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【ソード・ワールド2.0リプレイ】動き始めた歯車【英雄志望と二つの剣2nd season 2-2】

<前回 第1シーズン2nd−1カシウス過去編2nd−2

 

前回のあらすじ

フレデリックが帝都に迎えられるのを機に、二つの道を選んだ冒険者たち。使用人としてフレデリックに随行するノイと、帝都に用事があるというサラー。かたやアークたちはアイラットに守るべきものも、互いを結びつけるものもなく、ただ残されることとなった。

 

レイラ:「……あ、魔剣といえば、その遺跡でフレデリック殿がつけているペンダントによく似た形のくぼみがあったんですが、何かご存知ないですか?」

カシウス:「あぁ、そういえばあったな、そんなの」

フレデリック:「ん? これか? 私もよくは知らないんだ。父上にもらったものでな」

レイラ:「そうですか……魔剣の手掛かりになればと思ったんですが」

フレデリック:「んー……そうだ、アーク!」

アーク:顔だけ向けるよ

フレデリック:「お前は私と違って自由だからな。これからも魔剣は探す、そうだろう?」

アーク:「そう……なのかな」

カシウス:(なんか、らしくないな……あんなに落ち込んでるのはいつ以来だ……?)

フレデリック:「お前が競ってくれなくては張り合いがない。そこで一つ頼みたいことがある」

フレデリック:「私が取りに戻るまで、これを預かっておいてくれないか? なんといってもな、アーク。帝国の狙いも間違いなく魔剣だ。私とアークの勝負に水を差されては困る」

アーク:「……僕が、これを?」

フレデリック:「そうだ。ひょっとしたら大切なものかもしれないからな。帝国に渡してやるわけにはいかん」首から外して、アークに押し付けるように渡します

アーク:「……うん」受け取るけど、受け取っていいのか迷うよ

フレデリック:「だが、あくまで貸すだけだからな! 次に私に会ったら、ちゃんと返すんだぞ!」

フレデリック:「よし、これで私はこの身ひとつだ。いつでも逃げ出せるな」

 

GM:と、ここで騎士団からの使いの者、前回と同じルーンフォークの女性が来ます

女性騎士:「失礼します。そろそろ商会からの迎えの使者が到着なさるそうです。開拓事業団の本部までご同行願います」

フレデリック:「ちょうどよかった。用事が済んだところだ。さあ、行こうか」

ノイ:「仰せのままに」

女性騎士:「……ご同行なさるのですか?」

サラー:「アタシとこの子だけね。見送りは許可してもらえるのかしら? アタシたちだってフレデリック様をお守りしてきたんだから、そのくらいの権利はあると思うんだけど?」

女性騎士:「構いません。では、みなさんこちらに」

GM:ルーンフォークの女性騎士は表情もなく淡々とそう言うと、向き直って歩き始めます

レイラ:なんかおかたい人ですね

サラー:ルーンフォークだもの、ノイちゃんみたいに話のわかる子ばかりじゃないわ

カシウス:しかしポンコツ3人衆もついていっていいんだな

GM:はいもちろん

レイラ:あと一人はだれですか?

カシウス:そこの青いコート着たハイマン、貴様だ!

レイラ:よもや!!

 

GM:さて、それでは女性騎士、名前つけておいてあげましょうか、「ミカ」の案内で開拓事業団本部兼騎士団の営所になっている施設に向かいましょう。向かうのはこれまで利用したことがない来賓室です。

GM:石造りの建物の廊下を進み、両開きの重く大きな扉をミカが開き、中に入るよう手で示します。表情はあいも変わらず特に変化しません

レイラ:愛想のない人ですね

カシウス:ま、中に入るぞ

 

GM:と、意気揚々と中に入ってみると、そこにはすでにレイチェルとクキバミが、長い木のテーブルの右側に並んで座っており、フロンタがようやく退屈な会話から解放されたという安堵の表情で皆さんをそのテーブルの左側に招きます

フロンタ:「おや、いらっしゃったようだ」

フロンタ:「ブラックバーン嬢、こちらがフレデリックを保護していた冒険者たちです。さあこちらに」

レイラ:「失礼します!」

GM:ノイはフレデリックの使用人ということにするため、控えめに礼をしてフレデリックの後ろに続きます

アーク:僕はまだ悩み続けてるよ

 

カシウス:「……ん? いまブラックバーンって」

GM:遅れて入ったカシウスが見れば、そこには天使がいます

カシウス:「れ、レイチェル!? なんでここに!?」となりのうさぎは誰だぁ!!

