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【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】忘却の結末【part.14】

【前回のあらすじ】

夢の八宮神社には、上毛野利孝と名乗る、三つ目の男が住んでいた。彼は夢の大間々について、多くを知っているようだが、そう協力的というわけでもなさそうだ。交渉に失敗した伏原は、多くの情報を得ることなく目覚めることになる。

そこに、滝原からの興奮気味のメールが寄せられていた。曰く、木ノ宮神社に向かう、と。滝原を追って向かった木ノ宮神社には、しかし、滝原の姿はなく、代わりに、口の開きが入れ替わった、奇妙な蛇の像があるだけだった…。

ここから、物語は急速に終結へ向かっていく…!

 

 

 

木ノ宮神社の秘密

ハルカ「変なのー。」

KP「と、言いながら、ハルカが蛇の口を触りますね。」

伏原「はい。」

KP「すると、あなたは急に強烈なめまいを感じます。内臓を突き上げられるような感覚を一瞬受けて、正気度を1、MPを2消費してください。」

伏原「うっ…。」

KP「めまいが収まったところであたりを見ると、太陽がないにもかかわらず、あたりは真っ赤に染め上げられ、風ひとつ吹かない、妙な状況に陥っています。さらに、あたりにあったはずの放置された人家の姿も見えません。」

伏原「夢の…大間々…。」

ハルカ「うえぇぇ、気持ち悪いー。」

伏原「ハルカちゃん!ここ、夢の大間々だよね?」

ハルカ「ん…ほんとだ!…あれ?わたし、ここ、来たことあるよ。」

伏原「生まれ変わった時?」

ハルカ「そのときもだけど、そのあと、もう一回来た気がする。」

伏原「その時何かあったの?」

ハルカ「リスみたいなちっこいのと遊んでたら、狐のおばちゃんに会った。」

伏原「…は?」

ハルカ「えーっとねぇ…(ダイス)…あれ!」

KP「そこには、オコジョがこちらを見ていますね。」

伏原「オコジョ…絶滅危惧種のはずじゃ…!」

KP「オコジョはあなたと目があうと、一度走り寄ってきて、あなたたちを見比べるように覗いたあと、身を翻して山の方に少し進んで、また振り返ってあなたたちを見つめますね。」

伏原「ついてこい、ってやつですね。」

ハルカ「このーっ、待てー!」

KP「考える間も無く、ハルカちゃんはオコジョを捕まえようと追っていきますね。」

伏原「前もこうやって追って行ったんだろうな…。わたしも追ってみましょう。」

 

 

戯れる二人

伏原「…いや、ここはオコジョを捕まえましょう。ハルカちゃん!ただ追いかけても勝てないよ。お兄ちゃんが先に回り込むから、そこに追い込んで!」

KP「なにやってるんだか(苦笑)では、敏捷で対抗しましょう。滝原さんのDEXは6なので、成功率は20%ですね。」

DEX対抗ロール → 成功

KP「では、ハルカちゃんと二人で見事追い込みに成功しますが、そのとき、あたりから3匹ほどのオコジョが顔を出してあなたたちを見つめていることに気づきます。」

伏原「あ、ついていく路線に代わりはないので、捕まえたオコジョをハルカちゃんに渡してあげます。」

KP「オコジョは暴れることも無く、ハルカちゃんに抱きかかえられて、静かにしていますね。」

伏原「賢いオコジョでよかった。」

ハルカ「リスさんかわいい!」

伏原「ハルカちゃん、それ、リスじゃない、オコジョ。見た目全然違うでしょ?」

ハルカ「オコジョかわいい!」

KP「オコジョたちの案内に従って歩いていると、これまで経験しなかった現象に見舞われます。いつだって赤く染まっていた夢の大間々が、次第に暗くなっていき、やがて空には真っ赤に染まった月と、無数の星々が輝き、心なしか空気も肌寒くなってきます。」

伏原「この先に、何かいるんですね…。」

 

 

人か、狐か

KP「あなたがそれを覚悟したとき、周りを走っていたオコジョたちが一斉に茂みの中に姿を隠します。あなたがオコジョがいた場所から目線を上げると、大きな太い木の幹に、一匹の狐のような生物が、赤い月を背にして座っています。あまりに赤い月が、その狐のシルエットを際立たせていて、詳しい姿は見えません。」

伏原「狐…?」

KP「あなたがその狐の姿を確認したとき、それは急に立ち上がります。しかも、二本足でぬっと立ち上がり、尻尾と耳のある人間の姿へと変貌します。相変わらず、影しか見えませんが。この変貌を見届けたところで、SANチェックをお願いします。」

