【ソード・ワールド2.0リプレイ】動き始めた歯車【英雄志望と二つの剣2nd season 2-6】
<前回 |第1シーズン|2nd−1|カシウス過去編|2nd−2|
前回のあらすじ
コリンズ邸で上がった悲鳴はコリンズ侯爵のものだった。駆けつけたクキバミは怪しげなローブの暗殺者の姿を目撃する。まるでその場から消えてしまったかのように鮮やかに逃げ出した暗殺者は、黒い羽を一枚残していく。その証拠を持ち込み生き延びたコリンズ侯爵に示すと、侯爵は皇帝派の陰謀だと言って聞かないクズ野郎だった。
※このパートと次のパートでは、トラブルによりログが消失していたため、メンバーの記憶をもとに再構成しています。
GM:と、一方その頃、アークたちもコリンズ邸に到着します。何やら中が騒がしいのですが、門衛として見るからに腕の立たなそうな人物が装備だけは一丁前のものを整えて立っています
レイラ:「失礼します。騎士団からの依頼で、コリンズ侯爵の警護を依頼されたのですが、コリンズ侯爵と面会をお願いできますか?」
門衛:「なっ、よもや正面から堂々と! こ、コリンズ様に何の用だ!」
レイラ:「いや、ですから、警護するように言われたんです。話は通っていませんか?」
門衛:「……はっ! たしかそのように申す者が現れたら追い払えとおっしゃっていた!」
カシウス:「ダメそうだな」
レイラ:「落ち着いてください。ひとまず中にもう一度伺いを立てて置いていただけませんか? 私たちも仕事で来ているんです」
門衛:「あ、怪しい動きをするなよ!」
GM:そう言ってみなさんの動きを精一杯下手なりに警戒しながら、中で何やら騒がしい自警団に声をかけて、取次をしてもらうようです
カシウス:「なんか騒がしいな。何かあったのか?」
門衛:「先ほど何者かの襲撃があったんだ。今は非常警備体制で、素性のわからない者を中に入れるわけにはいかない」
レイラ:「襲撃!? コリンズ侯爵は無事なんですか?」
門衛:「無事だ。我々自警団がいる限り、侯爵の無事は保障されている」
レイラ:「しかし、そういう事態だからこそ、私たちも警備に協力をするようにと……」
門衛:「コリンズ様がなんとおっしゃられるか次第だ。信頼できるものしか周りに起きたくはないだろうからな……」
コーラル:目を盗んで中に入れねーか?
アーク:あ、僕も入りたい
レイラ:あなたたちって人は……
GM:いいですよ、こいつらもド素人ですし、面白そうですから
アーク:わーい
コーラル:つまみ食いだー 身分の高いやつの飯は美味いぞー
GM:というわけで、今度は中でコリンズさんと話していたクキバミさんのターンです。
GM:先ほどのような話をしていると、扉がノックされ、次のような知らせが舞い込みます
自警団:「コリンズ様、騎士団、おそらくは開拓事業団からの指示で警備に来たという冒険者たちが挨拶を求めていますが……」
コリンズ:「ふん! そいつらは私を暗殺せんと目論む第二の刺客に違いない。警備に助力は不要と言って送り返してしまえ!」
レイチェル:「……」何か考えている様子
クキバミ:「どうかしたのか?」
レイチェル:「ううん、ちょっと考えがあってね。くっきーも一緒に来て」
クキバミ:「構わぬが、コリンズ殿はよいのか?」
レイチェル:「そうねぇ……」少し考えると、苛立っているコリンズの方に向き直り
レイチェル:「コリンズさん、私たちもしばらくこのお屋敷に滞在する身ですから、こういう襲撃がある状態だと、クキバミだけにずっと守ってもらうのも難しいと思うんです」
コリンズ:「ご安心ください、私の自警団員たちが必ずや……」
