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【ソード・ワールド2.0リプレイ】悪霊使いの家【英雄志望と二つの剣3rd season 2−11】

<前回 第1シーズン第2シーズンレイラ個別3−13−2

 

前回のあらすじ

レイラは母親の幻覚を見、彼女の不在を思い出した冒険者たちは急いでレイラを探しに行く。しかし実験体にされていた少女が言うには、レイラはすでに幽霊たちにその心を囚われているという。果たしてレイラを助けるすべはあるのか。というか勢いよく駆け出した冒険者たちはいったいどこへ向かっているというのだろうか。

 

GM:レイラはどこか遠くの方からかすかな声が聞こえたような気がします

GM:???「カシウス、そのお嬢ちゃん連れてこいよ!」

GM:???「ああわかってる! 一緒に行こう!」

GM:レイラはそれらの声が仲間たちの声だとなんとなくわかるかもしれません

レイラ:顔上げてそちらの方に顔を向けるくらいですね

GM:では、それに応じて冷たい指が耳に当たります

リリィ:「レイラ、あなたはもう十分頑張った。あなたは何にもなれなかった。そうでしょう?」

レイラ:「わたしは、騎士に、なれなかった……」ちょっと身震いして

リリィ:「そう。騎士にもなれなかったし、あの人たちの仲間にもなれなかった。いつも一人。かわいそうなレイラ」

GM:耳から手を離すと、もう一度その肩に手を置いて……

 

GM:今から精神抵抗判定、目標値16を実施しますが、何度目に成功するかでクライマックス戦闘の参戦ラウンドが変化します

レイラ:なるほど。わかりました。

GM:では1回目どうぞ

 

レイラ:精神抵抗判定 2d6+9 → (2,3)+9 → 14 失敗

GM:では、第1ラウンドは参戦不可とします。レイラは一度リリィの見せかけばかりの優しさに身を預けてしまいます

レイラ:(私がいなくても、みんなは大丈夫……)

リリィ:「何にもなれなかったんだから、もうどこにもいかなくていいじゃない……ここで、私と一緒に……」

 

GM:???「うわっ」

GM:???「アーク!! なろぉっ……!」

GM:またどこからか戦っている声が聞こえてきます。もう一度判定をお願いします

レイラ:精神抵抗判定 2d6+9 → (3,2)+9 → 14 失敗

GM:リリィはひとしきりレイラを抱きしめると、レイラの手を取って扉を一つあけると、そこはレイラの部屋のようで、あの日以来見ていなかった懐かしいベッドがレイラを出迎えます

GM:リリィはレイラの手を引いてベッドに誘うと、おでこにキスをして

リリィ:「ずいぶん不安な日々を過ごしたでしょ? 今日はもう眠ったら?」そう優しく声をかけます

レイラ:もう一回精神抵抗していいですか?

GM:そうですね、では、ひとつ金属の音が遠くで唸るように響きます

GM:その音はレイラの頭の中にぼやけたように響きますが……精神抵抗どうぞ

 

レイラ:精神抵抗判定 2d6+9 → (3,3)+9 → 15 失敗

レイラ:……これ、あと何回でだめなんですか?

GM:あと2回でまずいことなります

レイラ:……みなさん戦闘がきつくなったら置いて逃げてくださいね

 

レイラ:「もう、寝なきゃダメ?」

GM:横たえられた体に柔らかく心地よい毛布がかけられます

リリィ:「今日はもう遅いから。大丈夫よ、明日も会えるわ」

GM:さて、瞳を閉じようとしたところでもう一度精神抵抗判定どうぞ

レイラ:2d6+9 → (1,1) → 自動失敗

レイラ:……さようなら

クキバミ:なん……だと……

GM:では、レイラはここで瞳を閉じてしまいます。レイラの心を安堵が満たします

GM:もう誰にも期待されていません

GM:もう何にも応える必要はありません

GM:レイラはただ、生まれたところに帰って、自分のベッドという最小限の場所で、ただひっそりと息をしていればいいのですから……

レイラ:(私がいても傷つけるばっかりで、誰も守れない……もう……もう、いいよね……)

 

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GM:というわけでみなさん、レイラが悪霊に負けました

アーク:残念ながらレイラの冒険はここで終わってしまった!

