読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

TRPGをやりたい!

TRPGのトビラをひらこう!

【ソード・ワールド2.0リプレイ】アイラットは雨模様【英雄志望と二つの剣2nd season 1-4】

<前回 第1シーズン2−1

 

前回のあらすじ

賑やかな茶番劇を通じて依頼を把握した冒険者たち。北の平原にいるという有害植物を排除して、食料確保のための農地を獲得する手伝いをすることになった。さっそくアイラット北の監視所に向かうのだった。

 

農民と騎士の諍い 

GM:北の監視所に到着する前、アイラットの農地を歩いているところでイベントを挟ませていただきます。

ノイ:なんだろう

 

GM:みなさんが農道を歩いていると、その左右には貧しげな農民の家がまばらにあるのですが、そんな中でみなさんは言い争いの声を聞くことになります

農民:「どうして俺たちの飯を渡さなきゃならねぇんだよ! 領主様の許可は取ったのかよ!」

騎士:「うるさい! これは帝国の決定だ!」

 

GM:どうやら食料供出を受け入れない農民と穀物庫にまで取り立てに来た騎士たちが怒鳴りあっているようです

サラー:よし、アタシはノータッチの案件ね

アーク:うずうず…

 

農民:「帝国がなんだって言うんだ! ここはアイラットだ! アイラットのことは領主様が決めるんだ!」

騎士:「貴様っ! 従わなければ反逆罪に問うぞ!」

カシウス:(また帝国か…帝国がそんなに偉いのか?)

レイラ:(暴動、でしょうか?)

アーク:「今年は不作だったのかな…?」

農民:「コリンズ様の許可は取ったのかよ! コリンズ様は認めてないっておっしゃってたぞ!」

サラー:アタシは関わらないわよ。止めないし、自分からも何もしないわ

アーク:「僕の村でも不作のときは税が払えないって苦労してたよ…」

ノイ:「…食料がないと市民や難民は死ぬ。けど、食べ物を作ってる人だってそれは同じこと」

 

カシウスはなだめようとする

カシウス:「悪い、ちょっと待っててくれ」とみんなに言いつつ、あんま関わりたくはないけど

カシウス:「何かあったのか?」騎士との農民の間に入るか

 

騎士:「あなた方は…冒険者か。いえ、食料供出に従わないものがおりまして」

農民:「冒険者様! こいつらに言ってやってくだせぇ、領主様に従わないほうが間違いだって!」

カシウス:「あぁ、今年は不作だったのかもって言ってたが…どれだけ収めればいい決まりなんだ?」

騎士:「すべて帝国が召し上げ、これを再度配給するという決まりだ。こちらは臣民を守るためにやっているというのに、こやつが私腹をこやすことばかり…」

農民:「ふざけるな! 自分たちばっかり大飯食らって、俺たちを飢えさせるつもりだろ!」

騎士:「黙らんか! 今は国家の非常時である!」

レイラ:「お疲れ様です。規則なのはわかりますが、そう声を荒げなくとも…」

 

領主コリンズの評判

サラー:ちなみに、コリンズ領主とやらはどういう対応しているのかしら?

GM:サラーの調査したコリンズのイメージとしては…

 

GM:クズですね

アーク:あっ

カシウス:()

ノイ:…

 

GM:帝国側には徴税権を差し出しますと言い、農民にはいい顔をして作物を差し出さなくていいようにすると言って見せています。相手によって露骨に態度を変えるどうしようもない小物です

アーク:クズだ

カシウス:クズすぎる

GM:自分が戦わないでアイラット市民に戦わせて皇帝派に嫌がらせをしたい、帝国分治論者*1です

アーク:「ねぇサラー、これどっちが悪いの? 僕は農民だったら税を納めるのが決まりだと思うんだ」

サラー:「そうねぇ…アークがそう思っているなら、騎士様の味方をしてあげたらどうかしら。アタシは、この問題には答えは出さないわ。あなたたち自身で考えなさい」

アーク:「うーん…僕の村ではこういうときは領主様がしっかりとりもってくれてたけど…ここの領主様はやってくれないのかな…?」

サラー:アタシの言うべきことは言ったから、あとは沈黙ね

 

