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【ソード・ワールド2.0リプレイ】弱くても、進む【英雄志望と二つの剣2nd season 4-12】

<前回 第1シーズン2nd−1カシウス過去編2nd−22nd-32nd-4

 

前回のあらすじ

アイラットで巻き起こっていた政治的混乱は、冒険者たちの物語と交わりながら、騎士団営所で大型魔動機が市民に発砲するという事件で急速にクライマックスへ向かった。すでにこの事件が帝都で知られていたという事実は、この騒動が商会派によって仕組まれていたことを暗示していた。前線指揮官を下されたフロンタ・ラトヴィック隊長は、その権限を活用できる最後の機会にアークたちを逃すことに決め、いまその指示に従っていたコーラルに声をかけた。

 

 

フロンタ:「それから、コーラル」

コーラル:「ん?」 

フロンタ:「お前にクエストをかけたプリーストを覚えているか?」

コーラル:「ああ、あんたに負けず劣らずの……ああ、あっちは剃ってるのか、そいつがどーかしたのか?」

フロンタ:懐に手を入れて、小さなブローチのようなものをコーラルに投げます

コーラル:受け取る「なんだこりゃ?」

フロンタ:「それを見せれば解除できる手筈になっている。案内まではできないがな」

コーラル:「……あ?」

 

コーラル:「ちょっと待て! どういうことだそりゃ! アタイは海賊の死刑囚だぞ!? なんだってこんないきなり無罪放免みてーな!!」

フロンタ:「無罪放免だなどと思わないことだ。ただ、それが必要になる時が来るかもしれんというだけのこと」

コーラル:「それって……いや、それはわかったけどよ! んなことしたらアンタの立場はどうなる!?」

フロンタ:「……お前の知能でもそのくらいはわかると思った私が馬鹿だったようだな」

 

フロンタ:「……だが、これは君達にも伝えておこう。すでに私の立場はない。帝都から出頭命令がきた。市民暴動に対し発砲、ほんの2分前の事件の咎でな」

レイラ:「!!」

カシウス:「そうか……」

クキバミ:(あちゃあ……)

コーラル:「早すぎる!! なんで! なんでアンタがはめられてんだよ!!」

フロンタ:「知らん。だが、私はそれを確かめるために帝都に向かう。おそらくそこに、この『帝国』の悪があるのだろう」

コーラル:「……」

フロンタ:「理解したか? 私の敵は『帝国』になった。お前と同じだな」不器用に少しだけ口角を上げます

コーラル:足音荒くフロンタに歩み寄って、胸ぐらを掴みあげる

フロンタ:抵抗せずにコーラルの目をまっすぐに見ます

コーラル:「……応えろ。アンタは、アンタは何だ? 『帝国』の敵になったアンタは、何者だ、フロンタ・ラトヴィック?」

フロンタ:「正義……とは言わないが、私は、私の信念とこの国の民のために生きる……騎士だ」

コーラル:しばらく胸ぐら掴んだまま睨みつける

フロンタ:「……」

コーラル:ぐいっと引き寄せて、思い切り歯と歯が当たりそうなキスをする

レイラ:「あっ……」

コーラル:んで、突き飛ばす。顔赤くしながら、上目遣いに睨み上げて

カシウス:「ぁ~~」空気読んで背を向けてあげよう

 

コーラル:「死んだらブチ殺すからな、帝国騎士様よぉ……」

クキバミ:「ひゅ~っ、いい餞別じゃな」

フロンタ:「ちっ、死んだらまたお前と顔を合わせんといかんというなら、ますます死ねんな!」目のやり場に困りながら

コーラル:「ばーか! ハゲ! 死ね!」と言いつつレイラのもとに逃げ込む

レイラ:「……唇切れてますよ? アースヒールします?」少し嬉しそうに

コーラル:「いらん……」ぶすー

 

