TRPGをやりたい!

TRPGのトビラをひらこう!

どうしてオリジナルシナリオを書きたいのかに端を発したぼやき

 シナリオの書き方関係の記事を以前は定期的に上げていましたが、半年くらい前からいろいろなところに小さな躓きを感じていて、そういうことを話さずにきました。「結局自分の作ったシナリオで語るしかないのよね」という考えになって、作り方を紹介してもなんだか意味のあることなのかよくわからなくなっていたからです。

 

 こうした心の躓きの背景には、実は「どうしてオリジナルシナリオを書きたいと多くの人が思うのか」を理解できていないという問題があったのではないかと思います。

 

 

僕自身の話と感じ続けていた「躓き」

 僕自身に限った話をすれば、「書きたいし、書けるから、書く」という「意欲・能力・実行」の三つが重なっていたから、これまでTRPGをはじめて2年4ヶ月の間に15の販売シナリオに関わり、ほとんど同数の無料シナリオも公開してきました(全システム合計)。これは僕自身が「死ぬまでに自分の魂の作品を世に出しておきたい」という考えを抱いており、研究職を辞めてこの活動に打ち込んできたことも関わっています(初期の作品が“重い”のはそのせい)。

 

 しかし僕とは違って多くの人は、シナリオを書きたい=魂の作品を世に出しておきたいなんてことは思わないことでしょう。その点、僕は本当の意味で「なぜオリジナルシナリオを書きたいという需要がこれほどまでに多いのか」を理解してこなかったと思いますし、同時に「書きたいのに書けない」という能力の不足についても理解していないように思いますし、さらには「書く能力があるけど実際に書き上げるに至らない」という事態についてもあまり理解が及んでいないように思います。

 

 そんな僕が「シナリオの(僕なりの)書き方」について語っても、「書ける奴は初めから書いているし、書けない奴は書けない」というただそれだけの厳然たる事実に抗うことはできません。「書けない人が書けるようになる」という理想形は到底到達し得ず、いったいなんのために「シナリオの書き方」を書いているのだろうと頭をかかえるに至り、結果として「心理的躓き」に至るわけです。

 

書けない人にハウツーを届けることの意味

 でも「シナリオを書きたいけど書けない」と悩んでいる人がいるということは、大きな意味では「TRPGを楽しみたいけど思うように楽しめていない」という意味でもあります。このブログは「僕がTRPGで楽しんでいる様子を見て、自分も楽しみたいと思える人が一人でも増えたら嬉しいな」という素朴な考えがはじまりだったりもするわけです。そう考えると、いまだに検索ワードで「TRPG シナリオ 書き方」などの単語が多い状況を考えると、自分にも何かできないのかなと日々考えることになりもします。

 

 だからこそ「TRPGってこうしたら楽しいよ、楽しくなるよ!」というのを日々発信しなければと思うのですが、その一方で「僕の思うこと感じること」と「みんなが思うこと感じること」の間の隔たりについての「心理的な躓き」が邪魔をして、なんだかうまく筆を取れません。今筆を取っても、「僕が楽しいと思っていること」と「みんなが楽しいと思っていること」はズレるだろうし、「みんなにできること」と「僕のやっていること」もまたズレるだろうし、結果としてリプレイは書けてもハウツー関係が一切手につかないというそういう心理状況が長く続いています。

 

初心にかえったシナリオ作成体験

 そんななか、現在、とある卓で本当に久しぶりに純粋にその卓のメンバーを楽しませるためだけのシナリオ作りというのをやっています。ダブルクロスのリレーキャンペーンで、リプレイ化も予定されていない純然たる趣味のセッションです。

 僕自身ダブルクロスでシナリオを作るのはほとんど初めてのことで、実に様々なことがよくわかりません。しかし一つだけ言えることは、シナリオ作成の最も素朴で純粋な目的意識がここにあるような気がするということです。

 

 すなわち「卓の仲間を楽しませるためにシナリオを作りたい」という欲求こそ、もっとも本来的で基礎的なシナリオ作成の動機なのではないかと思うのです。

 

 シナリオを作成するとき、世界に対する挑戦というか、トライアルに掛けるような気持ちで発表しようとする人はそう多くないでしょう。同人誌での発表や無料シナリオとしての発表を目標にしている人も多いとは思いますが、そうしたひとは「書ける人」であって「書けない人」ではありません。シナリオの書き方は「書けない人」=「TRPGを楽しみたいけど思うように楽しめていない人」=「卓の仲間を楽しませるシナリオを作りたいけどうまくできていない人」に向けて書かれるべきものではなかったでしょうか。

 

なんだか忘れていた基本的なこと

 こう整理してみても、実のところ、僕の心理的な躓きが完全に解消されたようには感じられません。でも、少なからずこの考えについて筆を取ってみようという気になったことだけは事実です。そして今回は、あえて思うがままに言葉を連ねてみました。

 実は万単位のアクセスを得るブログになってからというもの、この小さな心理的な躓きのせいで筆が取れないくらいには、記事に責任を感じるようになっていました(ときおり奮起してかつての更新ペースを取り戻そうと頑張ってもみたり……)。しかし、この「TRPGを楽しみたいけど思うように楽しめていない」人がいるという考えに至ったとき、やっぱり僕にできる最低限のことでも筆を取り続けなければなと感じました。

 

 もっとも大切なのは、このブログにしても読者の皆さんにしても、「TRPGを楽しむ」ということです。そして僕にできることは「TRPGをやっていると楽しいよ」というメッセージに、「もしかしたらTRPGを楽しむお手伝いになるかもしれない」という一抹の期待を添えたコンテンツの発信にとどまるのかもしれません。

 

 遊びや趣味ですらもこうやって真剣に考えないとやっていられない僕のブログですが、今後とも僕なりの楽しさを紹介しながら、ぼちぼちと続けていこうと思います。ちゃんとしたハウツーというより発見の報告みたいな形になるんでしょうか……そう更新ペースにも拘らず、ぼちぼちとやってみます。