GM:助けるためにはマグダレーナを倒して、この館の霊力を攘うほかありません。まぁそれでもレイラが帰ってくるかはわかりませんが……

カシウス:レイラの火力なしでボス戦か……*1

コーラル:やるっきゃねぇだろ、行くぞ!

 

GM:では、クキバミダッシュはどうせすぐに追いつかれると思うのですが、地下への階段前で歩調を合わせましょうか

クキバミ:短足の極み……

コーラル:途中でひっつかんで肩の上にでも乗せてやっか

コーラル:「どうしたよクッキー急に! こっちになんかあんのか?」

クキバミ:「レイラが危険な気がするのだ! はよう! はよう行くぞ!」第六感ぴこん!

コーラル:「気がするって……まぁあいつ、なんかおかしかったからな」

GM:では、お二人は回復処理もしていたアークたちより一足先に地下に向かいます

 

コーラル:「こん中だな?」ずざざざっと絨毯の上を滑って答えを待たずに飛び込むぜ

GM:薄暗い階段を滑るように進むと、その先にはわずかにランプの灯りが漏れている部屋の入り口が見えてきます

コーラル:扉はあるか? ないなら突っ込むぜ!

GM:扉なんてありません、突っ込んでください

コーラル:よっしゃ! いいな、クッキー?

クキバミ:問題なしじゃ!

カシウス:がんばってくれ……俺たちもすぐに追いつく

 

GM:では、コーラルが滑り込むと、そこは静まり返った魔術研究室です。しかしもとは地下牢として使われてでもいたのか、石で外壁が整えられ、作りはなかなかのものです

コーラル:「なんだぁここは?」

GM:右手にはチェーンがついた大きな滑車にハンドルがついていて、左手には意味ありげな古い本、正面には魔化された素材が散らばっていて、足元には魔術が刻まれています。右奥の作業机にはセリンから切り出されたものと思われるナイトメアのツノが削られた状態で残されています。長らく換気されていないためか空気は淀んで、どこか不吉な予感を覚えるかもしれません

GM:さて、クキバミは何か一つくらい調べてみてもいいですよ

コーラル:そーだな、アタイはなんにもわかんねぇ

クキバミ:ふむ……ならツノを調べよう

GM:了解です。では見識判定でどうぞ

 

クキバミ:見識判定 2d6+9 → (2,5)+9 → 16 成功

GM:ではクキバミはここに集まっている物品から、一つの品に思い至ります

GM:それは穢れの酒と呼ばれており、人族の社会では忌避されている穢れを活用して力を得ようとする酒です。もしナイトメアをも穢れの元と考えていたなら、ここに並べられたアンデッド製作のための魔化された品々とあわせてマグダレーナという魔術師が何らかの力を得るために道の魔術実験に取り組んだのだということがわかります

クキバミ:まったく気味の悪いやつだ

コーラル:カシウスのツノだったらダイスが片方1になったのにな

 

GM:さてそれでは、ここは危険感知判定にしようかな、目標17で判定どうぞ

クキバミ:高いの。だが我はタビットぞ

 

危険感知判定

コーラル:2d6+6 → (3,1)+6 → 10 失敗
クキバミ:2d6+10 → (1,4)+10 → 15 失敗

 

 

クキバミ:……意識を集中する。腕輪を割るぞ

GM:了解です。では達成値+2で17、成功です

 

GM:クキバミは次のことに気がつきます……

 

 

次回へつづく

*1:事前にレイラのプレイヤーとは打ち合わせを行っており、ボス戦に不参加であってもこうした演出をしたいとのことだったのでこのようになった