【ソード・ワールド2.0リプレイ】フリップ!フロップ!【英雄志望と二つの剣2nd season 5-1】
<前回 |第1シーズン|2nd−1|カシウス過去編|2nd−2|2nd-3|2nd-4|2nd-5|
GM:というわけで、自由の街、魔動機都市ムートランドの冒険者の宿から物語をはじめます。
GM:この街には軍隊がおらず、簡単な警察組織こそいますが、冒険者が多くを請け負うことの多い街となっています。
コーラル:警察組織ねぇ……いままで軍隊と付き合ってたからなぁ、どうしても頼りなく感じるぜ
GM:統治者に皇帝の弟が据えられていますが、彼は一切の騎士を従えていません。ムートランドは一大農産地であり、ここで反逆的な挙兵が行われると危険であるためです。
レイラ:一応帝国領なんですよね?
GM:はい、帝国領ですが、騎士団による軍国主義的統治ではなく、自由共和制状態にある珍しい土地です
GM:また、魔動機都市という肩書きですが、この街は大破局の際にフィネア地方人族の最終防衛線になり、首都奪還作戦の本拠地ともなりました
GM:それゆえ、当時の珍しい魔動機が街に残っています。ただ、その動力が長きに渡る戦争と混乱のために失われており、大半がただ残っているだけという状態に陥ってしまっています
クキバミ:それを再起動して、フィネアにもう一度文明の火をもたらすのが我の夢
カシウス:そうだったのか
GM:さて、そんな特殊な街ですので、わりとワケアリの冒険者が集まる街でもあります。それゆえ、この街出身のクキバミならば、身を寄せるのにちょうどいい宿の存在を知っていることでしょう
クキバミ:昔馴染みの店でな、仕事がもらえるとは限らないが……
コーラル:ベッドと風呂と飯がありゃ文句はねぇぜ
GM:本日のシナリオはメンバーの誰かが魔剣についての情報を持ち帰った冒険者の噂を耳にすることから始まります。せっかくですし、聞き耳判定で一番いい目を出した人を採用しようと思います
聞き耳判定
アーク:2d6 → 9
カシウス:2d6+5 → 10
レイラ:2d6 → 7
クキバミ:2d6+5 → 13
コーラル:2d6+4 → 12
GM:ではクキバミですね、さすがの耳
GM:そしてクキバミならこの冒険者とは知り合いかもしれません。タビットのよく知られた冒険者で、本名は誰も知りませんが、彼は自分のことを「マスクのゾロ」と名乗っています
コーラル:名前まんまなのかよw
アーク:二つ名かっこいい
クキバミ:カツラのアーク
カシウス:事実だけど……なんて不名誉な……
クキバミ:「おお! 久しいなゾロよ、お主まだそんなキザったい格好をしておるのか」
ゾロ:「ん……? 誰かと思えばクキバミじゃないか、お前も相変わらずそんな格好で歩いているのか」
クキバミ:「地元に戻ると懐かしい顔に会えるのう。変わりはないか?」
ゾロ:「そうだな、いい方向に変わったよ。ずいぶん景気がいい。ツキも回ってきているみたいでな」
レイラ:ニンジンいっぱいなんでしょうか
コーラル:ここだけピーターラビット
アーク:シルバニアファミリー
クキバミ:「この時代の節目において好調とは、日頃の行いがよかったんであろうな。できれば我もそのツキとやらに乗りたいものじゃ」
クキバミ:おら! 食い扶持よこせや!(意訳)
ゾロ:「ふっ……お前も俺と同じはぐれもの……昔のよしみだ、話してやらなくもない。このゾロ様が……
ゾロ:開闢の魔剣クラウ・ソラスにまた一歩近づいたという話をな!」マスク・オブ・ドヤ顔
コーラル:うわっ、うそくせぇぇぇぇぇ!
コーラル:ゾロ本人はそう思ってそうだけどキャラ的に勘違いしてそうでうそクセェェェ!!
レイラ:言われてみれば確かに!
