レイラ:「えっと……なにかバイクで」

コーラル:「カブトムシでもいたのかな?」

レイラ:「……さぁ。私も考え事してましたから」

コーラル:「ふーん」

 

 

GM:では、バイクが全速力で追いかけると、その差はみるみる縮まり、いよいよ攻撃圏内の30mほどに捉えたところで、逃げ出していた相手は足を止め、懐からガンを取り出します

クキバミ:我の操縦だと回避できないぞ

アーク:ええぇぇっ

 

GM:斥候は銃口を空に掲げます

アーク:あ

クキバミ:やられた

 

GM:シグナルバレットが空に放たれます。光の弾が一つ空に上がって輝きます

 

コーラル:「なんだ? 今度は花火か? 子供だよなぁ、あいつらも」あくびしながら

レイラ:「今のはシグナルバレットじゃないですか? クキバミさんでしょうか」

 

GM:というところで戦闘距離なので、お二人好きに一つ手番行動を行えます。しかしその前に

 

斥候:「交戦の意思はない! 止まれ!」と、銃口をバイクに向けながら言います

カシウス:「合図を出しといて! クキバミ、急げ!」

アーク:突撃だ!

クキバミ:「こっちはお尋ね者じゃ、優しさと真心じゃ身を守れんのでな!」

クキバミ:ワイヤーアンカーを射出!

クキバミ:行使判定 2d6+11 → (5,5)+11 → 21

斥候:回避判定 2d6+7 → (1,5)+7 → 13

GM:射出されたアンカーが相手に巻き付き、自由を奪います

 

斥候:「だから交戦の意思はないと……っ!」

クキバミ:「戻るぞカシウス! この場所はもう割れておる。お主の話も後で聞くが、ここでは無理だ。こちらも必死なのでな」

カシウス:「せっかく走ったのに戻るのか……仕方ないか……逃げよう!」

アーク:……これ、僕がバイクに乗ってるから、乗せられないよね?

クキバミ:止むを得ん、引きずる

カシウス:うわぁ……

アーク:かわいそう

斥候:「いや、待て! 騎士団はお前たちを拘束する気は……っ!」ばたり、ごろごろ

コーラル:かわいそうだなこいつ

カシウス:後でカシウス汁飲ませてあげよう

レイラ:それ優しんですか、優しくないんですか……

 

GM:では、レイラとコーラルは男3人が何かを捕まえて引きずってくるのを目にします

コーラル:「……でっけぇカブトムシだなぁ、おい」

レイラ:「……?」

コーラル:「見ろよ、手足がついてて服も着てるし……まるで人間だぜ」

レイラ:「…………あれって! 騎士団の人ですよ!! 制服ですよ!」

コーラル:「へー、騎士団捕まえたのか、やるじゃん……え? やばくね?」

 

GM:というわけで、地面引きずられて擦り傷まみれになってますが一旦合流します

 

レイラ:「大丈夫ですか!?」騎士に駆け寄ります

カシウス:「……大丈夫ではないだろ、どう考えても」遅れて走ってくる

アーク:「大丈夫だよ、生きてる」

コーラル:「すげーなお前ら。やってることがまるで盗賊じゃん、超イカすわ!」けらけら笑いながら

カシウス:やべーよ

 

GM:斥候は引きずられて口から砂混じりの唾を吐きます

斥候:「貴様がレイラ・フェルンホルムか?」駆け寄ったレイラに低い声で言います

レイラ:「っ! ……はい……」

斥候:「盗賊に成り下がったか」縛られて不自由な腕で砂利掴んで投げつけます

レイラ:「……」無言で受けて、砂も払わず俯いています

 

斥候:「もう一度言う」レイラは無視してアークとバイクから降りたクキバミを見て

斥候:「私たちはお前たちを捕える意思はない。お前たちが攻撃するなら、話は別だがな」

アーク:「でも合図だしたでしょ」

クキバミ:「我らとて変わらん。その言葉を信じられる立場でもなければ、あれをされて大人しくしていられるわけでもない。今すぐにでもここから移動したいというのが本音じゃ」

レイラ:「だからって……だからって、こんな格好で引回すなんてしなくてもいいでしょう!」

 

アーク:やっぱりサンタの格好で引き回しちゃダメだよね……

レイラ:そっちじゃありません!!!

