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【ソード・ワールド2.0リプレイ】動き始めた歯車【英雄志望と二つの剣2nd season 2-3】

<前回 第1シーズン2nd−1カシウス過去編2nd−2

 

前回のあらすじ

フレデリック、そしてノイとサラーが去った。3人の手元には心尽くしの贈り物だけが残された。もはや3人が共に行動する理由はない。しかし状況はそんな3人の心に応えてくれるわけもなかった。サラーの師匠でありこの臨時前線基地を統括するフロンタ・ラトヴィックは、3人になにやら用事があるらしい。

 

フロンタ:「さて、彼がいなくなるのは予想外だったが……君達に頼みたいことがある」

カシウス:「ん? 頼みたいこと? なんだ?」

フロンタ:「事態は深刻だ。市民には情報を漏らしてはいないが、蛮族の攻勢はすでに始まっている」

レイラ:「!?」

カシウス:「もう始まってるのか……」

フロンタ:「散発的なものだがな。それゆえ、防衛線自体が突破されることはないと確約する。しかし、攻撃が散発的というのにもまた別の問題があってな」

フロンタ:「結論から言おう。小競り合いに乗じてこの騎士団営所へ単独で潜入してきた蛮族がいた」

レイラ:「っ!!」先のレッサーオーガ侵入事件が頭をよぎります

カシウス:「おい、じゃあ俺たちに頼みたいことって……」

フロンタ:「いや、その侵入者を叩けということではない。愚かにも私を狙った侵入者はすでに私が処分した」

カシウス:「なら、もういいじゃないか」

フロンタ:「いや。それがそうもいかない。相手がこの一回で侵入攻撃を諦めるとは思えん。そのうえ、次も私を狙うなら心配いらないのだが、おそらくもう一人の要人を狙うに違いない」

レイラ:「もう一人の要人とは……?」

フロンタ:「コリンズ侯爵だ」

カシウス:「ああ、このあいだ農民も言ってたな。『領主様は徴税を認めてない!』とかなんとか」

フロンタ:「このアイラットは歪んだ街でな。皇帝直轄の我が開拓事業団と、本来の領主コリンズの二重統治状態になっている。コリンズ侯爵はこの情勢下でも、自分の領地にこだわって狭い視野でものを見ている」

レイラ:「そんな、この状況下でですか……」

フロンタ:「ああ、つくづく呆れるよ……とはいえ、彼がここで蛮族の手により暗殺されると多重に面倒が起こってしまう。蛮族側には、そういう政争を得意とする参謀がいるようだしな。ダインハイトの二の轍を踏む訳にはいかん」

カシウス:「ノイルか……」

レイラ:(断固として思い出しません)

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↑ 忌まわしきファーストキスの記憶

 

レイラ:「それで、私たちは彼の警護をすればよろしいのですか?」

フロンタ:「そういうことだ。彼は開拓事業団側の本国騎士を嫌っていてな。こちらが警備をつけると伝えても、農民から組織した自警団で十分だと言って聞かない」

カシウス:(ほんとに呆れるやつみたいだな……)

フロンタ:「そこで折衷案をとって、君たち冒険者の出番ということだ。3日ほど、彼の周りを調査しながら警備してくれ。相手も守りの剣の領域にそう長くいられる訳ではない。必ず尻尾を見せるだろう」

レイラ:「わかりました」

カシウス:「よし、わかった、それで……」

フロンタ:「しかし、3人では心もとないな。相手も手練れに違いあるまい」

カシウス:「ん、ああ。だが、他に頼める人って言っても、俺たちもここには来たばかりだし……」

レイラ:「……」残った二人の顔を見る

レイラ:(私がしっかりしなきゃ!)

フロンタ:「……ちょうど使いどころかもしれんな。ミカ、あのうるさいのを呼んでくれ」

カシウス:「心当たりがあるのか?」

フロンタ:「少しやかましいんだが、腕は確かで強制的に信頼のおける状態にした者がいる」

カシウス:「強制的……?」

レイラ:「強制的に……?」

 

扉の向こうの声:「っせーなぁ! あんなハゲのオッサンにアタイが呼ばれて行くわけがねーだっあだだだだだだだだっっっ!!?」

フロンタ:「今の声だ。うるさいだろう?」

レイラ:「えっ……えっ、あの……」

フロンタ:「黙ってここまで来い! 帝国のための仕事だ!」

扉の向こうの声:「わかったよ! いけばいいんだろ! いけば! ……こんの……」

 

コーラル:「クソハゲオヤジがぁっ!」扉蹴破って登場

カシウス:扉開けてあげよう

 

一同:あっ

 

レイラ:カシウスさんってどうしてこうタイミングがずれるんですかね……

カシウス:……俺、ふっとぶのか?

