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【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】わたしは死体07

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前回のあらすじ
自宅で自らの姿をした死体を見つけた茜は、旧知の田村と共に調査を始めた。数週間の記憶がないという茜の過去の足跡を追うと、喫茶ベルリンでカンベエというオカルトマニアと会っていたことがわかった。彼が何かを知っているかもしれないと踏んだ二人は、喫茶ベルリンにカンベエを招いた。

Part.1はこちら


カンベエとの会談@喫茶ベルリン

KP:では喫茶ベルリンにて、あいも変わらず怪しげな店主が差し出すコーヒーと紅茶を飲みながら、カンベエとお話をしましょう
田村:もうカンベエいるのね
KP:カンベエは50歳前後の恰幅のいいおじさまです。喫茶店に再度赴くと、先に座っていて、店主がお二人をその席に誘導します

カンベエ:「お久しぶりです」
:「お、おひさしぶりです」しどろもどろ
田村:「初めまして、剣喰の友人の田村です。」
カンベエ:「ご友人ですか……私はカンベエと申します。本名はあえて隠しております、ご理解ください」
田村:「へぇ~。オカルト好きの人は隠したがりですね」
カンベエ:「そうなんですよ、秘密があったほうが面白がられるんです。それで、何か御用と聞きましたが……?」

茜の同行者の謎

:「お呼び建てしてすみません、前にお会いした時に同席していたお二人なんですが、一度ちゃんとお礼を言いたくて、連絡先など知っていればお伺いできればとおもいました」

カンベエ:シークレットダイス

KP:カンベエは目を細めて茜の様子を伺います。探るような視線ですが、すぐに訝しがるのをやめて、次のように続けます
カンベエ:「いえ、お二人については存じ上げません。というより、私も実はお二人の現在についてあなたに尋ねたかったのです」
田村:おいおい、まじかよ
:おほほん

カルト集団:月の絆

カンベエ:「偶然にあの『草稿』を手に入れたと聞きましたが、あれの以前の所持者は『月の絆』というカルト*1ではないかと思うのです」
田村:カルトか、オカルト野郎くらいではすまないのか
カンベエ:「気になる事件も聞こえてきましたし……」

カンベエ:シークレットダイス

田村:「カルトってまた物騒ですね。なんかやばい奴らなんですか? 学生運動やってたやつらみたいなもんですかね」
カンベエ:「それより酷いかもしれません。一種の狂信集団ですね。私も詳しくはないのですが」
KP:カンベエも話にそういう集団がいると聞いたことがある程度ですね
田村:ふむ……ともかく、今回のシナリオのボスがこの『月の絆』ね

記憶喪失を吐露する

田村:ちらっと横を見て「火炎瓶じゃすまないんすね」
カンベエ:「それもわかりません。外から見れば秘密は怖く感じるものですから……」
田村:「オカルトっぽいですね」
カンベエ:「私の名前と同じですね、残念ながら」

:「……実は今日お呼びした本当の理由なんですが」意を決したように
:「実はここ数日の記憶があいまいで、そのことについて色々と調べてみているんです。それで、川上さんに送った本になにか関係があるかとおもいまして……」

:間をおいて「私が送った本というのはどういったものですか?
カンベエ:「記憶があいまい……? それはどのくらいの曖昧さでしょうか」
:「一か月ほどの記憶はほぼ……だた私が知らない行動はしていたみたいで……」不安そうに
カンベエ:「……そのような状態なら、私がこう言っても信じていただけるかもしれませんね」両手を握って身を乗り出し声を抑えて

“草稿”と魔術

カンベエ:「おそらく、草稿に含まれていた記憶に関わる魔術の結果ではないでしょうか」
田村:「それはまた随分とオカルトらしい言葉が出ましたね」
カンベエ:「世界には二つのオカルトがあると認識しています。偽りの道楽と、本物の恐怖です。私は恐怖を隠すことを旨としています。あなたが信じていないように、魔術など信じられていないほうがよいのです」
:意外にまじめなやつだった
田村:いい奴説ある

カンベエ:「はじめ私は『草稿』だとは気づきませんでした。ですが、あなたが2回目に私に連絡をしてきたとき、私はその可能性に気づきました。ですから、それを川上さんのところに送るように伝えたのです」

田村:ひと月の間に二回連絡とってるのか。一回目は集まったときだとして、二回目はどのタイミングだろう?

カンベエ:「つまり、彼の元なら……その本当の意味が明かされることはないだろうとね」
:川上無能説
田村:純粋だと思うことにした
:あるいはオカルトをバカにしてるか
田村:偽りの道楽だね……しかし、ますます本が気になってきた

:「あの……『草案』っていうのはどういったものなんでしょう?」
カンベエ:「『草稿』……厳密な言い方をしましょう『サセックス草稿』と言われています
田村:きたねクトゥルフワード
:ルルエから片足つっこんでたって
田村:今はもうずっぽし

カンベエ:「“ある偉大な魔術書”を写したもので、いまは散逸して断片が世界中に散らばっていると言われています」
:ネコネコロボコン? クロオタコン? わたしわかんなーい
田村:しらじらしすぎるわw

