【ソード・ワールド2.0リプレイ】フリップ!フロップ!【英雄志望と二つの剣2nd season 5-4】
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前回のあらすじ
地下水路に現れたという虫型モンスターやアンデッドの撃退を依頼された冒険者たち。マダム・ジャネット(決しておばさんではない)から事情を聞いたアークたちは、昆虫型モンスターがありふれた存在ではないと判断し、目撃場所へ向かった。
GM:では、マダム・ジャネットの家からマギテック協会の方にしばらく進んだところで、急ごしらえの木の板で歩道の片隅が補修されている場所を見つけます。
カシウス:「話に聞いてた感じ、あれか?」
GM:どうやら溶かされているのは金属だけではなく、周囲の石灰質の石にも引きずったように溶けた痕が残っています。
クキバミ:ふむふむ……ここから地下水路に入れたりは?
GM:この位置から入るのは難しいですね。よほどの長さのロープを用意するか、壁を這う道具*1が必要です
アーク:溶けた痕以外なにか傷とかある? 判定でわかるかな?
GM:溶けた痕から情報を得るためには、薬品学判定(目標値12)が必要で、さらにこの位置が地下水路のどの位置に該当するかを記録するためには地図製作判定(目標値11)が必要です
クキバミ:薬品学判定 2d6+8 → (2,3)+8 → 13 成功
クキバミ:地図製作判定 2d6+8 → (6,6) → 自動成功
クキバミ:くうぜんぜつごのおおお
レイラ:さすがうさぴょん
GM:では、クキバミはこの溶け方が強力な酸によるものであるとわかり、ブロブに類する生物が虫型モンスターの姿をとっている可能性に思い至ります
アーク:ブロブってもう遭遇してたっけ?
カシウス:してないかな
クキバミ:魔物知識?
GM:魔物知識判定どうぞ
クキバミ:2d6+8 → (6,6) → 自動成功
カシウス:!?
クキバミ:いええええええ
アーク:なんか覚醒してるウサギがいる……
GM:では、ブロブの上位種、シングの存在を知っています*2
GM:生物に擬態して引っかかった相手を包み込んで消化する魔法生物です
カシウス:擬態看破の難易度がたっけぇ!!
アーク:盾溶かされる!
クキバミ:動物じゃない……デコイミート買い損……
アーク:でも炎が弱点だ! ウサギさんその出目戦闘の時もよろしく!
クキバミ:「……ふむ。これはただの昆虫ではないな。おそらく他の生物の擬態だ」
アーク:「うん……聞いたことがあるよ、武器を溶かす敵だよね?」*3
カシウス:「えっ、なんで二人とも知ってるんだ。クキバミが知ってるのは納得だがアークまで……」
アーク:「防具加工するときにオッチャンが教えてくれたんだ、そういう敵もいるって」
カシウス:「そうなのか」
コーラル:たしか酸は酒があればなんとかなるんじゃなかったか?
カシウス:酒の種の出番だ!
アーク:そっか! ナイス!
クキバミ:そういえば前にエールを買っておいた気がする
アーク:準備万端!
クキバミ:……コーラルに飲まれてた
コーラル:ぐびぐびぐび、うぃーひっく
レイラ:昼間からお酒は感心しませんね……
コーラル:こんなん水と変わんねーよ。じゃあレイラと行動してる間に酒を100Gほど買い占めておくか
アーク:でもレイラはちょっと辛いね。打撃武器だと防護点が5点増えるみたい
レイラ:ご心配なく。ブレードテーピングを持っています*4
アーク:いいじゃん、使おう
カシウス:つよい
レイラ:対策はしてますよ、さすがに
GM:では、事前の探索はこんなところでいいですかね。水路管理公団のところで合流しましょうか
コーラル:ぐびぐびぐび、うめー
レイラ:う、お酒くさい……
GM:というわけで、3人が調査を済ませて町外れの農業地区にある水路管理公団のところにたどり着くと、ワインを飲みながら待っているコーラルと、苦い顔のレイラが待っています
カシウス:「なんでこんな朝から本格的に飲んでるんだ……」
クキバミ:「む、やけに準備がいいなお主ら」
コーラル:「んあ? 何が?」
レイラ:「何がでしょうか?」
アーク:「アルコールだ!」
クキバミ:「なんだ、知らぬのに買ってたのか。運のいいこと……」かくかくしかじか
コーラル:「へぇ。あ、もう一本飲み切っちまった。てか、洗うのに使うのとかもったいねぇなぁ……」
アーク:「武器が溶けちゃうよりマシだよ?」
コーラル:「まぁ、そりゃそうだな。しかし、もったいねぇ……」
レイラ:「ケチって武器溶かさないようにしてくださいね。それと、そいうことなら私はテーピングしておいたほうがよさそうですね」というかそんな酸を殴って大丈夫なんですか? 手が骨になりませんか?
