TRPGをやりたい!

電源・非電源ゲーム全般の紹介・考察ブログ

リプレイ動画アップロード報告とリプレイの動画化にあたっての苦労

約束の26日になったので、完成していた動画Part.1を投稿しました。

その動画がこちらになります。

 

 

リプレイを、テキストではなく動画としてアップロードするにあたって、実にいろいろなことに悩まされ苦労させられました。

今日はテキストベースのリプレイと動画ベースのリプレイの違いに焦点を当てて、注意点を整理していこうと思います。

 

1.テキストリプレイは、動画リプレイの脚本にはならない

はじめテキストリプレイをそのまま動画に落とし込んだものを作りました。

動画を編集して、音声をつけて、音楽をつけて…そして再生してみたんです。

 

…もうね、こう、なんというか……

 

冗長。

 

テキストでのリプレイを書いた段階で、かなりの数の無駄なやりとりを省略し、エッセンスだけを残しておいたつもりだったのですが…。

どういうわけか動画にすると要らないシーンばかりなんです。

 

たとえば一番はじめの車の中のシーン。

あれをオープニング前に入れようと思ってましたけど、これ、全然いりませんよね? 主人公が芸能人で研究室に取材に向かっている、ということを伝えるためには、「撮影の用意できましたので、お願いします。」だけで十分じゃないですか。

もちろんプレイヤーに伝えるためには、車の中のシーンは必須です。しかし動画を見る人にとっては、一度撮影手順を説明されてその通りのことが発生するAパートなんて、とても我慢ならないでしょう。

 

というわけで、ブログまで来てテキストリプレイを見ていただけいた方だけが理解すればいい情報については、全部カットしてしまいました。

 

これはつまり、プレイのアシストというか、ハウツーとしてのリプレイという側面を全面的に切り捨てている、ということです。

 

これによって脚本は全面的に変更せざるを得なくなりました。プレイの展開を変えないように、またプレイヤーが獲得する情報の本質が変化しないように、慎重に言葉を組み替え、情報密度の高い動画に組み替える作業が始まりました。

 

 

2.「見せられている」強制感

この違いは媒体の性質の違いに依存していると私は考えました。

 

つまり、テキストならば読者の判断で気楽に読み飛ばしたり流し読みしたり、自在に加減速を挟むことができます。

 

しかし動画では音声の読み上げと文字の表示時間の都合上、自分の速度で楽しむことができません。

 

この性質によって、「見させられている」という“強制感”の生じる危険性が、動画という媒体につきまとうのです。

 

「見せられている」強制感の例を示してみましょう。

1:ギャグがスベっている。

2:文字送り速度がやたらと遅い

3:冗長。同じことを何度も言う。

 

こうした要素が動画の「見せられている感」を演出します。

 

テキストならば自分のペースで読むことで、簡単に回避できる「見せられている感」が、動画媒体では中心的な課題にまで高められてしまうのです。

 

 

3.リプレイ動画はハウツーには向かない

そんなこんなで理解したのは、動画はプレイのハウツーというよりもやっぱりエンターテインメントという側面が強い、ということです。

 

もしも自由にシークバーを操作することができて、それがシーン単位で区切られていたりしたら、動画を使ったハウツー要素を含んだリプレイというのも実現できるでしょう。

なぜならハウツー要素を求めない視聴者にとって、ハウツー要素を解説する時間は無駄以外の何物でもないからです。そんな時間が続けば、視聴者ニーズからの乖離によって、ブラウザバックの憂き目に遭ってしまいます。

これを回避するためには、シーン単位でシークを可能にするシステムが必要となります。それはちょうど、リプレイ本の中で解説パートが飾り枠で囲まれているのと同じ役割を果たしてくれるでしょう。

 

その意味では、動画でTRPGハウツーをやりたいなら、はっきりと動画の末尾に解説パートをつける必要があるのかもしれません。あるいはシナリオやセッションの雰囲気を伝える以上に、ハウツーを目的とした動画を作るというのも方法でしょう(そうした動画はもはやリプレイ動画というよりは、リプレイ付きハウツー動画という様相を呈するでしょう)。

 

ためになりなおかつ面白い動画を作るというのが、素人には非常に困難な技であるということを、今回身を以て学びました。

 

 

4.数をこなさなければわからない

現在、本物の方のオープニングを作成中です。これが完成すれば、概ねPart.2の編集も終わります。

 

こちらの編集をしていても、どうやって見せれば「見せられている感」を少なくさせることができるのか、絶えず考えさせられます。

 

もしもジョークセンスが十分にあれば、小気味よくジョークを挟んで面白い動画に仕立て上げられるのでしょうが、あいにくとそういうタイプの人間ではありません。

 

こんな調子では、せっかくの動画もたくさんの人には見てもらえないのではないか…

 

そんな不安の中にもありますが、実際のところしっかりとした動画を作成するのはこれが初めてのことです。

そんな初めての動画で面白い作品が作れるなんて、そんな甘いこと考えちゃあダメでしょう。まだまだ自分の思い通りの映像を作ることもできていませんし、目を飽きさせない演出、耳を飽きさせない演出など、動画には考えることがたくさんあります。

 

試行錯誤しながら、これからも面白い動画目指して頑張って制作しますので、どうぞ引き続き動画シリーズの方も、宜しくお願い申し上げます。