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地震の種類と発生メカニズム

熊本地震の被災者の皆様の一刻も早い生活の復旧を祈りつつ、この機会に地震について整理しておきます。

 

東日本大震災以降、原発との関連で急激に国民の地震知識レベルは向上しました。これまでの地震報道で「活断層がここを走っていて…」などという解説が挟まれる事はありませんでしたし、前震とか本震という言葉がこんなに普通に利用されることもありませんでした。

その意味では、今や日本は地震大国の名に恥じぬ、地震教育の優等生と考えることができそうです。

 

さて、今日整理するのは、その地震が起こるメカニズムには大きく2種類が存在するということが中心になります。

 

有名な地震は「プレート境界地震」です。

沈み込んでいくプレートが、それにかぶさっているプレートを少しずつ巻き込むため、歪みが溜まっていきます。この歪みが限界に達し、元の位置にぐぐっとずれて戻るときに発生するのが「プレート境界地震」です。東北地方太平洋沖地震におけるあの爆発的な地震がこれにあたります。

東北地方太平洋沖地震

2011年3月11日14時46分(日本時間)に発生。

最高震度は宮城県栗原市で震度7に到達し、東日本のほぼ全域にわたって震度5以上を観測。日本における観測史上最大規模の地震だった。マグニチュードの確定値は9.0で、世界的に見ても観測史上6位の大規模地震であった。

なお震源の深さは24kmで、日本海溝の底で発生したプレート境界地震だと考えられている。 

プレート境界地震は、そのメカニズム上、震源の深さは中程度に深くなります。

 

え? 海溝の底、プレートの接着面で起こるんだから、中程度なんて言うな?

 

それがもっと深いところで起こる地震があるのです。

それが「海溝型地震」です。これは海側のプレートの中で岩石が炸裂したり、断層が発生したりした結果として生じる地震の総称です。プレート境界地震も「海溝型地震」の一種です。

 

なぜ海溝型地震の震度が深いのか?

その理由は簡単で、沈み込んだあとのプレートに断層が生じた場合、プレート境界よりもはるかに深い位置で地震が発生するからです(これを特にスラブ内地震、通称・深発地震と呼びます)。

釧路沖地震

1993年1月15日20時6分に発生した海溝型地震。

マグニチュードは7.5。 最高震度は釧路市で、当時の基準で震度6を記録した。震源の深さが101kmと異例の深さを誇っており、深く沈み込んだ海洋プレート内で発生した深発地震と考えられている。

 

なお、同じ海溝型地震でも、プレート境界地震より浅い地震も存在します。

逆に沈み込む前の海洋プレート内で地震が発生した場合、その震源は大陸プレート側で発生した地震と同じ程度の深さになります。この地震はアウターライズ地震と呼ばれていて、プレート境界地震の余震として発生することがあります。

 

ここまで、海溝型地震の分類を再掲します。

【海溝型地震】

  • アウターライズ地震:プレートが沈み込む前の場所で発生。震源は浅い。
  • プレート境界地震:プレートが沈み込む境界面で発生。震源は中程度に深い。
  • スラブ内地震(深発地震):プレートが沈み込んだ先で発生。震源は最も深い。

それぞれの発生メカニズムによって、想定される被害が異なるのも重要です。十分に習熟すれば、初期微動の長さで震源の距離を推測し、仮説を立てて津波被害想定さえできるようになるかもしれません。

 

 

さて、一方の大陸プレート側の地震ですが、一般に内陸地殻内地震と呼ばれます。

海洋プレートに常日頃押されている大陸プレートは、その内部に細々とした亀裂が生じています。これが「断層」です。地震は断層において発生します。全ての内陸地震は断層で発生すると考えて問題ありません。

内陸地殻内地震の震源は非常に浅いのが特徴です。地表面地殻で発生するため、初期微動の時間がほとんどなく、突然大きな揺れに襲われることになります。今回の熊本地震もこのタイプの地震(震源の深さは10km)であり、なんの予兆もなしに突き上げるような大きな揺れに襲われた感覚を覚えたはずです。同種の地震として、兵庫県南部地震を挙げることができます。

兵庫県南部地震

1995年1月17日5時46分に発生した地震。

マグニチュードは7.3。神戸市など複数の都市で最大の震度7を記録した。震源の深さは16km。内陸で突如発生したこの地震は大規模な都市災害を引き起こし、その災害は『阪神・淡路大震災』と呼称された。

 

これ以外にも内陸で発生する地震としては、火山性地震があります。

とはいえ火山性地震は特殊な地震で、様々な波形パターンを保つため、ここでは解説を割愛しておきます。

 

以上で地震の大きな分類を網羅することができました。

また機会があれば、それぞれの波形パターンやキラーパルスとの関連などを整理して勉強してみようと思います。