田村:「結構危ないもんなんですか?」
カンベエ:「……」考え込む
カンベエ:「こういうときに、昔の人は困った挙句『世界が滅ぶ』とか『世界を砕く』とかいう表現を編み出すんでしょうね」苦笑
田村:「冗談きついですよ、ほんとに」
カンベエ:「ですが、これも同じことです。私も研究したわけではありません。秘密は怖く見えるんですよ」

田村:研究してないのにやばさわかるものってマジもんやん
:火炎瓶じゃどうにもならんな
田村:火炎瓶ダースでいるな

翻訳の危険

カンベエ:「ただ……『サセックス草稿』の場合は二つの意味で危険かもしれません。元はアラビア語だった魔術書を翻訳しながら写したものですし、ともしたら現存するものは写しの写しのその写しかもしれませんし……」
田村:「何ならそっちのほうが危険なんじゃないですか? ほら、丁寧に描かれていればリスク回避できても、大事なことが抜けてたりするかもしれませんし
カンベエ:「まさしく。何が起こるかわかったものではありません。ただ……記憶がなくなる魔術はちゃんと機能したようですね」

問題の本質は記憶がなくなってることではないんだけど
田村:自分の死体について聞くのか?
:うーん……少なくともサセックス草稿は本物であることは間違いなさそうね
田村:だね
:死体については、さすがに無理じゃないかな?

:「記憶が亡くなっただけならいいんだけども……」ぼそり
:「またおお話お伺いすることもあるかもしれないので、連絡先をお伺いしてもよろしいですか?」
カンベエ:「……もちろん。というより、先ほどの連絡先で構いませんよ。またそれをお渡しすることがないように祈りますが」
KP:以上ですかね?
田村:ですね
:はい

同行者の行く末

KP:では、立ち上がったところでカンベエが次のように言います
カンベエ:「……確証は持てませんが、あなたと同行していたお二人……亡くなったかもしれません

田村:まじ?
:「えっと、それはどういう?」

カンベエ:「あなたから話を聞きたかったというのは、ある事件で男女が怪死したという噂についてなのです」
カンベエ:「しかし記憶が失われている以上、確かめようがありませんね……あなたにお会いするならと思って用意しておきました。まさか記憶を失ったあなたに渡すことになるとは思いませんでしたけどね」
KP:というわけで、カンベエはファイルを一つ差し出します
:「ありがとうございます、こちらでも調べてみます」

田村:「いろんな話ありがとうございました。また会わないことを祈っています」
カンベエ:「……」無言で見送ります
:もう会わないってのは生きてあえるかなって意味?
田村:いや、会うと深くかかわることになりそうだなって

トラック強盗怪死事件

2週間ほど前、山間の幹線道路で多数の死者が出る事件があった。何人が亡くなったのかの正確なところは世に知られておらず、犠牲者の氏名は公開されていない。数人のトラック強盗がトラックを停車させたあと、運転手や警備員もろとも何らかの理由で死亡したと噂されている。
 少なくとも1人の強盗犯が逃げ出しており、事情を深く知ると思われることから捜査中らしい。
 現場はただひたすらに血液と肉片が散らばっている無残な状況だったという。爆発物が使われた痕跡もなく、重機が用いられた痕跡もなかったことから、オカルトマニアの間ではこの世のものではない化け物が暴れたに違いないと噂されている。

KP:その強盗2名が男女だったとの噂が伝わっており、これがその2人だったのではないかと考えているようです
:いったい何話生物の仕業なんだ……
田村:死体のくわしい状況とかはわからないのか


KP:さて、お次の行動は……というところで時間的には夕方すぎ、もう日も沈む頃ですね
:そんな時間に呼ばれてすぐにやってくるなんて……いったい何者なんだカンベエ
田村:金はありそう
KP:カンベエ高等遊民です
田村:哲学の授業ぶりに聞いたわww


調査ノート

● 茜の自室には自分の死体があった。露見するまであと6日間の猶予がある。
 →いざとなったら分解して破棄し、証拠を隠滅する用意をした
● 茜は3週間ほど前に仕事をしばらく休み、その後一時的に復帰したがなおも青ざめていた。
 →一時復帰の直前にトラック強盗怪死事件が発生している new!!
● 記憶が抜け落ちている1ヶ月の間に1組の男女とともにいくつかの行動をしている。
 ○『サセックス草稿』
  記憶喪失は『サセックス草稿』に記録されていた記憶喪失の魔術の効果だ new!!
  〈月の絆〉というカルト集団から手に入れ、川上という無能なオカルトライターに送って安置した new!!
 ○トラック強盗怪死事件
  共に行動していた男女がその事件で死亡した可能性が高い new!!
  現場から逃走した強盗犯の一人が茜かもしれない new!!
 ○その他の情報
  リン酸カルシウムを大量に購入している
  自分で行動記録類を処理している


告知

このセッションで遊んでいるシナリオ「わたしは死体」は、現在BOOTHで電子版を手に入れることができます。
ご興味の方はぜひチェックしてみてください。
hitoritabi.booth.pm

次回へつづく

*1:なおこの時代にはカルトという表現はない。当時は主にヒッピーが用いる東洋の非キリスト教を指す用語で、1960年代から利用されていた。現在のカルトの意味に定着したのは1978年のカルト教団の集団自殺事件から。日本に限定すれば1995年の地下鉄サリン事件まで一般的にこの語が用いられることはなかった。