【ソード・ワールド2.0リプレイ】悪霊使いの家【英雄志望と二つの剣3rd season 2−10】
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前回のあらすじ
助けた少女は変な人の知り合いだった。4人は交戦を終えて少女が落ち着いたことで安心している一方、レイラはひとり何かの影に誘われて姿をくらませていた……
GM:では、レイラは不思議と見覚えのある人影に誘われて、ひとり別の廊下に進みました
レイラ:はい、とぼとぼと歩いています
GM:レイラがひとつ角を曲がると、また廊下の先に見覚えのある人影が角に消えていきます
レイラ:普段なら怖くて近づかないでしょうが
GM:レイラは誘われているように感じて進むことでしょう
レイラ:ですね
GM:暗い廊下で暖かな風がひとつ吹くと、廊下の先の扉がゆっくりと開きます。
レイラ:部屋の中に入ります
GM:部屋はあなたにとって見覚えのあるものです。大きな食卓があり、越冬のための暖炉があり、革張りのソファがあって、高級品というわけではありませんが、それなりの絨毯も敷かれています。どうやらレイラの生家のようです
レイラ:「ここは……」なにか手近にあるものをとって確認してみていいですか?
GM:レイラが思いつくものはここにありますよ
レイラ:では写真立てを
GM:レイラが写真立てを手にとって、そこに見慣れた写真を見て取ったとき、背中から声がかけられます
リリィ:「おかえりなさい、レイラ」
レイラ:振り返って相手を確認して、写真立てを落とします
レイラ:「おかあ、さん?」
リリィ:「どうしたの、そんなに驚いた顔して」にこりと笑って絨毯の上に落とした家族写真を拾いに歩み寄ります
レイラ:「おかぁさんはもう……」死んでって言葉が出そうになってつっかえます
リリィ:写真を拾い上げると、それをレイラに示します
GM:先ほどまで子供の頃に一枚だけ撮った記憶の中の写真だったそれは、大人になってから撮影したものに姿を変えており、その中にレイラが大人になった頃には死んでいたはずの母親の姿も映っています
レイラ:うわぁ……
リリィ:「悪い夢でも見てたみたいに……レイラは怖がりさんだもんね」頭を撫でます
レイラ:頭撫でられるがままに俯いて、床に涙がぽとぽとと落ちます
レイラ:「おかあさん、私……私ね、ずっと頑張ってきたんだよ……」
リリィ:「うん、そうだね。レイラ、頑張り屋さんだもんね」頭を撫でていましたが、その様子を見て
リリィ:レイラに腕を回して抱きかかえる姿勢になって、もう一度頭を撫で始めます
レイラ:「でも、もう……疲れたよ。私がやってきたことはなんの意味もなくて……」
レイラ:「コーラルさんやノイさんみたいに割り切れないし、クキバミさんやサラーさんみたいに先も見えない。カシウスさんみたいに優しくもないし、アークさんみたいに……私はなれない……」
リリィ:「そっかぁ……」背中をゆっくりとポンポンしつつ
リリィ:「でもね、レイラ。レイラはおかあさんにとって一番だよ? レイラは一番頑張り屋さんで、まじめで、いつもみんなのことを考えてて……ちょっと危なっかしいくらいで、心配してるんだから」
レイラ:「……」涙がこみ上げます
リリィ:「だから、おかあさんは嬉しいな。帰ってきてくれて。レイラとこうやってお話しできて」
レイラ:すがりついて声を殺して泣き始めます
リリィ:「もういいの、レイラ。レイラはじゅうぶん頑張った。もういいの……」
GM:泣き崩れるレイラは母の胸の中に顔を埋め、その肩の向こうで暖炉の火が揺れて消えるのを目にすることはありません。暗い廊下の先の扉はまた自ずと動き出し、音をたてることもなく、静かに閉ざされます。
GM:誰もいない薄暗がりの廊下の中で、風を擦るような音で、シシシシシ シシシシシと笑うような息遣いだけがかすかに鳴っているのでした。
GM:一方その頃、戦闘を終えた4人に戻りましょう
アーク:レイラ戻ってこないの?
カシウス:それを戻すのが俺たちの役目だろ
GM:もう少しだけセリンと会話しておきましょう。彼女の立場について明らかにしておきます
コーラル:任せた変な人
カシウス:誰だ?
クキバミ:……
アーク:……
カシウス:あー、わかったよ!
カシウス:「しかし、なんでこんなところにいるんだ? プロッソの事件の後、こっちにきたのか?」
セリン:「……私がナイトメアだから」
コーラル:アーク、回復くれ
アーク:はーい(キュアウーンズでコーラルを回復)
カシウス:「……そういうことか」
セリン:「ナイトメアだから、あのあと誰も引き取ってくれなかった。足もないから、もう路上にも戻れなかった……」
カシウス:「……もう大丈夫だ、助けに来たから」
コーラル:助けにきた(いることは知らなかった)
クキバミ:言葉の綾にしては……
カシウス:結果そうなったからいいだろ
アーク:そういうところが……
コーラル:女相手にいい顔したがるんだよな、こいつ
セリン:「……嘘だ。私はもう誰も信用しないよ。みんながそう言った。何人も、何人も!」
カシウス:地雷を踏んじまったぜ!