レイチェル:「どうもはじめまして、わたくし帝国からの使いとして……って、か、かしっ……」

サラー:「あら、お知り合い?」

クキバミ:「む? レイチェル、彼は?」

レイラ:「お知り合いなんですか?」

レイチェル:「ごほんごほん! ごーほんごほん! な、なんでもないんです! そうですよね! 知り合いじゃないですよね! よ、ねっ!」カシウスに目で何かを訴えます

レイラ:(お知り合いなんですね……)

カシウス:「え? 忘れたのか? ほら、前に俺が行商の警備してた頃に何度も会っただろ?」空気読めない

アーク:さすカシ

サラー:あちゃーって顔して額に手を置くわ

レイチェル:「申し訳有りませんが、存じ上げません!」

 

クキバミ:「……怪しいのう、さては件のレイチェルのイイ人か?」ボソッ

レイラ:「カシウスさん、彼女さんとかですか」ボソッ

 

カシウス:「いや、決してそんなんじゃないぞ? ただ仕事上付き合いがあっただけで……」

レイチェル:「えっ!? そこまで鈍k……あ、ちがっ……と、とにかく、フレデリック様のお迎えにあがりました、レイチェル・ブラックバーンです! 以後よろしくお願いします!」ふんっ

カシウス:「え、いや……まぁそれならそれでいいんだが……」よくわかってない

 

サラー:「あらあらまぁまぁ……」頬に手を当ててにっこり

クキバミ:青いハイマンとは仲良くなれそうな気がするのぅ 耳ピコ!

レイラ:(タ、タビット、かわいいです……耳! だめ! は、話に集中しないと……耳……)

クキバミ:耳ピコ!

 

フロンタ:「……」

サラー:「師匠、そろそろお話進めてもらえます?」

フロンタ:「うむ。条件は以前話した通りだが……そちらの使用人だけを連れて行くということでいいんだったな」空気が読める男

サラー:「それと、アタシね」

フロンタ:「……」眉をひそめた後「失礼、そうだったか」

サラー:「色々と考えた結果ね。手配をお願いいたしますわ」

フロンタ:「では、あとはブラックバーン嬢にお任せします。私が関与できるのもここまでだ」立ち上がり

フロンタ:「フレデリック・ヴェルチ殿。帝都でもくれぐれもご健勝のこと。必ずダインハイトは取り戻してみせますので」フレッドと握手握手

レイラ:なんかこの人も大変ですね

カシウス:苦労人だな

レイラ:このうえ毛の心配もしないといけないんですよ……

カシウス:苦労人だな……

 

クキバミ:(レイチェル、奴らただの使用人にしては動きが鋭い。何か企んでおるのではないか?)耳打ち

レイチェル:(わかってるわよ……でも私の知ったことじゃないわ)小声

クキバミ:(ふむ、レイチェルがそれでいいなら我は構わんが……)

サラー:うさぎとレイチェルににっこりわらって手をひらひらするわ

クキバミ:ばれてーら

レイチェル:「で、では」ぱんっと膝を打って立ち上がり

レイチェル:「冒険者の皆様、お疲れ様でした。ここからはご同行の方、こちらへお願いします」

 

レイラ:このままサラーさんたち行っちゃうんですか?

