【サプリメント紹介】バルバロステイルズ【ソード・ワールド2.0】
ゲームマスターにとって、シナリオのライティングに一番必要なのは「敵」のデータです。『バルバロステイルズ』は、誰よりもGMにとって、大きな助けになるサプリメントです。
『バルバロステイルズ』の導入は、あなたの卓に以下の追加要素をもたらします。
①モンスターデータの総覧が手に入ります
②蛮族PCの作成が可能になります
③シチュエーションバトルのルールが提案されています
ルールブック3冊とサプリメントに分散していた敵のデータが一冊にまとまることで、シナリオライティング中の参照がはかどること間違いなしです。なんと私の数えたところによると95のモンスターデータが新規に掲載されています。そのほか、『バルバロステイルズ』以前に販売された、『ミストキャッスル』『フェアリーガーデン』に掲載されていたモンスター、その他リプレイやウェブ、雑誌で紹介されていたモンスターも同時に掲載されています。
それでは、いつも通り、追加要素をひとつひとつ紹介していきましょう。
1.モンスターデータの総覧が手に入ります
このサプリメントを購入する最大の意義は、ここにあります。シナリオを次々に作っていると、GMはすぐに気がつくはずです。
「これではモンスターが足りない」と。
慌てて後続のルールブックⅡやⅢを見て、ヒポポタマスなんかをボスにできないか考えてみるのですが、どう考えても演出上無理があります。だってカバですよ?カバ!
そんなときに、この『バルバロステイルズ』の購入を検討する必要があります。ルールブックには記載されていなかったモンスターが100以上追加されるので、当面のシナリオネタには困らなくなります。
また、モンスターの分類別に、レベル順で整理されているため、「魅力的な低レベルの敵がいたのに、ルールブックⅢに書かれていたために、見逃して使わずじまいになってしまった」なんて心配もありません。あらゆる意味で、GMを補助する強力なサプリに仕上がっています。
2.蛮族PCの作成が可能になります
追加要素の中でも異彩を放つのが、「蛮族PCの追加」です。 これまでプレイ可能だった種族は、すべて人族でしたが、『バルバロステイルズ』は蛮族でのプレイを実現してくれます。蛮族といっても、人族に味方した蛮族ですので、人族と戦う訳ではない点に注意してください。
追加される種族は、ドレイク、ダークトロール、ラミア、ライカンスロープ、コボルドの5種類です。基礎ステータスが極めて高く、近接戦闘から魔法攻撃まで、柔軟に使いこなせるドレイク。近接戦闘に特化した重戦士であるダークトロール。魔法使いとして高い適性を誇るラミア。強力な身体能力を有する肉体派アタッカーのライカンスロープ。そして癒し担当のお料理種族コボルド。
魅力的な蛮族キャラクターですが、プレイ時には、その素性がばれないように振舞う必要があることに注意しましょう。特にドレイクやラミア、ライカンスロープの場合、蛮族としての姿を人目にさらしてしまうと、すぐに攻撃対象と認定されてしまいます。そうなれば、あなたの周りの頼りになる冒険者たちが敵になるかもしれないのです。
それゆえ、蛮族でのプレイは、自分のPCに新しい行動制限を課すことにつながり、これまでになかったロールプレイの必要を生じさせることでしょう。蛮族PCの楽しみ方は、すべてあなた次第です。
3.シチュエーションバトルのルールが追加
シュチュエーションバトルとは、極めて具体的なマップの上で、敵の全撃破かそれ以外の目的をもって戦闘するルールです。
たとえば、渡河をしたいけれど、川の中に敵がいる、というような戦闘を想像してみてください。川の中ほどに中州があり、川の流れは穏やかですが、水の深いポイントがあることが事前の調査で分かっています。敵の数は4体。中州に2体と、川の中に2体います…。これまでの通常戦闘ルールでは、こうした具体的な状況を突破する戦闘を行うことができませんでした。
今回追加されたシチュエーションバトルは、このような具体的状況下での戦闘を、いっそうリアルに楽しむためのルールです。
また、シチュエーションバトルは、配置される敵のレベルを変更しつつ、それ単独で遊ぶことも可能です。その際、GMがいなくとも、ダイスを使って敵の行動を決定する方法も提案されています。まだ戦闘時の判定操作に慣れなかったり、とにかくいろんな状況で戦闘してみたかったりするプレイヤーの皆さんは、GMがいないときでも、様々な難易度の「課題克服型戦闘」を楽しむことが可能です。
なお、『バルバロステイルズ』には、サンプルとして6つのシチュエーション戦闘が掲載されています。このルールを導入すれば、戦闘のバリエーションが増え、セッションはより楽しく、戦略的なものに変化すること間違いなしです。
『バルバロステイルズ』で追加された要素は以上です。他にも、蛮族についての博物誌なども掲載されており、『ソード・ワールド』の世界観も味わえる一作になっております。 皆さんの卓でも是非導入してみてください。