「Call of Cthulhu」発売! 最速ゲームレビュー
昨日生放送で「Call of Cthulhu®︎」というゲームをプレイしました。2018年10月30日発売ということで、発売初日のプレイとなりまして、来場者も100人を超え、注目度の高いゲームだと感じさせられました。
というのもこのゲーム、このブログでも長らくお付き合いしている「クトゥルフ神話TRPG」をもとにして作られています。日本でクトゥルフ神話TRPGが大変な人気を博している状況の中で、このゲームに注目が集まるのも納得です。
さて本日は、ここまでのプレイを振り返りながら、このゲームがどういうゲームなのかを紹介していこうと思います。
ホラーアドベンチャー
「Call of Cthulhu」は日本で「クトゥルフ神話TRPG」として親しまれているTRPGの英題にあたります。訳せば「クトゥルフの呼び声」で、かつてホビージャパンが翻訳権を持っていたときの日本語タイトルに対応しています。また、このタイトルは「クトゥルフ神話TRPGルールブック」に掲載されているH.P.ラブクラフトの小説のタイトルでもあります。
こうしたタイトルからも伝わるように、このゲームはクトゥルフ神話の世界を体感するために作られた一種のキャラゲーです。クトゥルフ神話の原作世界を体感することを目的にしているため、通常のサバイバルホラーとかホラーアクションシューターなどのジャンルとは明らかに一線を画しています。
それを前提に、このゲームの構成を細かく見ていきましょう。
メイン要素:会話と探索
このゲームで最も多くの時間を費やすことになるのは、会話と探索です。それゆえ、日本語版のリリースが2019年と予告されている現時点では、英語が読めない方は購入を控えるべきかもしれません。
会話:能力と探索状況で変化
このゲームでは大部分を会話に費やすことになります。会話画面は次のようなものです。
会話が進むと一時停止して選択肢が表示されます。会話はこのゲームでも重要な情報源になるため、会話展開に注意しながら選択すると良いでしょう。
会話技能も用意されており、確率で判定を行います。場面によっては交渉技能を利用して情報を引き出したり、他の技能の利用や情報獲得によって会話選択肢を増やして情報収拾にあたったりします。そうした追加的選択肢については異なるアイコンが表示されます(たとえばここでは左下のアイコンが異なる)。
情報収拾を通じて選択肢を増やし、より深い情報を理解しながら物語を進めるゲームです。
探索:とりあえず目星
一方探索もシンプルにこなすことができます。探索ポイントには白いドットが表示されていて、調べられるものは一目でわかるようになっています。
このゲームの魅力は豊富な資料にあると言っていいでしょう。それぞれ調べると、簡単なテキストやボイスが挟まれたり、資料を手に入れることができます。この量が尋常ではなく、プレイヤーが世界観に入り込むには十分な量のテキストが用意されています。
探索にも技能が関わります。探索ポイントによっては、技能の成功によって詳細な情報を引き出すことができるものもあります。その場合、白いアイコンが対応する技能のアイコンに変化するのですぐに判断することができます。
ステータスは行動の確率変動
その「技能」ですが、これもTRPGよろしく自分で調整することができます。キャラクターには7つの技能があり、これに技能点を振ることでキャラクターメイクを行います。
7つのステータスは次の通りです。
- Eloquence(話術) 交渉を有利に進める能力
- Spot Hidden(目星) 隠れたアイテムを見つける能力
- Strength(筋力) 筋力や格闘術の強さ
- Investigation(探索) 図書や図像から情報を抽出する能力
- Psychology(心理学) 対象の心理状態を分析する能力
- Medicine(薬学) 薬品や身体状態の診断と治療の能力
- Occultism(オカルト) 超常的な現象に対する理解能力
技能の初期値は画像の通りで、これに8点の追加ポイントを利用することができます。技能にもよりますが、1ポイントで成功率を5%程度上昇させることができるので、初期の8点で40%分の調整を行うことができます。
技能点はゲームの途中でも得ることができ、ゲームの進行にしたがってキャラクターは強化されます。ただし、ゲーム進行中に得たポイントを薬学・オカルトに振ることはできません。これら二つの能力については、ゲーム中に手に入れる対応する書籍の入手によってのみ成長することができます。
小結:アクションやサバイバル要素はほぼない
このゲームは「ホラーアドベンチャー」に属するゲームです。アクションRPGとかサバイバルホラー、シューターゲームを期待している方にとっては、物足りないゲーム構成になっているかもしれません。それらの要素は終盤になるにつれわずかに加わることもあるのですが、基本的にはこのゲームの中核的要素にはなっていません。
絶対に伝えたい魅力:雰囲気最高
このゲームをプレイしていて感じたのは、雰囲気がいいということです。「雰囲気ゲー」という言い方は良悪様々に用いられますが、このゲームについて言えば、クトゥルフ神話・ラブクラフトの世界観を表現するという観点で「いい雰囲気ゲー」に仕上がっています。
音響とグラフィック
雰囲気を下支えしているのは間違いなく音響とグラフィックです。酒場で呑んだくれている連中の歌う奇妙な歌や、打ち上げられた傷だらけのシャチ、狂人の叫び声や奇妙な儀式の現場……そうした細かな演出の積み重ねが、このゲームの雰囲気を高めてくれています。
こればかりはプレイしてみなければ伝わらないと思いますが、緊張感のある展開はクトゥルフ神話好きにはたまらない仕上がりです。本場の「いあいあ」だって聞けてしまうのですから。
ステージによってアクション要素も
ネタバレめいたところも出てきますから画像は割愛しますが、やはりクトゥルフ神話のクリーチャーと対面する場面も用意されています。そうした場面では突然アクション要素が加わり、ぐっとパニックホラーみがでてきます。
狂気に陥り正気を失いそうな場面では、心臓の激しい鼓動とともに画面が暗い緑色に閉ざされていき、プレイヤーの操作を困難にします。冷静さを失わずに謎を解いてクリーチャーを撃退し、より深い真相へと迫っていかなければなりません。
まとめ
チャプター7までを遊んだ感想は、「ファンにはたまらんゲーム」でした。クトゥルフ神話TRPG自体もそうですが、戦闘に陥ればほぼ勝てない状況でいかにこそこそと謎解きを進めるのかが軸になっています。そして豊かな資料が世界観への没入を支援していて、生放送では読み飛ばして遊んでいますが、それらをすべて読み解いて遊べば、きっとこの怪奇の島ダークウォーターの謎の真相に迫ることができるのだと思います。
これから3周ほどプレイして内容をよく理解し、そのあとに拙訳をつけたプレイ動画としてこのゲームの面白さをお届けする予定です。また、今夜も続きを生放送でプレイしようと考えています。おそらくクリアまでプレイすることになると思うので、ネタバレが気にならない方はぜひいらしてみてください。