GM:吹っ飛びます。扉の下敷きになり、その上にコーラルが乗ります

 

カシウス:「ちょっ ごふぁっ!?」

アーク:「あ」悩んでてもさすがに声が出る

レイラ:「ああ! カシウスさん!」

コーラル:「おらぁっ! 来てやったぞ! さっさとアタイのクエスト*1解きやがれ!」

フロンタ:「はぁ……その横暴さが治るまでは無理だ」

カシウス:「ぐえっ……出して……」

レイラ:「ちょっと! 踏んでます! 踏んでますって!」

フロンタ:「というわけで紹介しよう。こちら、コーラルなんとか。元海賊の女傑でうるさい小娘だ」

コーラル:「なんとかじゃねぇ! セルニーシアだ! セルニーシア海賊団三番隊特攻隊長! コーラル・セルニーシアったぁ、アタイのことさ!」

レイラ:「海賊、ですか!?」

フロンタ:「“元”海賊だ。今は帝国の狗だ。……それで、コーラル。この3人と一緒にコリンズ侯爵の警護だ。報酬も出す。本来破格の待遇だ、黙って従え」

コーラル:「元でもねぇよ! クエストさえなけりゃ、誰が帝国のためなんかに働くかよ! ハゲ! スケベオヤジ! 髪切れダセェ!」

 

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↓このへんにカシウス

PC7 コーラル・セルニーシア シャドウ/16歳/女

 フィネア南部で活動していたセルニーシア海賊団の女海賊。数ヶ月前に行われた騎士団による一斉摘発の際、仲間たちを守ろうとして自身が捕らえられてしまった。当然、死刑を宣告され執行日を待つだけだったのだが、フロンタが皇帝に掛け合って表向きは執行待ちの状態としたまま、神聖魔法クエストによって命令に逆らえない状態にしてフロンタの私兵とした。

 

カシウス:「と、とりあえずそこどいてくれ……重い……」

レイラ:「あ、カシウスさん!」

コーラル:「ん? なんだ? なんかポイズントードを潰したみてぇな声が……」ふみふみ

カシウス:「ちょっ下、下!」

コーラル:「おぉぅ!? なんだに兄ちゃんそんなとこで。マゾなのか?」扉の上にうんこ座りして体重かけつつ覗き込む

 

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カシウス:「お前がいきなり扉を蹴破ってくるからだろ!?」

コーラル:「おい、“この3人”ってこいつらとか?」ふみふみ

フロンタ:「ああ、そこの公国騎士と、赤髪と、踏み台の3人だ」言いながらおもむろに後ろに置いてある武器からメイスをとります

コーラル:「へっ モヤシ女とドMにいちゃんと赤頭のガキかよ!」

フロンタ:何も言わずに、メイスをコーラルに投擲して扉の上から叩き落とします

コーラル:あうちっ!

レイラ:!?

アーク:もうずっとポケーっと見てる

 

コーラル:「いってぇなぁ! 女の顔に傷残ったらどうするつもりだ!」

カシウス:「いっつつ……なんだったんだいったい……」這い上がり

フロンタ:「だいたい手懐け方はこうだ。もとより丈夫だから無理も効く。鉄砲玉にしろ」

レイラ:「え、えぇ……」

アーク:誰が手綱握るの、これ?

カシウス:こんな暴れ馬乗りこなせるのはレイラしかいない!

レイラ:馬・アンダー・ザ・ゴリラ

 

フロンタ:「まずは向こうにも挨拶に行ってみてくれ。お目通りが叶うかわからんがな。騎士が行くよりはいいだろう」

コーラル:「コリンズ侯爵ねぇ。あんなん、殺されちまえばいいのに」

フロンタ:「黙れ。では頼んだぞ。くれぐれも不覚はとるな」

レイラ:「かしこまりました! それでは失礼します!」

GM:では、これで一つシーンを切りましょうか。せっかくですし、このあとコリンズの屋敷に移動する間の雑談として、コーラルさんとの絡みの練習をしてみてください。

 

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次回へつづく

*1:命令を与え逆らうと1点ダメージを与える神聖魔法。西遊記の孫悟空の頭の金箍児(きんこじ)のようなものと思えばわかりやすい。