GM:さあどうでしょうね。別れのときって、よくわからないものじゃないですか。とはいえ、皆さんがここでお別れになると感じるのは自然なことでしょうね

 

サラー:そうね、とりあえず3人に向き直りましょうか

サラー:「さて、ここからはアタシとノイちゃんは別行動。パーティも解散ね。……色々あったけど、楽しかったわよ、アタシはね」

カシウス:「俺もだ。お前からいろいろなことを学んだしな。こっちはこっちで頼りないかもしれないが、なんとかやってみるさ」

ノイ:「まさかこんなことに巻き込まれるとは思ってなかったけど。うん、どちらかっていえば、楽しかったかな」

カシウス:「あー、ノイ。プロッソでいろいろ手伝ってもらったりしたの、あれ、お礼言っとくよ。ありがとな」1-3あたりで思い出してたけど言う機会がなかった

ノイ:「へー、カシウスって記憶力あったんだ。どういたしまして」

カシウス:「フレッドのこと、よろしく頼むぞ。サラーは、ほら、またいろいろ調べるんだろうし」

ノイ:「了解したよ。ま、カシウスの心配には及ばないけど」

レイラ:「私からも、ありがとうございました、ノイさん」

ノイ:「短かったけどありがと。無茶、しないでね」

レイラ:「はい、そちらもお元気で」握手

レイラ:「サラーさんも、えっと……道中お気をつけてくださいね」

サラー:「ええ、あなたたちも……っと、そうだったわ」懐からちょっとしたものを取り出すわね

サラー:「はい、これ」幸運のお守りと薔薇のチョーカーよ

レイラ:「あ、ありがとうございます」

サラー:「これは、レイラちゃんにいいんじゃないかしら」薔薇のチョーカー*1

レイラ:「私に、ですか? 似合うでしょうか?」首のところに当ててみます

サラー:「え? ああ、似合うと思うわよ(ほっとくとすぐ死にそうだし……)」

レイラ:「大切にしますね、ありがとうございます!」年相応の笑みを見せますよ

ノイ:(……あら、レイラ、そうだったのね。でもその漢女は難しいんじゃないかなー)

 

レイチェル:(あのねクッキー、私、お父様にカシウス……あのコートの人とは関わるなーって言われてるから、知らないことにして)扉の外で待ちつつ

クキバミ:(なんと、まさかあやつがあの悪名高きカシウスか!)

レイチェル:(そう、あの人。でも悪い人じゃないんだよ? ただちょっと信じやすいっていうか……)

クキバミ:(ふむ、まあ物には常に二面性があるゆえ、一概に何が悪いとは言えぬが、うーむ……)

レイチェル:(そろそろお別れすんだかな?)

クキバミ:(よいのではないか?)

レイチェル:扉をそーっと開けて「そ、そろそろいいかしら?」ちらり

 

サラー:「ええ」にっこり

カシウス:「……」黙りっぱなしのアークをチラ見

サラー:「……アーク」俯いた彼に視線を合わせて、頭に手をぽんと置いて

サラー:「強くなりなさい。……期待してるから」

アーク:「……え?」

サラー:「力だけじゃなく、心も、知恵も、何もかも。アタシは、貴方が“英雄”となることを期待しているわ」

アーク:「うん……わかったよ。次は、間違えない……」

サラー:すっと彼の手を取って、アタシの疾風の腕輪を渡すわ

サラー:そのまま、何も言わず、一度だけ頷いて、背中を向けようかしらね

 

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レイチェル:「それでは、行きましょう。みなさまごきげんよう」にっこり

GM:レイチェルがそう呼びかけると、フレデリックはもちろん、ノイとサラーはいよいよ部屋を後にします

サラー:ほんとうにお別れね

GM:その背中が扉の向こうに消えるのを、残された3人は名残惜しそうに見送ることでしょう。そんな視線に後ろ髪を引かれる気がしているのかどうかはわかりませんが、またここを去る3人にも、それぞれのこれからが待っているのかもしれません

 

カシウス:「3人のこと、頼んだぞ、レイチェル!」

レイラ:「よろしくお願いします!」

 

アーク:「……」

カシウス:「……」

レイラ:「……」

 

フロンタ:「ごほん」

カシウス:きえぇぇぇぇえぇぇなんかいたぁぁぁぁぁあ

 

 

次回へつづく

*1:1度だけダメージを軽減するアイテム。サラーはレイラのHPの少なさを慮ってこれを渡した