【ソード・ワールド2.0リプレイ】悪霊使いの家【英雄志望と二つの剣3rd season 2−4】
<前回 |第1シーズン|第2シーズン|レイラ個別|3−1|3−2|
前回のあらすじ
新しい武器を受け取ったコーラルは、そこで仕事についての耳寄りな情報を得る。なんでも魔術師の老婆が奇妙な実験をやったのではないかと怪しまれているそうだ。長城と凍土で蛮族を防いでいる北レシトリアにとって、内地でのアンデッドの発生は大変な事態だ。なぜか動かない教会に変わってこの仕事を引き受けることにした。
GM:さて、オープニングがすでに長いので、合流して事情を伝えるシーンはカットしてしまいます
レイラ:了解です
コーラル:まぁアタイが言って勝手にひっぱっていくだけだろうからな
GM:というわけでフラマンドの東北東に半日行ったところに住んでいる金持ち貴族のボンボン、モーリスさんの邸宅にやってきます
レイラ:エリマキトカゲみたいな白いひらひらついてますか?
クキバミ:ストッキング履いてるか?
カシウス:なんだその金持ちへの偏ったイメージ……
GM:その近辺はちょっとした村になっており、モーリスはこの地域の事実上の領主となっている富豪の家系で、住民は小作人にあたり、極寒のこの地で夏場だけ農業を営んでいます
コーラル:「なかなか金払いは良さそうな依頼主だな! 正解だろ?」
カシウス:「でっかい庭だな……家はどこだ……」
GM:門にはみなさんよりいくらか実力派劣るようですが衛兵も雇われているようです。武器商人の紹介と伝えると、しばらくして門が開かれ、長い歩道を歩いて邸宅にたどり着きます
GM:中からはじめに現れたのはみなさんと同じくらいの実力の衛士長で、みなさんを控え室に案内します
衛士長:「面会の前に、武器をこの部屋においてから入っていただいてもよろしいかな?」
アーク:レイラおいていかなきゃ……
レイラ:誰が歩く凶器ですか
カシウス:「ああ分かった」
クキバミ:「しょうがないのう……」ガン置いていきます
アーク:置いていくぞ
レイラ:私も
コーラル:「えぇぇぇぇ……置いていくならここで待ってちゃダメか?」
クキバミ:「わがままを言うな、武器くらい置いていかんか」
コーラル:買ったばっかりなんだもん! 寝るときも一緒に寝るんだ!
レイラ:……クキバミさんの武器はガンじゃありませんよね
クキバミ:ばれた!
コーラル:お前も言えねぇじゃねぇか! なにマギスフィア持ち込もうとしてんだよ!
クキバミ:分かったわい、全部置いてくわ! ふん!
コーラル:やだなぁ、置いてきたくないなぁ……
GM:さて、武器を置いたみなさんは両開きの扉の向こうにいる青白い神経質そうな男に面会することになります
アーク:ゾンビ?
GM:生きとるわい!
レイラ:アオジロエリマキトカゲ?
GM:人間じゃい!!
モーリス:「ほんとうだ……腕の立ちそうな人たちだ……」
GM:男は左ほほを痙攣させながら愛想笑いらしき表情を作ろうとしますが、青白い顔に全く目が笑っていないことで、不恰好に映ることでしょう
クキバミ:「そっちは今にも腕が折れそうじゃな」
モーリス:「それは……どういうことかな?」
クキバミ:「なんでもないわい、なにやら困りごとがあるようじゃな?」
コーラル:「武器屋のオヤジに言われてきたんだ。幽霊屋敷がどうのこうのってことらしいが……」
モーリス:「幽霊! 幽霊! ああ、幽霊!!」バタバタと手を机の上で何かを探すように動かすと、酒の入ったグラスを両手で掴んで一息に飲みつくします
カシウス:(大丈夫かこの人……)
モーリス:「そう! マグダレーナがついにやりやがったんだ! やはりあいつは悪い魔女だったんだ!」
コーラル:こいつSAN値低そうだな
モーリス:「ああ! だから私は言ったんだ! 私も呪われるぞ! 私も! お前もだ!」衛士長に向かって目をひん剥かせながら指をさして
クキバミ:「……そこの方、説明してくださるか?」衛士長に聞いたほうが早そうだ
衛士長:「どうやら……そのほうがよさそうですね」モーリスをなだめて座らせながら
衛士長:「この村で評判の悪い老女がいましてね、名をマグダレーナと言いました。といっても、どうにも見た目が恐ろしいというばかりで、ちょっと失礼します」
GM:そう断ると、何か薬を取り出してモーリスに飲むように促します
クキバミ:まともな薬か?
GM:薬品学判定で目標値9として判定どうぞ
薬品学判定
クキバミ・アーク 成功
コーラル ファンブル
GM:精神を落ち着かせる眠り薬の類で、飲ませた量も常識の範囲内です
衛士長:「先代から伺った話では、幼少期から奇人として知られていたそうで、虫を食ったとかネズミや鳥の死骸を門に磔にしたとか……」
クキバミ:「なるほど、悪評もやむなしといった感じじゃな」
衛士長:「しかしそのマグダレーナがこのところ姿を現さなくなったわけです。村の者はさすがの魔女も歳には抗えなかったかと思ったのですが、といって誰も館に近寄りたくはないわけです。それに……いえ、まぁ何を申しても言い訳でしょう」
コーラル:ちゃんと埋葬しないから……
レイラ:この世界ってちゃんと葬らないとアンデッド化するんですよね
カシウス:それでか
衛士長:「すると晩に老女の声が村に響きました。昼に庭をいじる様子も、食べ物も買い込む様子もなく、ただ夜な夜な声ばかりするのです。これはと思い、ご当主の命令で下っ端の衛兵を遣わしたのですが、出てきた者はみな錯乱しておりました」
コーラル:結構なアンデッドになってるな
衛士長:「それでご当主も日々気に病まれてこのように……皆さま相当の実力者とお見えします、つきましては……」
モーリス:「金なら出す。あの忌まわしき館を消し去ってくれ。いくらだ! いくらいる!」
コーラル:銭勘定はカシウスの仕事だろ
カシウス:え、そうか? GM、どれくらい出せるんだ?
GM:みなさんのレベル帯だと一人頭4500~5000くらいで、戦利品含めて5000強くらいってところかと
カシウス:そうか……まぁ一般技能マーチャントで判定してみよう
クキバミ:それがいいかもしれんの
GM:ではマーチャント+知力Bでどうぞ
カシウス:2d6+4 → (1,1) → 自動失敗
アーク:知ってた
コーラル:お前だけは振るなと
レイラ:もう流石としか
カシウス:「えーっと、値段は任せる。相応の額があれば仕事はする」
モーリス:「なら4000!」
コーラル:畜生! こういうときだけ正気に戻りやがって!!
カシウス:「それで構わない」
モーリス:「だが、あと500を足す。よいな? 私からの依頼はこうだ」
モーリス:「『あの館に残っているあらゆる忌まわしきものを消し去れ』、館の中のもの全てだ。よいな?」
カシウス:「わかった。こちらからも条件が」
衛士長:「食事と宿なら手配します」
カシウス:「話が早くて助かる」
コーラル:「飯はいいものが食いてぇな」
衛士長:「では相応のものを。ではご当主、あとは私が」
モーリス:「任せる……わたしは……少し眠る……」
衛士長:「かしこまりました。みなさま、こちらに」
カシウス:「ああ、ありがとう」
GM:というわけで、今日のところは半日かけて移動してきましたし、ひとまず休むことにしましょう
次回へつづく