レイチェル:「いえ、父上から自分の身を守るときは自分で見極めた人を置くように言われていますので……行こ、くっきー」
GM:というわけで、コーラルとアークが中に入って調理室に向かったのと入れ違いで、レイチェルたちが出てくることにしましょう。その前にレイラたちは改めてコリンズ侯爵が挨拶を拒否した旨聞くことになります
カシウス:「あいつも言ってたけど、ほんとに仲悪いみたいだな」
レイラ:「人族同士で争っている場合じゃないのに……何を考えてるんですかね」
カシウス:「まったくだな……なぁ、それと、レイラ。なんか俺たち、人数が減った気がしないか?」
レイラ:「え? コーラルさんが入って増えたんじゃ……って、あの二人、どこに行ったんですか?」
GM:と二人が話していると、中から先ほどあった美女とタビットが姿を現します
カシウス:「あれ? レイチェル、ここにいたのか?」
レイチェル:「やっぱりカシウスたちだった。さっきはごめんね、カシウス。ちょっと事情があって」
クキバミ:「お主たちは今し方フロンタ殿のもとにおった冒険者だな」
レイラ:「カシウスさん、やっぱり知り合いだったんですね……先ほどはどうも、公国騎士団のレイラ・フェルンホルムです」
レイチェル:「どうも。改めて、帝国商会のレイチェル・ブラックバーンよ」
クキバミ:「先ほどは名乗らなかったな。レイチェルに雇われておるクキバミと申す」
カシウス:「なぁ、それはそうと中に俺たちの仲間が……」
レイチェル:「それで、フロンタさんの依頼で来たんでしょ? クキバミ、ちょっとさっきのやつ、この人たちにも見せてあげたら?」
クキバミ:「ん? よいのか?」黒い羽を取り出して「犯人が残していったものでな。蛮族の仕業に違いない」
GM:というわけで、クキバミを含めてもう一度魔物知識判定してみてください
魔物知識判定 → クキバミのみ成功
GM:では、クキバミは守りの剣を無視して街中に侵入する力を持った、レイヴンという蛮族を思い出します。ちょうど黒い羽を持った種族です
レイラ:「黒い羽、ですか」
クキバミ:「……思い出した、レイヴンという黒い翼を持った蛮族がおる。これは其奴の仕業に違いない」
カシウス:「守りの剣の中にも入ってくるのか?」
クキバミ:「レイヴンの持つ力でな。蛮族の中でも暗殺者として知られておる」
レイチェル:「そ・れ・で、なんだけど。コリンズさんはあの調子じゃたぶんあなたたちを中に入れることはしないと思うのよね。だから、ここの自警団にできない方法で、警備に協力するっていうのはどうかしら?」
カシウス:「つまりどういうことだ?」
レイチェル:「館を守るのは自警団にもできるけど……まぁ、それが十分とも言わないけど……でも外に逃げて行った暗殺者を追って、仕留められるのはあなたたち腕の立つ冒険者だけでしょ?」
レイラ:「しかしそれでは騎士団との契約が……」
レイチェル:「大丈夫よ、どうせ一度襲撃に失敗したら、2、3日は警備が強くなるって向こうもわかるんだし、逆に今のうちなら相手はアジトに隠れっぱなし。そうだよね、カシウス?」
カシウス:「ああ、たしかにそうかもな」
レイチェル:「というわけで、くっきーもそれを手伝ってくれない? コリンズさんの相手は私がしとくからさ」
クキバミ:「よいのか? もし何かあったときには守れぬぞ」
レイチェル:「んー
GM:とレイチェルが言いかけたところで、中から怒号が聞こえてきます
コリンズ:「出て行け! これだから冒険者は品性下劣でかなわん! 貴様らなどに踏み荒らされてよい家ではない! 出て行け!」
レイチェル:「……カシウス、他に誰かいたの?」
カシウス:「あー、うん、2人ほどな」
レイラ:「はぁ……」