農民の目から見たダインハイト難民

レイラ:「少なくともここで軋轢をうむのがあなたの役目ではないでしょう、落ち着いてください」と騎士をなだめます

騎士:「私の仕事はこの地区の農民から食料を供出させること。ましてやこの非常時に人族に協力せず己と家族の身ばかりを守ろうとするようでは…」

レイラ:「ダインハイトが落ちたのです、今は少しでも効率的に食料を分けなければ…」農民にも説得を…

農民:「そんなわけがあるか! 難民の連中さえダインハイトでくたばっていてくれればよかったんだ! あいつらが来たばっかりに!」

アーク:「…」

カシウス:「…」

ノイ:「…」

騎士:「この下郎! 従わなければ口減しもやむなしと皇帝陛下は仰せだ!」剣に手を伸ばして引き抜く構えに入ります

レイラ:「騎士が領民を手にかけるなどっ! あなたも! 人族の危機に、分け合う心はないんですか!」

農民:「何が人族の危機だ! 自分たちで勝手にやられてタダで食いもんばっかり食いにきやがった!」

 

アーク:だまれぇぇ!!!

アーク:威力0+8(C12) → (3,5) → 2+8 → 10

アーク:農民を殴るよ

農民:「へぶおぉぉぉっ」どぐしゃぁ

カシウス:「!?」

ノイ:「ちょ、ちょっと!?」

騎士:「…」

 

なんのためのチカラか 

アーク:「騎士様に逆らったらダメなんだよ。文句は領主様に訴えてもらわないとダメなんだ…。誰が正しいなんてわからないから、僕は騎士様に従うよ。もし騎士様が間違ってると思うなら、領主様に言うんだ。それ以外に方法はないんだよ」

農民:「んだよ! 金で雇われたらすぐに悪徳騎士なんかに味方しやがって…」這いつくばりながら口に入った土を吐き出しながら

アーク:「それも領主様に言えばいいよ」

カシウス:「…」

騎士:「冒険者殿、ご協力感謝します」騎士は殴り倒された農民に見向きもせずに食料庫にあがりこみ、搬出を始めます

 

レイラ:「アークさん、あなたの言い分はわかります、私も同じ意見です、ですが暴力では解決になりません。話し合いで解決するべきだったと思います」

アーク:「殺されるのに?」

レイラ:「殺される?」

アーク:「あのままなら騎士様に殺されても農民は仕方ないんだよ」

レイラ:「騎士がそのようなことは…人々が苦難を耐え忍ぶための盾となること、それが騎士の…」

 

アーク:「するよ?」

 

レイラ:「そんな…ほんとう、ですか…それは…」

アーク:「たしかに騎士様は守ってくれる。だから、僕たちはそれにふさわしいことをしないといけない。そうじゃない人は、騎士様に殺されても文句は言えないよ」当然のことでしょ?

レイラ:「そんなことは! …だ、だったら騎士は、何のために…」

 

GM:補足しておきます。

GM:帝国はすでに前線を持たない国でしたので、騎士は徴税官や公務員といった側面が強いです。蛮族と戦う必要のあるレイラの出身国である北レシトリアや第1シーズンのダインハイトでは、騎士の戦闘面での活躍も聞かれておりヒーローとしての側面も強いのですが、帝国ではその印象は一変します

 

アーク:「騎士様は、騎士様じゃなかったんだね」

レイラ:「…わ、私は…私は……」

 

アーク:農民を守らないといけなかったし、難民を蔑まれたのが気に入らなかったし

レイラ:その気持ちはわかります…けど…

カシウス:うん、それはわかる。でも、拳を握ったけど、俺は動けなかったよ…

 

カシウス:「二人とも、その辺にしておけ」

レイラ:「っ、失礼します」ふいっと背を向けて歩き出します。涙目を隠さないと

サラー:後ろで控えてたアタシの隣を過ぎるときに、小声で一言だけ言っておきましょうか

サラー:「…貴女の“騎士道”は、どこにあるのかしらね?」

レイラ:「っ…」反応はしますが、返事はできませんね

 

サラー:この農民のために、500Gを置いていってもいいかしら?

GM:構いませんが、農民はぶん投げ返すと思いますよ

サラー:あら、そうね…それが彼の最低限の矜持というなら、それもやむを得ないわね

 

 

次回につづく

*1:地方領主による自治権を強め、帝国を連邦国家へ解体することを推進する派閥。先代皇帝の時代までは主流派で、ダインハイトと北レシトリアの独立以降この流れが続くと考えられていたが、皇帝の代替わりで時代逆行的な中央集権政策が実施されて、分治論者たちは苦戦を強いられている。