セリン:「でも私だって知ってるんだから! ナイトメアになんて、足のないナイトメアになんて、どこにも行く場所はないんだって!」
カシウス:……
クキバミ:過酷な世界だな
アーク:そこに運のないナイトメアならいるけど
カシウス:\\\\٩( ‘ω’ )و ////
GM:さて、というわけで、この子の今後についてはシナリオ後に皆さんで相談して決めましょう。カシウスはどういう言葉かけてあげてもいいですが、最終的にはシナリオの後ということで
カシウス:了解。ちょっとだけ話してもいいか?
GM:ええ、もちろん
カシウス:「たしかに、ここにきたのはお前を助けるためじゃない。でも、プロッソでお前たちを助けられなかった……ダインハイトでも……だから、せめて今だけでも、俺は助けたいんだ」
アーク:(またカシウスが女の子口説いてる)
コーラル:(幽霊だから足がなかったわけじゃないのか)
セリン:「……あの人を殺して」俯いたまま言います
カシウス:「あの人?」
コーラル:ハカセっていうの
アーク:黒幕だ
カシウス:間違いないな
セリン:「マグダレーナ。私のツノを折って、私の体を魔術の実験に使って……」
コーラル:ふむ、この屋敷の魔女か
セリン:「殺して。私を助けるっていうなら、私が望むのはそれだけ。殺してよ。あいつを」
クキバミ:魔女を排除するのがそもそも我らの仕事じゃな
コーラル:じゃあ目的は大きくずれてないわけだ
カシウス:ぽいな
クキバミ:……しかし、奴の念押しには『忌まわしきものすべての排除』とあったな
アーク:それは……まぁ……
クキバミ:セリンは含むのか?
カシウス:たぶんセリンだろうな
コーラル:コックのにいちゃんは同情的だったが、領主はこの子まで殺しちまうのがお望みだろうな
カシウス:……じゃあ領主は知っててこの子を置いたままにしてたのか!?
アーク:そうなんじゃないかな。あんまりお金もらいたくなくなってきた
クキバミ:同感じゃな。ともあれ、本当に生かしてはおけない魔女とやらの状態は確かめなければな
セリン:「幽霊たちが言ってた。あの人は地下にいるって。地下で永遠に生きようとしてるって」
コーラル:マグダレーナ・コービットだったのか
アーク:二階で物も飛んできたし
セリン:「私なんて、こんなに死にたいってずっと思ってたのに……あの人は……永遠に生きたいなんて……」
クキバミ:ふむ。永遠の命は明らかに邪教徒に属するな
セリン:「お願い。変な人も、あなたたちも、強いんでしょ? この館の悪霊たちに負けないくらい、強いんでしょ?」
カシウス:変な人
アーク:あってるぞ!
カシウス:変な人は君に殺されかけたレベルには弱いよ!
コーラル:「いやまぁ……アタイは別にターゲットは変わんねぇし構わねぇんだが……」カシウスをちらと見る
カシウス:俺も他のメンバーの表情を伺おう
GM:そしてレイラがいない
カシウス:「あれ?」
アーク:「どうしたの変な人?」
コーラル:「アタイはこういう奴結構知ってるから言っておくけどな、カシウス。背負うなら覚悟がいるぞ? そして背負えるのはお前だけだ」
カシウス:「……まぁ、俺一人じゃそのなんとかってやつはどうにもできないけど……」
カシウス:「なあコーラル」
コーラル:「うん、なんか……」
アーク:「ニタマゴもいない!」
クキバミ:「我の座椅子が!」
カシウス:「レイラがいないんだった! 探すぞ!」
セリン:「あー……たぶん、無理だよ」
カシウス:「無理?」
セリン:「この屋敷の悪霊たちが、仲間にしたがってた。たぶん、もう……」
クキバミ:それを聞いて部屋から飛び出そう、うさぎだっしゅじゃ!
コーラル:「おいっ! あーっ、もう! しょうがねぇなぁ! カシウス、そのお嬢ちゃん連れてこいよ!」海賊ダッシュ!
カシウス:「っておい! クキバミ!」
セリン:「変な人! 私も行く! あれが死ぬのを見るの!」両手伸ばして抱っこアピール
カシウス:「ああわかってる! 一緒に行こう!」
アーク:走りながら「カシウス回復しなくて平気?」
カシウス:「あー、頼む。体の痛み忘れてたよ」苦笑い
アーク:「走りながらだと叩けないよ!」
カシウス:「叩くなよ! じゃあ……ほら、今頼む」立ち止まり
アーク:回復回復!(キュアウーンズでカシウスを回復)
次回へつづく