SANチェック → 成功 減少なし

KP「驚いたあなたの頭の中に、女性の声が響きます。」

狐?「貴様の望むものは何か?なにを為さんとしているのか?」

伏原「ただ目の前にいる女の子を救いたいだけだ!」

狐?「はっはっはっはっはっは!いいだろう!やれるだけのことをやって見せてくれ。わたしは期待しているよ。」

伏原「あなたは何者ですか!?人でもない!鬼でもない!一体何者なんですか!?」

狐?「ふふっ。あの大いなるシュブ=ニグラスを止めるというなら、それも見ものかもねぇ。なんなら、わたしが彼女の元に連れて行ってあげようか?あるいは、彼女を連れてきても構わないんだけど…。まあいい。せいぜいわたしを楽しませておくれ。」

KP「その声が響くと、これまで人間の形をしていた影がゆらりと揺らぎ、その頭があったはずの場所から一つの巨大な触手の影がぬっと姿を現します。」

伏原「げっ!もしかしなくても!」

〈クトゥルフ神話技能〉ロール → 成功

KP「あなたは直感するでしょう。目の前にいるのが、外なる神のメッセンジャー、大いなる存在たちの顔にして、無貌の存在、忌々しき邪神ニャルラトホテプに他ならない、と。SANチェックをお願いします。」

SANチェック → 失敗 減少値4

伏原「ダイス運が来た!」

KP「と、その揺らぐような変貌を見届けたそのとき、あなたの意識はどこか遠くに飛ばされます。」

 

 

無貌の神からの贈り物

KP「あなたが目を開くと、あなたはホテルのベッドで、目を覚まします。」

伏原「なんだ…夢か?」

KP「あなたがあたりを見ると、ハルカちゃんの姿がありません。そして、枕元には、一冊の本が置かれています。」

伏原「ん…?これは…。」

KP「『虞羅鬼 陸』と書かれた古書、写本のようですね。」

伏原「グラーキ…6章、ですか。」

KP「読みますか?御察しの通り、魔道書ですから、読むのには相応の時間が必要になりますよ。」

伏原「なんか、これって、読んでいいのかな…。」

KP「あれ?どうしました?」

伏原「いや、これ、わたしの知る限り、シナリオ内の狂信者が経験する流れなんですよ。ニャル様に会って、魔法の道具や魔道書を渡されて、いつの間にかそれに魅入られて…。」

KP「どうするかは、あなたの自由ですよ?」

伏原「いや、読むっきゃないですよ。他に何ができるっていうんですか。ハルカちゃんがいなくなってしまった以上、これを読んで、彼女を助ける方法を見つけないと。」

KP「では、7時間を消費して、あなたはこの魔道書を読むことになります。」

SANチェック → 失敗 減少値3

KP「さらに、クトゥルフ神話技能とオカルトに+2%ずつしてください。」

伏原「さあ、何が書いてある!」

KP「あなたは、次の情報を理解します。」

 

グラーキの黙示録 第6巻

豊穣の女神シュブ=ニグラス、またの名をムーンレンズの守護者。黒い雲塊から、蹄のついた脚を下ろし、世界に多産と豊穣をもたらす黒き山羊神。

彼女は遥か宇宙の彼方より到来し、ムーンレンズの下で時の到来を待っている。一人の生贄と人々の呼びかけが、彼女の目覚めには必要だ。満月の光がムーン・レンズを通して差し込む時、彼女は岩の扉を押し開けて、姿を現すことだろう。

 

伏原「…シュブ=ニグラス。たしかに、ニャル様もそう言ってましたね。でも…これって…。」

KP「はい、この魔道書に収録されているのは、〈シュブ=ニグラスの招来/退散〉の呪文だけです。研究には一ヶ月が必要ですが。」

伏原「あれ…?やっぱり、狂信者かな?」

KP「と、そこに、突如電話が鳴ります。」

伏原「相手は?」

KP「滝原さんですね。」

伏原「もしもし?」

滝原「伏原さん!見つけましたよ!夢の世界に行く方法!」

伏原「木ノ宮神社ですね?」

滝原「はい、そうです!知っていたんですか?」

伏原「いえ、わたしも今日知りました。」

滝原「でも、これで用意が整いました。今すぐ行きましょう。夢の大間々へ。行って、あのシュブ=ニグラスを叩きのめすんです。」

伏原「キーパー、車は、ホテルに帰ってきていますか?」

KP「はい、どういうわけか、車もホテルにありますよ。」

伏原「魔道書のこと、ハルカがいなくなったことを滝原さんに伝えながら、木ノ宮神社に向かいます。」

KP「わかりました。では、木ノ宮神社で滝原さんと合流するところから、シーンを始めましょう。」

 

 

Part.15へつづく

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