カシウス:生き方からして勘違いしてるもんな(苦笑
クキバミ:ゾロはクラウ・ソラスにどういう関心を持っているのかな
GM:この地方の冒険者と同じく、それを発見するためにしばしば遺跡調査に赴いていますが、それを使って覇道を唱えるなどとは考えておらず、幻の魔剣を発見した冒険者として名をあげたいというのが率直な彼の興味です
クキバミ:タビットらしいや
クキバミ:「ほう……詳しく聞きたいな」にんじん料理と酒を奢ります
コーラル:GM、レイラかアークを同席させたら?
GM:クキバミと会話するきっかけにもなるしいいかもしれませんね
コーラル:魔剣関係の話なら、3人の誰かがいた方がスムーズだろうからな
レイラ:どちらがいきます?
アーク:どっちでもいいよ
コーラル:クキバミが話しやすい方がいいと思うぞ
クキバミ:じゃレイラ
GM:では、話を聞くためにニンジン料理を頼もうとすると、少しシュンとしたレイラが通りかかります
クキバミ:「おっと、連れがきたんじゃが、一緒に話を聞いてもいいか? この話を聞けば喜びそうじゃ」
ゾロ:「ほう、お前にも仲間ができたのか。なに、俺の武勇伝に客が増えるのは構わんさ」
クキバミ:「レイラ、我の昔馴染みがなにやらよい情報を持っているそうじゃ、一緒に聞かんか?」
レイラ:「え? あ、はい」(うさぎさんだ……)
レイラ:「どうも、レイラ・フェルンホルムと申します、はじめまして」
ゾロ:「この娘っ子がツレか。俺はすでに自分の名前を捨て、名もなき男ゾロとして生きるさすらいのタビットだ」
レイラ:イラッ☆
レイラ:「クキバミさんと一緒に行動しています。宜しくお願いします。……ご友人の方ですか?」
クキバミ:「いわゆる腐れ縁じゃな」
GM:では、4人席の壁側の柔らかいソファー側にでんと偉そうに座って、木の椅子に座るよう勧めます
クキバミ:こちらから話を聞きにいったほうがいいですかね?
GM:あ、いえ。ゾロは勝手に話し始めます
ゾロ:「さて、クキバミ。俺とクラウ・ソラスの物語は……そうだな、4年前に始まった……」
クキバミ:4年前から話すのか?
レイラ:嫌な予感がします
GM:ゾロはソファーのうえに立ち上がってレイピアをブンブン振り回し、自分の冒険を舞台さながらに再現しながら語ってくれます
クキバミ:こいつ演劇の見過ぎじゃな、我を見失っておる
一同:……
ゾロ:「魔物は牙をむき出しにして襲いかかってきた! 俺はとっさに剣を抜き、身をかわしながらひとつ、ふたつ! 切り裂いた! 相手が火を噴き! 俺のマントを焦がす! それでも怯まずに、俺の突き出した刃は……魔物の息の根を止めた!」
レイラ:この情報、ダメそうですね
GM:独演会はこの調子で続きますが、しばらくしてようやく本題に入ります
ゾロ:「そしてたどり着いた先で、俺は魔剣の秘密を知るとある一族の名を知ることになった……」
レイラ:また嫌な予感がします
ゾロ:「今は亡きダインハイト公国の公王ヤクーシャ・ヴェルチへと連なるヴェルチ一族こそ、魔剣の鍵をにぎる人物に違いないとな!!」腕組みドヤァッ!!
アーク:わーすごーい
クキバミ:ふーん
レイラ:……がくっ とうなだれます
ゾロ:「……しかも、だ!」
レイラ:「!」
ゾロ:「おっと、これ以上はよしておこう。魔剣の鍵を握るもう一人の人物の情報は」納刀
ゾロ:「俺の『これから』を照らす光だ。ただでは教えはしないさ」ソファにポンッと座ります
クキバミ:「お主が栄光以外に欲しいものがあったとはな。何か望みでもあるのか?」
ゾロ:「おや、教えて欲しいのかクキバミ。残念だが、あの『クラウソラスの詩』の秘密を知る人物の話など……」
ゾロ:「げふんげふん」
レイラ:このまま誘導尋問してたら全部教えてくれそうですよこのひと
ゾロ:「いや待てよ……クキバミ、ムートランドの地下水路のあの噂を知っているか?」