【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】肝試しのあと【part.05】
【前回のあらすじ】
製材所の仏壇を巡って、金縛りに見舞われた三人。憑き物を疑った斎藤君の提案で、3人は山の上の神社に参拝したのだった。
肝試しの恐怖は楽しい記憶に変わる
KP「神社への参拝を終えると…あ、そうだ、ここで〈聞き耳〉でもやってみます?」
伏原「始まりましたね、悪い笑顔が。」
佐々木「あー、これが噂の。」
KP「え?なんのことですかね。ほら、早く、〈聞き耳〉やろうよ。」
伏原「じゃあやっときますよ。」
佐々木「では私も。」
〈聞き耳〉ロール→成功
〈聞き耳〉ロール→成功
KP「お二人とも、ここで腐った沼のような、不快な匂いが、一瞬だけ鼻をかすめます。まるで、振り返って神社を去ろうとするあなたたちの間を、何かが通ったかのようにね。」
伏原「あー、なんか、この参拝、無意味だったか、余計な行動だったか、どちらかのような気がする。」
佐々木「やっぱり部屋暗くするんじゃなかったかなぁ。怖い話好きなんだけど、怖いのは嫌いなんです。」
KP「では、参拝を済ませたお三方、一緒に車へ乗り込み、街へ帰りましょうか。今度は逆に、真っ暗な道を進むとやがて街灯がひとつふたつと見え始め、やがて秩父市の市外には街灯が多く見え始めます。そこを抜けて北東京の住宅街の間を高速で走り抜け、首都高へ合流すると、あなたたちの周りはすっかり夜とは思えない明かりが煌々とともっています。そして合流地点だった池袋の街へ車が進むと、明かりだけではなく、たくさんの人だかりまでもが、あなたたちを安堵させます。」
斎藤「いやぁ、怖かったですけど、これはなかなかの恐怖体験だったんじゃないですか?写真もたくさん撮ったし、2chにスレ立てしちゃおうかな。きっと盛り上がりますよ!」
佐々木「まさか心霊スポットで本当に変な体験をする時が来るとはねぇ。」
斎藤「そうだ!今日撮った写真シェアしとくんで、今度それを酒の肴にでもして、一杯いきましょうよ。」
伏原「おっ、いいねぇ。早速明日なんてどう?佐々木さんは?」
佐々木「週末のうちがいいし、明日でいいよ。」
斎藤「じゃあ明日の夕方にしましょ、えっと場所は…」
佐々木「高田馬場で。駅前の地下にいい中華料理屋があるんで。」
KP「それリアルでお世話になってる店じゃないですか!」
佐々木「あそこ旨いからね。」
KP「台湾の中華料理より、あの店の中華料理の方が旨いのは事実ですけど(ダイレクトマーケティング)。さて、ええと、では、そんな約束をして、今日は解散、ということになりますね。」
伏原「んー、なんか、思ったより何事もなかったな…。」
KP「何を言ってるんですか。これから、シナリオ『肝試しの“あと”』が始まるんですよ。」
写真の中には…
KP「というわけで、みなさん、夜の間に何かしてから眠りたいこととかありますか。だいぶ体はお疲れだと思いますけど。」
伏原「あ、斎藤君から写真シェアしてもらったら、それをチェックしたいです。」
佐々木「ああ、私も。」
KP「いいでしょう。みなさんが家についてしばらくすると、早速斎藤君が今日の写真をシェアしてくれますね。写真術か、目星でお願いします。」
〈目星〉ロール→失敗
佐々木「ああ、失敗しちゃった。」
KP「では、たくさんの写真がありますが、佐々木さんが特に気になるものはありませんね。」
〈目星〉ロール→成功
伏原「こっちは成功です。」
KP「…では、伏原さん。」
伏原「はい。」
KP「あなたも、気になる写真がありません。」
伏原「ないんですか!?」
KP「ええ、ありません。」
伏原「仏壇の写真は!?」
KP「伏原さんは、様子がおかしな写真などというものを見いだすことができませんね。もちろん、仏壇を写したはずの写真も含めて。」
伏原「目星に成功してるんですよ!?」
KP「ま、ごゆっくりお考えください。このシナリオは、ゆっくりと楽しんでほしいシナリオですからね。」
佐々木「なんかまずいことが起き始めている気がする。」
KP「そんな、まさか。だって、写真には何も妙な点がなかったんですよ?さて、眠りましょうか。写真は枚数が多かったので、ずいぶんと時間が経ってしまいました。もう2時半を回っていますね。」
伏原「眠りましょう。」
佐々木「眠ります。」
KP「…では、睡眠をとったお二人、ここで無条件にSANを1減少させてください。」
伏原「え!?」
佐々木「なんと…。」
KP「この減少は、キャラクターに自覚がありませんので、ロールプレイにはご注意ください。」
正気度(SAN)ってなに?
佐々木「あの、ところで、このSAN、正気度っていうのは、どうなるとまずいんですか?」
KP「ああ、その説明もまだでしたっけ。つまり、それが精神のHPみたいなものです。0にならなければ、まず大丈夫です。もちろん、だんだんと狂気に陥りやすくなりますが。」
佐々木「SANチェックに失敗しやすくなる、と。」
KP「そういうことです。」
佐々木「回復手段は?」
KP「〈精神分析〉の技能を使えば、シナリオ内でも時間をかけて多少は回復することができます。しかし、基本的にはシナリオをクリアした時にしか回復できません。」
佐々木「0になったらどうなるんです?」
KP「気が狂ってしまいますね。廃人になるか、異形の神を招来させることだけを考えるようになるか…」
伏原「ハカセ(KP)みたいになります。」
佐々木「それはまずいな。人間じゃなくなるってことか…。」
KP「…だいたいあってますけど、なんか腑に落ちない。なんでそれで通じるのか…。」
佐々木「いや、だって、こんな具体的な例があったら、よくわかるというか。」
伏原「そうですよ、こんなおかしい人いませんもん。」
KP「あの、二人は私をなんだと思ってるんですかね?」
佐々木&伏原「…狂人?」
KP「わかりました。お二人が冷静で本質を見逃さない、優れた観察力を持っているということがよくわかりました。」
佐々木「受け入れてしまっている…だと!?」
KP「ええ、事実ですから、仕方ない。」
伏原「SAN0の同居人がいるんですが、誰か助けてください。」(シェアハウス中)
KP「御愁傷様です。一緒に邪神でも招来します?」
アシスタントの導入
KP「えっと、お二人が揃いも揃ってオカルトに技能振ってないので、オカルトに詳しいアシスタントをメンバーに加えましょう。」
佐々木「女の子ですね!」
KP「え?ああ、女の子でもいいですよ。」
佐々木「佐々木希似の!」
KP「そんなAPP出せるかな…。(ダイス)あ、16出たんで、いけますね。で、どういう関係でこんな美女と知り合いなんですか?」
佐々木「私の秘書です(キリッ」
伏原「こっちのマネージャーでもよかったのに!このすごい食いつきいい人に取られた!」
KP「たしかに、事務所の手伝いに来ている法学部の大学生という設定なら使いやすいですね。では、そういうことで。名前を佐々木にしたら丸かぶりなので、とりあえず望美ちゃんということにしておきます。」
キーパーズノート
アシスタントNPCの導入は、慎重に行わなければなりません。場合によっては、便利な手駒として人柱にされたり、逆に能力がありすぎて、探索者たちの活躍の場面を奪いかねません。今回のように、シナリオクリアに必須の技能を持った人間がおらず、さらに、シナリオの難易度が初心者にはクリア不能なレベルだと判断した場合には、NPCによる補助を入れることにしましょう。