【ソード・ワールド2.0リプレイ】フリップ!フロップ!【英雄志望と二つの剣2nd season 5-11】
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前回のあらすじ
地下水路に隠された秘密の通路を開くために、水門のスイッチを操作することになった冒険者たち。クキバミの慧眼によって操作の手順は明らかになった。一つ目の操作を終えた冒険者たちは、賑やかに談笑しながら次のスイッチ操作に向かっていた。
GM:さて、では、賑やかに話すみんなのあとを、ちょっと物思いにふけったアークが追いかけていく、そんなところで、再び南のスイッチを動かしましょう
コーラル:じゃ、せっかく先頭だしアタイが押そうかな
GM:こちらのスイッチはMPの消費が必要ありません
コーラル:よっしゃー じゃあダーーッシュしてポチッ!
GM:え? ダッシュしてポチッ?
コーラル:……足が遅いやつ巻き込まないよな?
GM:コーラルが恐る恐る振り返ると、まだ水路への階段を降りたばかりの仲間も目に入ります
コーラル:てへぺろ☆
GM:みなさんの右手の奥の方で ゴゴゴ と音がし、先ほどと同じように勢いよく水が流れ出してきます
レイラ:「……? ……!! みなさん急いで!」
クキバミ:「なにやってんじゃお主ーーーっ!!」
コーラル:まぁ、クキバミはアタイを追っかけてたしなんとかなるだろう
カシウス:他がなんとかならないんだよ!
GM:では、コーラル以外のみなさんは軽業判定8かな、レンジャーも認めます。湿った通路なので、失敗したら転倒しますので成功した人でなんとかしてください
コーラル:すまねぇっ!!
クキバミ:2d6+3 → (5,4)+3 → 12 成功
カシウス:2d6+8 → (2,1)+8 → 11 成功
レイラ:2d6 → (3,1) → 4 失敗
アーク:2d6 → (5,3) → 8 成功
カシウス:「水だぁっ! なんだこの水!」大慌て
コーラル:レイラーーっ!
レイラ:みなさんに声かけた後、急いで階段を走りますが、水路のそこのところでつまずいてビターン!
レイラ:「いたた……」
GM:転んだレイラの目前に、水が迫ります!
アーク:一番後ろにいるからね! 僕が助けるよ! 捕まって!
クキバミ:ワイヤーアンカーを伸ばすぞ! 捕まれアーク!
GM:では、迫り来る水の前で、レイラの体がぐいと持ち上げられます。そしてアークは水流を紙一重で飛び越えながら、高らかに跳躍……
GM:できたかどうか、判定で決めましょう。高飛び判定でアークは金属鎧のペナルティがあり、助走しているので相殺して……
アーク:金属鎧? それならいま加工中だよ!
GM:な、なんだって!?
アーク:加工に預けててよかった!
GM:では、目標値10で助走ボーナス+2ですね
アーク:そのくらいなら任せて!
アーク:高飛び判定 2d6+12 → (2,6)+12 → 20 成功
カシウス:なんだこいつの固定値
コーラル:身体能力が人間離れしてやがる
アーク:「レイラッ!」叫びながらまずはキャッチして跳び上がれた。あとはワイヤーさえ来れば
クキバミ:任せておけ!
カシウス:カカンッ
クキバミ:行使判定 2d6 → (4,5) → 9 成功
クキバミ:「つかまれアーク!」
コーラル:アタイがクキバミをホールド!
アーク:「うん!」がしっ
GM:レイラをとっさに抱え上げて、アークは軽々と跳躍します。達成値的に言って足元を流れ行く水よりもはるかに高くに跳び上がり、そこにクキバミが放ったワイアーアンカーが的確にとんできます
クキバミ:巻き取り!
GM:クキバミとコーラルの二人は力づくでレイラとアークを通路に引き寄せます
カシウス:「レイラ!? よかった……」がくがくぷるぷる
アーク:男の子だろ!
カシウス:コワイ モノハ コワイ
GM:アークが見事にだんっと着地して、腰に手を回されて抱えられていたレイラはその場にそっと降ろされます
アーク:「ハァハァ……大丈夫?」レイラに
レイラ:「はぁ……はぁ……助かり、(アークの顔を見て)……ました」声が小さくなります
アーク:「うん、よかった! うさ……クキバミもありがとう!」
クキバミ:コーラルを正座させて説教しとるぞ
コーラル:「しーましぇん……」反省だけならコーラルもできる
クキバミ:「馬鹿! もう! 阿呆!」なお語彙崩壊
クキバミ:「アークも無茶にやるんじゃない! ワイヤーが届かなんだらどうするつもりだったんじゃ!」ぷんぷん
アーク:「……あ、たいまつ落としちゃった」
クキバミ:「松明は後でいい!」
アーク:「濡れちゃったからつけるのに時間かかるな……ちょっとまってね」
コーラル:「やー、レイラ、すまんかったなー。まさかあんなにタイミング悪く水が来るとは……って、どした?」
レイラ:「……いえ、なんでもありません」拳をかたく握りつつ
コーラル:「???」
レイラ:(なんで私が、アークさんなんかに助けられなくちゃいけないんだ……)
コーラル:「しかし、アークもすごかったな! あんだけの動きができんなら、船の上でもやってけるな!」アークの肩をパンパンと叩きながら感謝
カシウス:「ああ、あの動きはすごかったな」松明つけるの手伝うぞ
アーク:「そうかな? でも僕は冒険者だから」
コーラル:「そっか。そういや、アークってなんで冒険者やってんだ?」
アーク:「え? なんでって……」
コーラル:「?」首かしげ
アーク:何気ない一言なんだろうけど、今のアークではだいぶ悩むなぁ
アーク:そうだ、カシウスが手伝いに来てくれてるんだったね
カシウス:ん? そうだけど?
アーク:じゃ、ちょっとだけカシウスを見よ
カシウス:ん?
コーラル:「冒険者ってのは目的があっから冒険してんだろ? あれ? アタイ変なこと聞いたか?」
アーク:「ううん。僕は……僕はロマンを追い求めていたんだ……だと思う」少し考える
コーラル:「おぉ、いいじゃねーかロマン! うん、そりゃーわかる。海にもロマンがあってなー」ぺちゃくちゃ喋るけどアークはもう聞いてなさそうだな
アーク:「……今は、なんだろうね」
カシウス:「……」いつものアークが少しだけ見られた気がして、少し安心しつつ
カシウス:「アーク、お前と出会ったのは結構前のようで最近のことだけど……俺はお前と冒険してるとき、ロマンを追い求めてる姿、好きだったぜ」
アーク:「……うん」
カシウス:「無理にロマンを追い求めろとは言わないが、俺はお前には自由に生きて欲しいと思ってるよ」
アーク:「…………うん」
クキバミ:我はレイラを拭きにいってあげようかな
レイラ:じゃあクキバミさんには「大丈夫です、少し濡れただけですから」と邪険にして
クキバミ:「そうか?」
レイラ:「クキバミさん……ロマンってなんですか?」
クキバミ:「さあな、それは追い求める者しか答えを知らぬものよ」断られても無理やり拭いて、そそくさ離れます
アーク:「あっ、松明ついたよ。ありがと、カシウス」
カシウス:「いや、なんてことはしてないさ」
GM:壁は明るく照らされ、アークとカシウスの顔も光に照らされますが、
GM:その光の隅の方で、冷たく濡れた体を拭くレイラの瞳は、ただ暗く続く地下水路を見ているのでありました。