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ソード・ワールド2.5ルールブック全巻発売! どんなゲームなの?

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 1月19日、ついにソード・ワールド2.5のルールブック第3巻が発売され、ソード・ワールド2.5の基本ルールブック3冊が揃いました。今回はソード・ワールド2.5を知らない人のために、日本で最も伝統的なTRPGシリーズであるソード・ワールドの最新作がどんなゲームなのかを簡単に紹介します!

 

 

ファンタジーTRPGの王道

TRPGって?

 ソード・ワールド2.5はTRPGの一種です。TRPGとはテーブルトーク・ロールプレイングゲームの頭文字をとったもので、コンピューターを使わずにテーブルの上で会話しながら遊ぶRPGのことです。

 コンピューターを使わないために、いくつかの特殊な要素が伴われます。たとえばプレイヤーのうち一人はゲームマスターとしてゲームの進行、特に敵キャラクターの行動を担当します。また、通例コンピューターゲームでダメージ算出や命中・回避の判定に用いられる乱数の代わりに、サイコロを使って乱数が導入されています。

 コンピューターゲームに慣れた人から見れば、自分たちで命中や回避を判定してダメージを計算するのはやや手間のかかる作業に思われるかもしれません。その代わり、TRPGではゲームマスターとプレイヤーが同意する限り、自由な物語を描くことができます。この魅力から、コンピューターゲームが流通した今でも根強いファンの人気を集めています。

剣と魔法のファンタジー+アルファ

クラシックなファンタジー世界として

 そうしたTRPGというゲームジャンルの中でも、ソード・ワールドシリーズは剣と魔法の冒険ファンタジーを扱うゲームとして長らく愛されて来ました。 その歴史は30年にもなり、日本でエルフやドワーフなどの代表的なファンタジー種族を根付かせる役割を果たしてきたといっても過言ではないでしょう。

 プレイヤーはそうしたファンタジー世界の架空種族のキャラクターを操りながら、剣と魔法を駆使してゴブリンやドラゴンなどのファンタジー世界お馴染みの怪物たちに立ち向かいます。その冒険の物語はゲームマスターの数だけ無限に生み出され、あなたたちだからこその大冒険を経験することができるのです。

ファンタジーの現在に対応して

 一方、ソード・ワールドは改定を重ねる中で、独自のファンタジー世界を作り出してきました。独自の神話体系や独自の種族を提案しており、それらの一つ一つが魅力的ではあるのですが、最も伝わりやすく特徴的なのはやはり魔動機の存在でしょう。

 魔力を動力にした機械である魔動機は、数百年前まで一般的なものだったと設定されています。しかし蛮族や魔神が人間の文明を破壊し、今では失われた技術となっています。現在はその一部が発掘されて再利用されており、剣と魔法の世界にも関わらず、特殊な銃や魔動バイクが共存しています。プレイヤーの冒険の目的の一つは、こうした失われた技術を発掘することなのです。

2.5ってなんの数字?

遊びやすくバランスのとれたゲームへ

 2.5という数字はバージョンを示す数字です。これまでソード・ワールドは無印から2.0へとデータ修正され、今回さらにバージョンアップが行われ2.5になりました。その主要な目的は、戦闘データの複雑さを減らし、同時に戦闘バランスを整えることです。

 2.0時代にはいくつかの戦闘バランスの問題が指摘されてきました。格闘攻撃の能力であるグラップラーの攻撃力が終盤に爆発的に増加したり、それに追随するべく武器攻撃のファイターの攻撃力もかなりの高水準に達しました。このため先攻・後攻の決定で勝利するとどんな強敵も瞬く間に蒸発させてしまうような状態に陥りがちだったのです。

 今回の調整で過剰火力状態を修正し、2〜3ラウンドかけた戦術的な戦闘が実現しました。こうした大規模な修正のため、基本的には2.0とは異なるルールの体系が必要になり、追加のサプリメントや部分的な修正ではなく2.5という異なるナンバリングでの出版となりました。

過去作を知る必要はない

 したがって重要なのは、過去作を知る必要はないということです。こうしたシリーズものでは、過去作に登場したキャラクターや世界観を引き継ぐために、過去作を知っているプレイヤーとそうでないプレイヤーで楽しさに差が生じがちです。しかしソード・ワールド2.5についていえば、物語の舞台は全く別の大陸に移動し、戦闘データやルール面も大幅に修正されているため、実質的に新しいゲームとして0からスタートしています。