GM:さて、水路管理公団はこの大きな取水口に設置された螺旋階段なら中型の戦闘用魔動機までは運びいれることができるという都合から、この位置に本部が置かれた団体です。
GM:お尋ね者のみなさんにとっては幸いなことに、この団体は巨大な魔動機を扱うという業務内容からマギテック協会によって運営されているため、騎士団の役人は中におりません
GM:なおこの取水口のあるこの施設は白っぽい謎の素材で塗り固められたような真四角の味気ない建物で、その脇にある窓のついた小屋からはごうごうと唸りを上げる謎の施設があります(ポンプ施設)
GM:その脇に、安っぽい木の看板で「帝国マギテック・水路管理公団」と書かれております
クキバミ:「じゃあこちらからも話を聞くか。今回はどこかきな臭い」
レイラ:(妙な建物ですね……)
GM:白い四角い建物に入ると、中にはたった3人の作業服に帽子をかぶった人々が、退屈そうにボード・ゲームに興じています
コーラル:ふむ
クキバミ:呑気なものだな
カシウス:(この街はまだ平和ってことの証拠、だよな……)
GM:みなさんが中に入ってきたのに気づくと、悪びれる様子もなく皆さんのほうを見て、さらに盤面をよく見て確認したあと、ゲームを中断して一人がみなさんに挨拶します
配管工M:「やあどうも、どうかしましたかね?」
コーラル:3人……Lもいるのか……
カシウス:「ああ、聞きたいことがあって
アーク:「依頼のお話聞きに来たよ!」
配管工M:「それじゃあアンデッドを退治してくれる冒険者ってことだね! やっふぅー!」
アーク:「そうだよ! そのアンデッドについてわかることないかな?」ウサギさんに教えてあげて!
配管工M:「えっと、その区画の担当は……」
配管工L:「僕から話すよ」もう一人が卓から離れて話し始めます
コーラル:ゲームのほうじーっと見てよう
GM:あ、見てる人いますか
GM:二人が離れたのを見計らって、もう一人がこっそり駒を動かしています
コーラル:(黙っといてやるから1Gな)
アーク:カツアゲされてる……
配管工W:ちっ仕方ねぇな1Gやるよおら
配管工L:「ええと、正直この地下水路って、僕たちにとっても何が何だかわからなくてさ」
アーク:「アンデッドの特徴さえ教えてくれればいいよ」
配管工L:「ああわかった、特徴だね。ええとそうだな……僕が見たのは武装した人骨だったよ」
クキバミ:ふむふむ
アーク:スケルトン系か……あれ? 骨って逆に斬撃がクリティカルできないんじゃ
配管工L:「初めは弱いスケルトンかと思ったんだけど、ガーウィが1機やられてしまってね。たぶん長い間地下水路でさまよってたせいで、なんというか、よほど負の力がたまっちゃったんだと思う」
GM:というわけで魔物知識判定をどうぞ
魔物知識判定 → クキバミのみ成功
GM:では、クキバミだけは上位のスケルトン系アンデッドとして、スケルトンガーディアンというものを思い浮かべます*5
アーク:強いやつだ
カシウス:つよそう
アーク:カシウスが避けられない攻撃してくる
クキバミ:そしてやはり斬撃耐性があるな。打撃と斬撃を使い分けよというわけだ
レイラ:テーピングもう巻いちゃったから、先に酸の方お願いしていいですか?
クキバミ:うむ、そうするか
クキバミ:「ふむ……かなり高位のスケルトンじゃな。そんなのがこの街の地下におったとは」
配管工M:「わお! どんな敵なのか目星がつくんだね!」
アーク:「強いの?」
クキバミ:「戦い方を間違えなければなんとかなるだろう」
配管工W:「いや、それだけじゃねぇぞあんたら」コーラルに銅貨を放り投げたあと、奥から一人立ち上がります
カシウス:「ん?」
配管工W:「他にも地下水路にはたくさんのアンデッドがうろついてる。そしてアンデッドの連中っていうのは、一つ強いのが出たら、どういうわけかつるみやがる」
コーラル:「ふーん」
配管工W:「レブナントが出るかゴーストが出るか……俺にゃわからねぇが、魔法の武器やら銀の武器やら、用意は怠るなよ?」
カシウス:「めんどくさそうだな……」
レイラ:(お、お化けが……)
コーラル:「あんがとよおっちゃん。とりあえず、ある程度の準備はしておけってことだな」
配管工M:「とりあえず、僕らから言える注意はそれくらいかな。あ、あと地下水路の中は暗いから、明かりの用意が必要だよ。準備ができたらいつでも声をかけて。僕が下までは案内するよ」
GM:というわけで情報が揃ったところで準備タイムです。準備がある方は宣言してください
コーラル:いや、もう大丈夫だな
アーク:ごーごー!
GM:では、配管工Mは鍵を手に取り、ガーウィ1機を起動して、高らかに声をあげます
配管工M:「ヒアウィゴー!!」