 

アーク:引きずったのは悪いと思ってるけど、そもそもこの人が悪いわけで……何も言えないな

レイラ:「あなたみたいな人が! あなたみたいな無責任な人が、騎士にこういうことをして! そうやって暢気な顔をしてるから! だから……だからこんなことに!」

アーク:「……」レイラが何を言いたいのかよくわからない

レイラ:レイラ自身もよくわかってないのでそれで問題ありません

カシウス:「ひとまず落ち着け! 俺たちで言い争っている場合でもないんだ、もっと信号弾のところから距離を取らないと」レイラに水で濡らした布をあげるよ。顔の砂落として

レイラ:優しみ

カシウス:「拭いとけ。全部移動してからだ」

レイラ:バシッと払いのけて睨みます

 

GM:では、このへんで、冷静なクキバミとコーラルあたりは馬の走る音を聞きます

 

クキバミ:「……もう遅いな。年貢の納め時じゃ」

コーラル:「あぁあぁ、これ、やばくねぇか?」

 

GM:すぐに先ほど斥候が見えた丘のあたりに、三騎が現れます

クキバミ:魔物知識判定はいけそうか?

GM:可能です

 

魔物知識判定

クキバミ・コーラルは成功
→レベル6程度。正騎士には劣る程度

 

コーラル:「やれなくはねぇな」武器構え

クキバミ:「いや、あれが本体とも限らん。数が多ければ消耗戦になる」銃を構えよう

コーラル:「でも馬相手には逃げ切れねぇだろ。やるっきゃねぇじゃねぇか」

 

GM:さて、中央の指揮官とみられる騎士は槍先で軽く合図をすると、両翼の騎士は統制の取れた動きで左に進路をとり、皆さんの40mほど離れた位置で旋回して退路に回り込みます

 

コーラル:「……ちっ」

 

指揮官:「敵対の意思はない。武器を収めよう」

GM:正面で30mほどの距離をとって馬を止めた騎士は、そう言って槍を回し、足元に突き立てます

GM:兜をかぶって顔は見えませんが、レイラは声に聞き覚えがあります

レイラ:若い声ですか?

GM:はい、ちょうど同い年くらいの

 

指揮官:「まず確認だが、君たち一行には、アークという青年が含まれているかい?」

コーラル:「おう、いるぞ」どっちの人間がアークとは言わないがな

クキバミ:「おい、アーク、あやつ知り合いか?」カシウスに話しかけます

カシウス:「いや、クキバミどうしたんだよ、俺じゃないだろ」

コーラル:「……」残念なものを見る目

 

指揮官:「ならよかった」騎士は兜を取り外し、脇に抱えます

シェイン:「じゃあ、レイラもいるんだろ? 僕が信用に足る人だって言ってくれないかな?」

レイラ:「お、おにい……ちゃん……」動揺

コーラル:「へー、こいつレイラの兄ちゃんなのか、結構なイケメンじゃねぇか」

シェイン:「はじめに見つけたのが僕でよかったよ。シェイン・フェルンホルムだ。武器は納めてくれないか?」

コーラル:アタイはおさめるな

カシウス:俺はもともと出してないぜ

クキバミ:銃をその場に落とそう。元より飾りよ

 

シェイン:「助かった。ありがとう」言うと、後方に回り込んでいた部下に何か合図を送ります

シェイン:「彼から聞いたかもしれないけど、スレイン公からの命令でね。君たちに北レシトリア国内での自由を保障するそうだ」

クキバミ:真偽判定は可能か?

GM:それで信用してもらえるならどうぞ

 

真偽判定 目標値7

クキバミ・アークのみ挑戦し成功
→真実を語っている

 

コーラル:「ひゅーっ♪ 男前なうえに気前もいいのか」

クキバミ:「そのことを伝えるにしては、落ち度が多すぎる。こやつは我らを明らかに敵とみなしておった」斥候のこと

シェイン:「ダインハイトが陥落してから、蛮族が南東からも侵入するようになって、兵たちにも被害がでていて気が立っているんだ。君たちも気をつけて。それに……」縛られた斥候のもとに歩み寄りながら

クキバミ:ひとつ壁が落ちると影響は広く出てしまうな

アーク:でも盗賊呼ばわりって

シェイン:「公爵の指示とはいえ、君たちが本当のところ何をした人たちで、なぜこの国では許されるか、誰も知らないんだ。知っているのは、帝国領内では反逆罪で追われている冒険者ということだけさ。彼が怯えるのも無理はない……」

 

クキバミ:我らも怯えて生きておるのだ

アーク:でなきゃこんなところ通ってないし、こんなことしなかった

 

シェイン:「だからこの怪我は罪に問わないし、こちらも非礼は詫びない。仕方のないことさ」ロープをほどき終えて

シェイン:「よし、大丈夫だ。救出遅れて済まなかった」

GM:たしか斥候の近くにレイラいましたよね?

レイラ:はい。もう茫然自失状態です

 

シェイン:立ち上って息をひつとつつくと、レイラに向き直ります

シェイン:「おかえり、レイラ」とだけ声をかけて微笑みます

レイラ:「……」シェインにしがみついて声を殺して泣きます

レイラ:「ごめん……ごめんなさい……ごめんなさい…………」

シェイン:少し困った表情をしますが、軽く頭を撫でます「よく頑張ったよ」

 

 

次回へつづく