今作の魅力は魔動列車とアビス

 戦闘データのバランス調整もさることながら、今作の世界で新たに追加された二つの要素は冒険を豊かにしてくれました。

魔導列車

 一度滅びかけた人間文明でしたが、かろうじて生き残った人々はかなりのところまで都市機能を回復させています。いまこの大陸で盛んなのは大陸の諸都市を結ぶ鉄道の建設です。まだまだ建設途上にあるため、鉄道網敷設のための工事や調査を警備する人員が求められています。

 また、一部地域ではすでに鉄道網が復活しており、鉄道で旅をしながら冒険することもできます。ファンタジー世界でおなじみの徒歩旅行に加えて、ロマンあふれる鉄道の旅をメインテーマに、自分たちなりの冒険を描くこともできます。

アビス

 もう一つの大きな追加要素は何でもありの無限ダンジョン「奈落(アビス)」です。過去の大戦争の際に突如現れた謎空間であるアビスは、そこから敵味方を無差別に攻撃する魔神という種族を大量に生み出しました。当時敗色濃厚だった人間たちの敵・蛮族を苦しめ、戦線を膠着させることにつながったのです。

 しかし無差別に攻撃してくる以上、やはり敵に違いありません。文明も復興の兆しが見えた今、アビスの攻略は人間たちの目標の一つになっています。鉄道網の復活で冒険の舞台が減りつつある今、腕の立つ冒険者たちに立ちはだかる最強の冒険の舞台となっています。

遊び方の基本のき

 ソード・ワールド2.5のことがいくらかわかってきたことでしょう。最後にソード・ワールド2.5を遊ぶ方法を整理して、紹介を終わろうと思います。

サンプルで遊ぼう

 はじめてソード・ワールド2.5で遊ぶなら、ルールブック1だけを買って、サンプルを活用しましょう。ルールブック1にはゲームを遊ぶための基本的なルールが揃い、さらにサンプルキャラクターとサンプルシナリオが付属しています。1人のゲームマスターと3人以上のプレイヤーが集まったら、気に入ったキャラクターを選んでサンプルシナリオで遊んでみましょう。

 一つの物語を遊ぶと、サイコロを使った判定やダメージの計算方法をよく理解することができます。わからないことがあったらルールブックの末尾についた索引を利用してその都度確認していきましょう。

友達は付属していません

 ここで問題になるのは、このゲームを一緒に遊ぼうとする友人の存在です。自分を合わせて4人くらいいればなんとかなるのですが、TRPGに興味のある人を見つけるのは場合によっては難しいことかもしれません。

 そうした場合、地域で行われているコンベンションを探してみましょう。この5年程度のTRPGブームによって全国のコンベンションはかなり数を増やしました。開催者が公開している情報を確かめて(場合によっては他のTRPGしかやっていない場合もあります)参加してみましょう。コンベンションならルールに詳しいゲームマスターが丁寧に進行の補助をしてくれることでしょう。

慣れたら自分でキャラクターやシナリオを作ろう

 遊ぶ機会を得られれば、少しずつでも確実にゲームシステムに習熟することでしょう。そうなればキャラクターメイクのルールをじっくり読んで、自分好みのキャラクターを作ってみたり、他の仲間に遊んでもらいたいシナリオを作ることもできます。あなたのキャラクターやあなたの物語をTRPG仲間と共有すれば、きっと素敵な時間を楽しむことができるはずです。

 

まとめ

 ソード・ワールド2.5はファンタジーTRPGシステム「ソード・ワールド」シリーズの最新作です。ルールと世界観は刷新されており、今から始めるプレイヤーも過去作を遊んできたプレイヤーも平等に遊ぶことができます。

 テーブルを囲んでゲームプレイするため、サイコロや鉛筆を用意して、一緒に遊ぶ仲間が必要にはなりますが、コンベンションやオンラインなどの方法もあり、興味があれば必ず遊ぶ機会を得られるはずです。あなた好みのキャラクターや物語を描くことのできる魅力的なゲームでもあるので、少しずつルールに習熟して、ぜひあなたの創造性で楽しんでみてください。

 

 

ソード・ワールド2.5 ルールブックI (ドラゴンブック)

ソード・ワールド2.5 ルールブックI (ドラゴンブック)

 
ソード・ワールド2.5 ルールブックII (ドラゴンブック)

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ソード・ワールド2.5 ルールブックIII (ドラゴンブック)

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