フロンタ:「……まったく、貴様にはいつも調子を狂わさせられる……アーク!」

アーク:「!」

フロンタ:「これで会うのは最後になる……とは言わんが、私がお前に託したということ、忘れるな」

アーク:「……もう、間違えないよ」

フロンタ:「馬鹿なことを言うな」

フロンタ:「お前は私が大間違いを犯すからこの街から逃げ出し、そして生き残るんだ。大いに間違え。いまさらひとつやふたつの間違いを気にするんじゃない」

アーク:「ううん、僕は間違えた。だって……」

フロンタ:肩を軽く叩いて「そうかもしれん。だが……」そう言ってカシウスの方を見る

 

カシウス:「あぁ、そうさ……たとえお前が間違えても、俺たちがお前を支える。忘れるな、お前は一人じゃないんだ」アークに近づく

アーク:「僕がみんなに頼らなかったから……」

カシウス:「どんなに間違えても、俺にはアークが必要だ。レイラやサラーだって、ここにいるみんなもそうだ」

アーク:まだ起き上がってすぐだから少しよろけるよ

カシウス:俺が支えてやる!

カシウス:「アーク、お前約束しんたんだろ? アイツより先に魔剣を見つけるってさ」首飾りをポケットから取り出してアークに差し出すよ

アーク:「……」

 

アーク:受け取るべきなのかな?

GM:どちらでもいいと思いますよ。アークの心がそれを受け入れるだけの用意ができているかいないか、いずれの場合でも、GMとしてはそれに応じてシナリオで応えます

コーラル:今は受け取れなくても、カシウスがしばらくその責任を肩代わりしてくれるぞ

レイラ:それでこそ仲間ってものです

 

アーク:うーん……

GM:差し出された首飾りを見つめたまま、アークはしばらく言葉も発さずに動きを止めます。それを見守る冒険者たちも、不思議とアークの判断にすべてを任せようと、誰も口を開きません

アーク:「……そうだね。せめてフレッドに自慢できるように、頑張らなきゃ」迷った挙句、受け取るよ

カシウス:「アーク、お前の重荷は俺たちも一緒に背負ってやれる。だから……」

 

カシウス:「忘れないでほしい。お前には俺たちがいるってことを。その首飾りは、みんなの思いが詰まったものだって」

 

アーク:「……うん、一緒に……」

 

GM:その様子を見て、フロンタはひとつ頷いて、ミカに合図もせずに踵を返して歩き去ります。ミカは傷だらけの体ですが、慌てて立ち上がって小走りにそれに従おうとしますが、カシウスの横ではたと足を止めると、一瞬どういう行動をするのが正解なのか分かりかねるように視線を泳がせると、ためらいがちにカシウスに対して小さくお辞儀をして、目も合わせずにもう一度小走りに走り去っていきます

 

GM:さて、クィンドゥームの上で戦利品を漁っていたクキバミさん

クキバミ:あい?

レイラ:こんな中でそんなことしてたんですか……

GM:あなたの故郷ムートランドへの冒険者たちの移動を先導する旨、ここで宣言いただいてよろしいでしょうか?

クキバミ:少し待たれよ

GM:はいはい?

 

クキバミ:「……ハッハッハ! お主らの行く先、我もこの目で見たくなったわ!」

レイラ:!!

カシウス:強い

クキバミ:「ついて参れ! 我に任せればすべてうまくいく。なんなら観光までさせてやるぞ。ムートランドは我の庭じゃ!」安全の保障はしないけど

コーラル:「……ハッ、仕方ねぇ。ここにもいられねぇし、クエストを解いてもらわなきゃならねぇし……案内させてやるよ、ウサ公」

レイラ:「ムートランドですか……少し長旅になりますね」

カシウス:「急いで荷物をまとめるぞ。あの話だと、もうあまり時間がない」

 

GM:というわけで、英雄志望と二つの剣、第2シーズン第4シナリオ、これにて終了です!

GM:みなさんほんとに展開盛り上げてくれますね! お疲れ様でした!

一同:お疲れ様でしたー!

 

戦利品収集

 クィンドゥーム → 魔動機部品 300G ×2
  レドルグ   → 悪魔の結晶 800G

 

2-4「弱くても、進む」シナリオクリア

 経験点   目標達成 1100 +撃破630 =合計1730点
      (配置されていたが戦闘回避したエネミーを含む)

 報酬    目標達成 4000G
       戦利品  1400G(一人当たり280G)

 

 

次回につづく